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PHOENIX

高比良はこの瞬間を待っていた

7番の腕を乱暴に掴み メンバーに戦域離脱を命令する

ケルベロスが高比良を残してドラゴンから十分な距離をとってジャンプを開始する

ドラゴンの鱗が突然弾け それらが飛礫となりプレイヤーたちを襲った 近距離プレイヤーはほぼ壊滅し 遠距離プレイヤーもあまりの光景に攻撃の手を止めてしまった 大地に深く刺さった鱗が彼らの墓標となった

杉山が戦域に残った高比良と7番にきづいて声をあげるも

それはドラゴンの咆哮によって掻き消された

怒りに満ちたドラゴンは周囲にも伝わる高熱を帯びた

そして大きく顎を開いた 全力で吐き出された炎は周囲にまだ生存したプレイヤーを灰と変えた

当然 7番と高比良にもそれは届いているのだが二人は無事だ 7番の獣 炎の狼がドラゴンの炎を相殺したのだ

そして炎の狼の様子に異変があった 体を覆う炎が大きくなりそれが火柱となる

「いいぞそのまま力を解放しろ!!」

高比良が叫ぶ 7番は使役する獣の暴走に意識を奪われその場に崩れた

杉山が高比良に迫り銃撃を行うが強化スーツが高比良を守った さらに近づく杉山だったが高比良は動かない 恍惚とした顔で獣の変貌をみつめている

火柱が空を貫くと炎の狼は大きな翼を広げて鳴いた

「鳥?いや違う フェニックス!?」

スコープ越しにミサキも異変にきづいて呟いた

それは紛れもない不死鳥であり 炎の狼はフェニックスとして生まれ変わった

ドラゴンが突然の脅威に咆哮をあげて威嚇する フェニックスも宙に舞ってドラゴンを威嚇

幻想的な光景に杉山も足を止めてしまう

先にしかけたのはドラゴンだった 炎でフェニックスを攻撃するがそれは意味をなさない

しかし体格を活かしてフェニックスを掴むことに成功した

だがフェニックスは慌てることはしなかった 拘束されてなお ドラゴンを睨みつけている まるで自分の方が格上であると誇示するように

フェニックスを掴んだドラゴンの腕が変色し それが全身にまわると眩い炎に包まれた 声をあげる間もなくドラゴンは灰塵と化して崩れた

フェニックスによって命そのものを焼かれたのだった

「この力があればレギオンの いや この世界の王になれる!!それも未来永劫にだ!!」

高比良は歓喜に包まれた 杉山は我に返ってシルバーホワイトで高比良を攻撃する

高比良の腕から発生する物体がそれを阻む 瞬時に発現したのは盾である それも金属よりも強固な盾だ

「無駄だ 絶対の防御イージスの盾 シルバーホワイトでも容易には貫けない」

高比良は言うとさらに槍を発現させて反撃する

避けようとしない杉山を貫いたはずであったが刃が直前で停止する

「悪いな こっちも絶対の防御スキルを持ってるんだ」

杉山の言葉で高比良は察した ケルベロスの先代リーダーが杉山によって倒されたことを

「シルバーホワイトに遠近無効化スキル さすがに恵まれ過ぎてるよな・・・

フェニックスくらいもらっても構わんだろう!!」

高比良が盾で杉山を押し その刹那に槍を投げた 狙いは杉山ではなく意識を失った7番だ

フェニックスには主が誰であるかという認識はまだなく 使役する7番を守ろうとはしなかった

意表をつかれ 杉山のシルバーホワイトが虚しく空を斬る 7番に槍が届く直前に金属音が響いた

槍は砕けて消滅し 高比良の野望は阻止された

7番を守ったのは堀川である

「女の寝込みを襲うのは感心できないな」

堀川が戻ったことで杉山が優位に立った 7番不意打ちするという勝ち目が高比良から消えた

「自慢の盾で受けてみろよ」

杉山が言うとアサルトライフルを高比良に向ける

強化スーツの速度なら射線を外すことは可能だ しかし人間の反応速度そのものには限界がある

まして全てから守られた杉山は接近することをためらわない 近距離からの銃撃に耐え得る保証は強化スーツにもない 戦闘を繰り返した杉山の銃弾も強化されているのだ

後ろへさがる高比良を追いかける杉山 前進する杉山に対して後ろへ跳ぶという選択をした高比良の判断ミスだ

前へ進む杉山が有利である 銃弾は高比良の顔面へと放たれるしかしとっさに顔を覆ったことで盾が銃弾を弾く

だが 装填数には余裕がある 顔を覆うことで高比良は杉山が見えない 散らして撃たれれば直撃する

ある程度の被弾を覚悟するも 予想外の角度から高比良の盾が弾き飛ばされてしまった

ミサキが距離を詰めて狙撃したのだ 腕で顔を覆うも銃弾が強化スーツを貫き骨を砕いた

あと一撃というところでアサルトライフルの弾が切れる 高比良の両腕はもはや機能しない

シルバーホワイトの切っ先が高比良の首を狙う

「待ってくれ!!おれを殺したらおまえは最高ランクに到達するんだぞ?そうしたらもうこの世界は終わるんだ

いいのか?また退屈な日常を繰り返すんだぞ?」

高比良の口から語られたのは切望の言葉であった 確かに高比良の言葉には真実があった 退屈な日常よりも危険ではあるが充足感を与えてくれるレギオンと仮装世界

杉山は沈黙した

「最高ランクになるようなヤバい奴を狩ればいいんだよ お前を歓迎する ケルベロスに招待する

悪い話じゃないだろう?」

ミサキが高比良をさえぎって叫ぶ

「現実より面白いゲームなんてあっちゃいけないんだよ!!」

杉山はミサキの言葉で動いた 高比良の首が飛んだ

「確かにその通りだ」

杉山がミサキを肯定した 堀川もその答えに満足したようだ

やがて 7番が意識を取り戻すとフェニックスが地上へと降りた しかし殺意を剥き出しにした木葉が静かに近づいていた




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