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FIRST

ウィザードとの同盟を結んだ杉山はさらに数日を森で過ごすことになった

台風が到来したのだ

簡易的なテントを畳んで 彼女たちは風穴を拡張した快適なアジトへと移った

杉山もそこへ案内され 嵐が去るのを待つことになった

ケータイも繋がらない地形ということで 杉山は仲間に連絡をとれない

風が吹き荒れ木々が大きくしなり 分厚い雲が渦を巻いて流れて行く

「どうやら三日は動けないようです 快適ではありませんが生活に必要な物はありますから」

外を気にする杉山に7番が声をかけてきた

どうやらシャワーやトイレといった物はあるらしく

証明もランプで十分明るさを保っていた

「ここのリーダーは2番だと言うけど 1番はどこに行ったんだ?」

杉山は先日の2番の話に登場した1番の所在について疑問に思っていた また7番もそれについて話すつもりでいた

「1番はファーストと呼ばれています

とは言ってもわたしもお会いしたことはないんです

杉山さんをお呼びしたのは同盟の件もありますが 2番からの個人的な依頼もあるんです」

7番の表情に陰りが見える

「ファーストはもう八年も幽閉されています

わたしたちがここに陣取っているのは襲撃者から身を守るためでもありますが ファーストを外界に出さないための監視が本当の目的です」

7番によって語られるファーストと現在のウィザードのリーダー2番の対立

ファーストはレギオンの制覇を目的として見境のない攻撃により 他のクランをいくつも壊滅させたのだ

それはレギオンからの生還 仲間の生存を優先する2番の意向とは離れたものであり

仲間の死体を踏み越えてさらに戦火を交えるファーストを危険視する者が続出した

クランは二つに割れて互いに干渉しないことで流血を避けた

2番からすればファーストは命の恩人であり争うつもりはなかった レギオンでの生存競争がなければそれも成立しただろうが 残された2番率いるウィザードはファーストの恐ろしい力を十分に理解しており

いずれ衝突することは避けられないと判断し この森で交渉を装って奇襲をかけた

数では五分であったが能力と経験で勝るファーストとその従者

互いに大きな損失を出しながらも獣と炎が確実に滅びをもたらした

ファーストは最初に2番の炎に焼かれ 本来の力を出せずにそれが勝敗を決した

従者を失い瀕死となったファーストは限界まで拡張された能力で地下へと逃げた

それを追跡し討とうと何人かのウィザードのメンバーが地下へと踏み入るも 誰も帰ってはこない

よって2番はファーストの潜った地下へと続く道を閉ざし 幽閉したのだと言う

「そのファーストを殺るのに射撃スキルが必要ってことかい?」

杉山は先日の戦いでウィザードの力を見た

破壊力は凄まじい 炎の狼の戦力は計り知れないものである だがそれを操る術者本体を攻撃できる射撃スキルを持った杉山はウィザードに対してアンチ装備であると言える

当然それはファーストにも同じであろうと察していたのだ

「そうです きっと2番も悩んでいるんだと思います

かつては大切な仲間であった人を殺すのです・・・

それにこのままずっと幽閉できるかもしれない」

どうやら7番は優秀な部下であると同時に2番の良き友人でもあるようだった

「2番はウィザードが壊滅した時のことを心配しているんです

レギオンでの生存競争ではファーストは目立った動きを見せていませんが わたしたちがいなくなればまた血を求めるかもしれない」

杉山は7番が言い終えると 時間はまだあるのだからと重い空気を払うように伸びをした

嵐は勢いを増して地面を穿つように雨が打ちつける

相変わらず雲が分厚く空は見えない





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