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あったか~い自動販売機で売る必要がない

作者: STORM

これは以前自分が見た夢を小説風にしたものです。ご注意ください。

授業終了のチャイムがなる。

「昼休みか。メシ買いに行くか?」

昼休み。

オレは昼食を買うために購買に行こうと思って、後ろの席の友人を誘った。

「……ああ」

コイツは大変無口なため、反応非常に薄い。

だが、コイツとは三年間一緒のクラスであるため、行動パターンは読めている。

今日も昼飯にパンを買いに行く、ついでにコーヒーか紅茶かコーラを買う。

オレは昼食を持ってきているため買う必要はないのだが、いつもの癖で友人を誘う。

それと、ついでに飲み物が欲しい。

学校の自動販売機は外よりも1ランク値段が安いため、学生にとっては嬉しいことである。

オレはカバンから財布を取り出し、小銭を確認。

311円が入っていた。

財布の中は実に氷河期だ。

350mlペットボトルがオレのライフ(財布)の三分の一を奪い去る。

だが、今日は暑い。

何か飲まなければそれこそライフはゼロだ。




オレと友人は廊下に群れている脳まで筋肉になってそうな頭が悪くて運動しか取り柄がなさそうなむさ苦しい野郎どもを邪魔だと思いながら廊下を歩く。

頭が悪いから廊下に道を空けるということが理解できていないのだろうか。

まあ、イケメンなら許すが、コイツらの顔も性格もイケメンじゃないオレにすら到底及ばんな!

そんなナルシスト的なことを考えながら購買に辿り着く。

「HAHAHA、脳筋どもが集まってやがる」

運動部が活躍する学校、逆にいえば運動しかできない奴が活躍できる学校なため、仕方無いのだろうが。

ちなみに、学力トップのオレと友人にはバカな行動しかとれない脳筋どもが大嫌いである。

全く、譲り合い精神がないのか、お前らは、餓えた野獣か、お前らは。

幸せスパイラル理論の提唱者である友人が激怒するぞ?

漫画などで購買のパンを争う際戦争のようになるが、所詮架空の話。

リアルでは多少なりとも他人のことを考えるべきである。

「……先に飲み物を買うか」

「……ああ」

むさ苦しい野郎どもを見ていると反吐が出る。

群がるとしても美青年、美少女を要求する。

人間と言っても扱いにここまで差が出てしまうのだ。

そんなことはどうでもいいな、さっさと自動販売機へ行こう。




自動販売機にたどりつくと、商品のラインナップが変わっていた。

「……なんで今あったか~いがあるんだよ」

今は夏、真夏、猛暑、夜も熱帯夜。

だがオレの目線の先には背景が赤色の「あったか~い」の文字があった。

そしてその商品はコーヒーの類でも紅茶の類でもなかった。

「カレー……だと」

何故かカレーだった。

しかも良くあるお徳用の500mlで350mlペットボトルと同じ値段の増量缶サイズで。

あったか~いなのに何故かアルミ缶を使っている。

以前冬にコーヒーを買ったことがあった。

ブラックのホットを。

その時、何故かホットのコーラが出てきたことがあったのだが、アルミ缶が膨張しており、今にも爆発しそうだった。

だから純粋にスチール使えよと思った。

だが、そもそも突っ込む場所はそこじゃない、何故学校に、このタイミングでカレーがある?

しかもサン○リーの自動販売機に!

冷やしカレードリンクなら許せた、だが……。

ピッ。

「あ?」

友人が隣で飲み物を買ったようだ。

ああ、そうだ。

オレもカレーなんかに構っていないで飲み物を買わなければならない。

昼休みは無限にあるわけではないからな。

「何買ったんだ?」

先ほども言ったが、いつもコイツはコーヒーか紅茶かコーラを買う。

今日はどれかな、と思い手に持っている缶を確認すると。

「カレーかよ!?」

「……ああ」

と言うかコイツ「……ああ」しか喋ってないな。

実物を目にしてみるといろいろおかしい。

アルミ缶なのに変形していない。

カレー缶のタイトルこそ日本語で書いてあるが、それ以外の言葉が日本語以外で書かれていた。

英語でもない……怪しい。

「ま、とにかく早く戻るか」

オレはさっさとコーラを購入し、教室に戻った。

ゼロカロリーコーラは後味が悪いので、当然普通のコーラだ。

痩せてるからカロリーなんて気にしないぜ!

ちなみにこんなことを妹の目の前で言うと殴られる。




友人はどうやら弁当を用意していたようだ。

だが、弁当の中身はただの白米。

おかずも何もない。

そしてその横には紅茶○伝のペットボトル(500ml)

「そうか、それでおかずがほしかったのか」

何となく理解した。

おかずを入手した友人は早速カレー缶のプルタブをひく。

カシャッ、と言う音と共に、口が開いた……のではなく蓋が丸ごと取れた。

「……ゑ?」

恐る恐る中を見てみると、そこには袋が入っていた。

袋の中には黄色い粉が……。

「粉末カレーかよ!?」

あったか~いの意味ねぇよ!

「……あー、失敗したな」

自販機で売ってる時点で気付けよ!

「……袋、6つ入ってるな」

無駄に六種類の味があった。

カレーの味なんて比較できないが、インド人ならできるんだろうな。

これで、130円。

安いのか……いや、安いんだろうな。

「……ふりかけにして食べよう」

「意外とスタンダードだな。だけどお前はそれを諦めてオレからパンを受け取りなさい」

「だが断る。オレは他人に借りを作ったら負けだと思っている」

コイツ、変なところで頑固なんだよな……。




翌日、自販機からカレー缶が消滅していた。

そもそも前日のカレー缶自体が夢だったのかもしれない。

だが、今日はその友人が腹痛で学校を欠席したから、確認する術もない。

メールすればいいだけなんだが、そんなことをするのも面倒だった。

カレー云々の内容は一切大げさにしていません。

自分でもなんでこんな夢を見たか分かりません。

ですが、この夢を見た時、不思議な夢を見る人が友達の中で続出していました。

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― 新着の感想 ―
[一言] 「他人に借りをつくると自分の中で負けなんだ」の節がおもしろかったです。あと6種類もあるカレー缶も。頑張ってください。
[一言] カレー缶(粉末カレー)ですか!?どうしてそうなった(笑) とても面白かったです!
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