象徴詩『初等エステル』
ホルンフェルス霊極が
虚生を追跡してくる
朝顔状階
泥炭を敷いた
三千呎の高さにある
ヴァニラ酸蒸気バルブを開栓
現代必携 干し神
懐疑の竈
先頭に合理的輪転リンガ跳ね衝くツクバネソウ
水彩淵を埋めた暗否定鼠の細胞
集金メダイの比重は借入れた生命と等しい
眼核 鉢に植わる少女立体香
蜜網を張り弓張り
赤色凝灰した捨て石 遺精
飾り解剖
純銀掻器の壊す変口腔
磁魚が火焔を泳ぎ割る
清心削器の崩す扁桃嗜好
踊る脚からカスタードを垂らす
眼刃を渦巻き並べの不変雲
奏でる苛性雑音
死戦期呼吸の喘ぎ
ホルンフェルス霊極が
接続される脊柱の菫青
朝顔状階で
エステルが踊っている