HUNT
突然の杉山不在で混乱した仲間たち
リーダーと島田が動けるようになったのが幸いだった
レギオンまであと48時間をきっている まともに戦える者はいない 生存することが目的であるがそれも困難だ
人数だけはいるのだがスキルもなく杉山と同じ射撃武器を獲得していたメンバーは姿が見えない
他のクランに狩られたのだろうというのがもっぱらの噂である
閉店間際のゲームセンターには思い空気が漂っていた
そこへやってきたのがミサキだった
ユウタを乗り物にしてテンション最大のミサキが一同に叫んだ
「全員杉山ハウスに集合!!」
重い空気を吹き飛ばすミサキに一同は何事かととりあえずは従った
人数が多いのはわかっていたが深夜に集まれる場所は限られていた 許容範囲を超えた人数が主不在の部屋へと終結した
「一体何をやらかすんだ?」
島田がいうもミサキは黙々と準備を進める
杉山の部屋に持ち込んだユウタの大型テレビ そして手に入れた謎のゲーム機が動き出す
「これからみんなで戦場に行きます!!」
元気なミサキの声が一同に動揺を与えるもの考える余地まではなかった
ゲームが起動して集まった全員を向こう側へと意識を転送したのだ
「説明を頼むよ」
最初に冷静さを取り戻したのはリーダーだった
銃声と爆発が鳴り響くフィールドに突然放り出された一同は 過去の経験から身に染みた恐怖に包まれた
「ここは模擬戦闘フィールドで安全です
こっちで殺られても現実では何の問題もありません
ただし 他のクランとの接触は禁止されているみたいなので 知らないプレイヤーがいたら逃げるか先制攻撃を加えて撃退してください」
やけに状況を理解しているミサキにリーダーが驚く しかしそれも彼女のまとった装備を見れば納得がいった
ミサキはユウタとこの仮装空間で戦闘を繰り返して装備を手に入れていた
超射程のスナイパーライフル それがミサキの背にあった
かなりの大きさでミサキ自身よりも長い
「ここではプレイヤーの他に巡回しているNPCがいるんですけど
とにかく殺って武器とかを奪いましょう
それは持ち帰ることができます」
そこまで説明を聴いて島田が言う
「つまりは脆弱な我々に生き残るチャンスが巡ってきたということだな?」
ミサキが大きく頷いた
リーダーはここで提案を出した 武器を持たない集団が一箇所に留まるのは好ましくない
よって少数に班わけを行うことが理想的だと言う
どうせ死なないのだから数で強引に襲撃すべきとの声があがる
それをユウタが制した
「空から兵隊や爆弾も降ってくる・・・
固まってると全員殺られると思う それに弱ってるのを殺るのが良いんだ だから目立つはダメなんだ」
ユウタの手には重機関銃が握られている それも二丁もだ
経験者には従うべきだとリーダーが付け加えて五班に一同は別れることとなった
最初の試みは失敗 突如飛来した矢の雨によって大半は現実へと退場 残った班も武装したNPCに撃たれてしまった
ミサキとユウタは身を潜めて再びみんなが戻るまで動かなかった
時間をかけて戦場の空気に馴染む 他のプレイヤーの追撃から逃げるNPCの一団
ミサキはスコープ越しにそれにきづいた 十分に引き寄せてから発砲するつもりだった
ユウタに指示を出すとトリガーを絞った
突き抜ける乾いた銃声 NPCの一体の頭部が弾けた
古い金属製のヘルメットは超射程スナイパーライフルには意味がなかった
散開させる間を与えずユウタが休まず斉射を開始 NPCたちは釘ずけにされた
そこにリスポーンしたリーダーの班が駆けつけた 手にはとりあえずとしても頼りない鉄パイプや棍棒を握っていた
ほふく全身で射線から動くNPC ミサキが狙撃することでリーダーたちの方へと誘導する
上手く身を隠した彼らは奇襲に成功してNPCを撲殺した
獲得した武器は単発装填の博物館に展示されるレベルの武器である
だが鉄パイプよりは遥かに頼もしい武器と言えた
武器を手にしている者がそうでない者をフォローして 索敵と攻撃を繰り返した
何度もNPCの攻撃に倒れたが諦めずにリスポーンし 無防備であった一同全員に武器が渡った
射撃スキルをとりあえずは全員が獲得することに成功した
NPC狩りに余裕を持って各班が連携を持って狩りを始めた頃 それを妨げるように大型の要塞が姿を現した
上空から独特の低い駆動音を響かせ 一同の想像を超えたサイズの金属の要塞が迫った
「こりゃダメだ〜」
スナイパーライフルを下ろして ミサキが言った
どうやら狩はここまでのようである




