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PHASE2

大気が振動を始め大地が悲鳴をあげた

立花は冷静にリーダーにフェーズ2が始まったのだと説明した

合流地点として指定した場所は地下鉄の入り口であった

距離とNPCそしてプレイヤーの接近に備えての判断だった 索敵するリーダーの目に動くものは見当たらない

「もうすぐ二人と合流できる

でも一人は深いダメージを負ってる 戦闘を継続するには治療ユニットを確保すべき」

木葉が立花に言う

立花は考えた フェーズ2 ワイバーンの襲撃を避けて移動し 投下されている支援物資まで辿り着けるのかを

「治療ユニット?

それはどこにあるんだ?必要なら一人でもそれを探す」

慌てるリーダー これ以上の死者を身内から出すことをなんとしても阻止したいのだ

簡易的な手当しかミサキにできなかったリーダーは 責任を強く感じているのだ

「もっとも近い場所でも歩いて半日だよ

この周辺にビーグルはない 急ぐのなら不安はあるけど地下鉄を行くしかないよ」

立花が言うと木葉がそれを咎める

「地下の闇には 前回ゲームマスターによって投棄された複数の自律兵器が眠ってる

危険です わたしはそれを推奨できません」

リーダーは立花にすがるしかない

「頼む 力をかして欲しい」

立花はリーダーの切実な願いを受け止めることはできない

なぜなら立花はPKを繰り返すケルベロスのメンバーを間引く役割を担っているのだ

「残念だけどそれはできない ぼくのスキルはマシンには効果がないんだ

だけど君や残った二人の遠距離スキルには可能性がある

自律兵器は強い しかし十分なメンテナンスを受けていない 逆に少数なら目立たずに連中の隙をつける可能性もある」

思案するリーダーに声がかかるミサキだ

ユウタの背に乗っている 強がって笑っているが巻かれた包帯に血が滲んでいる

「地下に行くのは許されない」

木葉が立花の腕を掴んでいる 仕方がないのだと立花は木葉の言葉に従う

「杉山は見つかったよ ここから離れた場所にいるらしいが 今のところ元気でいるようだ」

リーダーが言うとミサキはいくらか安心することができた

立花と木葉は挨拶もなくミサキとユウタそしてリーダーに背を向けた それぞれの目的を果たすために行動を開始したのだ

「傷の治療をしなければならない

リスクはあるが敵中突破でおれたちは地下を行くことになる」

リーダーが言った ユウタが心配してミサキを見る ミサキはそれに強く頷く

杉山と合流して一緒に戦うには治療が必要なのだ

ミサキは杉山の役に立ちたい ただそれだけだった

完全な闇の中を壁に手を当てて進む 先頭を行くのはリーダーだ 自律兵器がいかなるものかはわからない

恐怖は体を貫いて今にも逃げ出しそうな思いと戦っている

ユウタは言われるがままに従う ミサキは出血から意識が薄れていた しかしスナイパーライフルを離すことはなかった

歩き続けると放置された列車を見つけた それに反応したのはユウタだ ユウタが列車に乗ろうと提案する

「乗ろうって言ってもさ 動かせるの?」

ミサキの問いかけにユウタは返事をしない

リーダーは調べる価値はあると判断しユウタに任せる

「ぼく鉄道マンの息子なんだ」

ユウタの突然のカミングアウトだったがミサキは信用できないでいる

四両編成の先頭に暗闇のなかを移動すると 運転室のドアは開いていた

動力がきているようには見えないがユウタは動き出した

ミサキは埃を被った長椅子に横になり スナイパーライフルを抱いて眠りに落ちた

リーダーは周辺を巡回して自律兵器に備える

歩きながらも眠り始めたリーダーの耳を警笛が打った

ユウタの歓声があがるやいなや列車が起動した リーダーは慌てて列車に飛び乗りユウタの隠された才能を賞賛した

「凄いぞ これで強引に危険地帯を抜けれるぞ」

ミサキは夢半ばの意識で起き上がると一言呟く

「偉いぞ」

そしてすぐにまた深い眠りに落ちた

列車は速度を上げ闇をライトで切り裂いて進む ユウタは一人前の運転手のように計器に目を配っていた

「ゲームとおんなじだ」

不意に漏らしたユウタの言葉は列車の騒音が消してくれた

三人はこの先に自律兵器が眠っていることを知らずにいる ユウタは列車をさらに加速させて楽しそうである

リーダーは自律兵器との遭遇が無いことを強く祈った

しかしこの列車の騒音がそれを許しはしない

暗闇に青く光る何かが見えた

ユウタが警笛を鳴らすも動かない 距離が詰まるとそれが進路を塞いでいることがわかる

「加速して全速で跳ね飛ばすんだ!!」

リーダーが叫ぶ

列車が接近すると青く光るものがクモがたのマシンであることが確認できた

大きさがクルマよりも小さいことが幸いし 列車に跳ね飛ばされて自律兵器は鉄クズへと姿を変えた

このまま突破できるとリーダーは緊張からとかれた しかしそれは間違いであった

「何かが来てるよ」

いつの間に起きたのかミサキがスナイパーライフルを構えて後続の車両を睨んでいた

「自律兵器 つまり無人の機械の巣を抜けているんだ

何匹か張り付いたのかもしれない」

リーダーの説明は半分もミサキには伝わっていない ミサキは立ってスナイパーライフルを構えるのでやっとだった

「きみは休んでいろ」

リーダーが声をかけるもミサキは動かない

やがて 列車の外装を引き裂き自律兵器が車内へと侵入を開始した

青い目が不気味に揺れながら迫る リーダーは照準を重ねて銃撃を始めた 銃声と弾着のけたたましい金属音が車内に響く

続くようにミサキがトリガーを引く 反動を抑えきれずに転倒してしまう

「ここは任せてくれ どうにかするさ!!」

リーダーは決死の覚悟で自律兵器へと単身突撃した

ミサキは声にならない言葉を発した 唇は

「ありがとう」

そう動いた

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