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PHASE3

杉山と木葉 そしてミサキの三人

何も語らずにフェーズ3が開始されるのを待つ

杉山のランクがカンストしている

狙うのはもはや生存ではなく最高ランク到達である 繰り返されてきたレギオンを終わらせる

杉山にはゲームマスターの意向など関係なかった

ただ戦争を強制させられることが腹立たしく 木葉 楓というバイオドールまで使ったことが許せないのだ ゲームに沿ったプレイヤーで終わるつもりでもない

最高ランクに到達できたその時はゲームマスターを倒すことを決めている

「ケルベロス もうすぐ最強のクランがおれを殺りに来るだろう

連中はウィザードのメンバー 唯一の生存者を拉致している まだ名前も聞いていない奴だ

それでも約束したんだそいつを助けるって・・・」

先ほどまで現実に打ちのめされていた杉山

長剣シルバーホワイトを今一度強く握り締めた

それに応えるように刀身は冷気を纏った

「ドラゴンが来ます」

木葉が空を指差す

ミサキがスコープで確認すると それはあまりにも大きかった 攻撃することをためらうほどに存在する次元が違うのだ

「まるで絶望の塊みたいだよ」

ミサキは言いながらも照準をドラゴンに向けている

「高ランクのクランが多数このエリアにジャンプを開始・・・」

木葉が頭上を流れる文字から情報を解析し伝えた

「ケルベロス 高比良はどこだ?」

木葉に詰め寄る杉山 木葉は端末を操作して検索を開始する だが集まるクランの数が多く特定に時間がかかる

ドラゴンが地上に到達し咆哮をあげる 衝撃は木葉とミサキが跳ね飛ばされた

「まだスナイパーライフルの有効射程でもないのに ズルくない!?」

ミサキは起き上がると険しい顔でそう言った

ドラゴンの先制攻撃に頭に血が上っているのだ

ドラゴンがあえて存在を誇示したのは 多くのプレイヤーに対する殺意の証明であった

一斉にジャンプを終えたプレイヤーたちが姿を現す

出現場所は各々が得意とする距離であり 計らずともドラゴンを囲む陣形となった

雷鳴が轟き稲妻がドラゴンを貫き 雨のような銃弾と迷いのない刃が鱗を傷つける

反撃を封じる嵐が発現しドラゴンを場に拘束する

「ケルベロスのジャンプを確認 ドラゴン周辺に出現します」

木葉が言うと杉山が走り出した それを遅れて追いかけるミサキ 木葉の隣に隻腕となった石のゴーレムが生まれた

杉山が木葉を守るためにゴーレムを再び呼び寄せたのだ ミサキがそれにきづくと少し表情が曇った

ドラゴンは以前に杉山たちを襲ったランクのものではない レギオンのレイドボスとして設定された桁違いの強さだ

嵐が収まると身に受けた刃と銃弾に爪と牙による報復を行った 大地を削り取る攻撃に防御スキルは意味を持たず 展開された障壁を突き破った

さらに痛んだ鱗が攻撃によるダメージ以上の速度で再生してゆく ドラゴンを葬るには火力が不足しているのだ

そこへケルベロスが到着と同時に側面から電子砲を発射した ワイバーンたちを焼き払った強力なダメージソース それが幾つも重なりドラゴンの翼を貫いた

勢い余ったエネルギーは空を漂う雲さえも蒸発させる

不意に訪れたケルベロスの攻撃にドラゴンは怒り 顎を開くと大きく息を吸い始めた

正面に相対するプレイヤーが左右に散るも それらにドラゴンは一切の容赦をせずに炎を浴びせた

高い防御スキルも持ったプレイヤーがわずかに残るも ドラゴンの巨大な腕によって圧殺されてしまう

「ミサキ きみは死ぬな」

前を走っていた杉山が不意に言った ミサキは嬉しかった それでもドラゴンへと向かうことをやめない

大地を焦がした炎を杉山は突き抜けてドラゴンに襲いかかる 鱗が裂けそこから冷気が侵食する

ドラゴンの再生能力に阻まれ シルバーホワイトの本来の凍結粉砕能力が発揮しない

だが 今の杉山には近遠両方の攻撃が通用しない

それはドラゴンの攻撃であっても例外ではないのだ 小さな存在ではあるがドラゴンは杉山を殺すことができない

連携と呼べるものはなく 各クランは持てる火力を惜しみなく投入するだけであった

空から飛来するミサイル 砲弾がドラゴンに着弾し翼の再生を許さない

真上からの炎を誰もが警戒していたのだ しかしそれは延命処置に過ぎず ドラゴン本体に致命傷を与えれるのはケルベロスのスキルだけであった

電子砲の号令をかける高比良 その傍らに7番の姿がある ただことを見つめるだけで逃げようとも戦おうともしない

使用限界ギリギリのところでケルベロスの電子砲がドラゴンの翼を切断した

痛みに仰け反るドラゴン 一見優勢に見えるが 古いプレイヤーたちには現実が見えていた

電子砲またはそれ同等の火力がもはやないのだ

電子砲の数が足りず また身を隠す場所もない

このまま戦闘を続ければ削り負けてしまうことを理解していた

態勢を崩したドラゴンに果敢に挑むプレイヤーをよそに 古いプレイヤーが静かに戦域から離脱を始めた

異変に大勢がきづいた時には ドラゴンの目が紫に変色していた

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