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SURVIVE

リーダーの放つ銃弾が杉山に向けて放たれた

杉山の放った銃弾もまたリーダーに向けて放たれる

生死判定のダイスが死神によって投げられた

リーダーに表示されている数字は80であり 杉山は256である

個人としての基本値では圧倒的に杉山優位である

銃弾は互いを掠めるように飛来し その一つ一つが否定や怒りによって撃ち出された殺意そのものだ

動きながら射撃を行ったリーダーの射撃は正確性を欠いていたが 同時に杉山の銃弾を回避することができた

誰彼構わず撃ち抜くのならば十分な距離であったが 杉山はそれをせず誤射をさけての射撃だ

また動くことで仲間を巻き添えにはしたくなかったのだ

腰を落としてしっかりと狙いを定める

リーダーの放った銃弾に仲間が倒れ 悲鳴と怒号がわき起こる

死神の判定が下る 杉山の頬を銃弾がえぐり続けざまに迫った一撃が頭髪を掠めた

だが杉山の銃弾がすでにリーダーの胸を赤く染めていた

力なく崩れ落ちるリーダー ライフルを本来の持ち主が取り返し二つの銃口が向けられた

「さすがだよ やっぱりあんたが一番」

女の子が杉山に抱きついた

「リーダー?」

側近が動かないリーダーに呼びかけるも返事はない

「あいつ死んじゃった!!」

ユウタが慌て出すも何をすることもできず またしようともしない

木葉は倒れた仲間にかけより止血しようと誰よりも迅速に動いた

それに慌てて従う仲間たち

袖を裂いて木葉が傷口を強く押さえる 溢れる血が止まらない

黒に近い赤い血が床を伝い水溜りとなったころ 彼は木葉の膝の上で息をすることをやめた

「これからどうするんだ?」

数人が杉山に声をかけた 指導者であったリーダーが死んだことで道を示す者はいない

次は杉山に従おうと 従順な羊たちが集まり始める

杉山の判断に目をときめかせる女の子

「それぞれの判断で行動するしかないだろう」

杉山はリーダーの代わりなどするつもりはなく また彼らが信用に値しないと判断したのだった

「待ってくれよ このゲームセンターに集まっていない武装した連中もいるんだ それにプレイヤーキルで自分だけ助かろうって奴もきっといる

ばらけてしまったら化け物にも人間にも怯えて暮らすのかよ?

何よりあんな最悪のゲームを突破することは俺らには無理だ」

すがるように紡がれた言葉に重要なワードがあるのを杉山は見逃さない

「プレイヤーキルで自分だけ助かるってどういう意味だ?」

木葉はと女の子が杉山に隠していた事実が露見した きっとリーダーも治安を守るために隠していたとても危険な生存への別ルート

事細かに全員にそれが知れ渡った どうやらほとんどの者はその情報を知らずにいたようで 安心して眠っていたことに恐怖する

もしかしたら隣にいる誰かが自分を狙っていたのかもしれないのだから

「このままゲームを続けてもきっとまたドラゴンに襲われる あんな無理ゲーを最後まで突破する頃には半分も残らねーよ・・・」

自然発生した議論の結果 ゲーム攻略は諦めてプレイヤーキルを警戒するという方向で議論の決着がついた

「わたしはそれでもいい もしかしたら明日はいつも通りかもしれない

だって突然こうなったんだよ 明日のことはわからないよね?」

木葉がみんなを励まそうと笑って希望を語る

「ドラゴンくらいヤバイのがきたら全滅かもだけど でもゲームしてもそれは同じってこと?」

女の子が杉山に確認すると小さく頷いて見せる

どうやら杉山も疲れたらしい 短い間に死線を何度も潜りリーダーまでも手にかけたのだから

とりあえずゲームセンターに大勢は残り 少数は食料を求めて移動を始めた

杉山と木葉と女の子は鉄橋の下へと戻る

なぜかユウタもそれについてきてしまうので 安全のために両手を後ろで縛り 紐で女の子が動物のように引っ張って歩いた




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