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世界の全てが嫌になったので、AIと世界を滅ぼしてみた  作者: 庄子貴裕
第三章:國の行末争うも、漁夫の利狙うは禿げた大鷲
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3-16

「さて、私が脱線させたようなものだが、今の状況を整理させてもらうと、ロゴ…じゃなくて、デス子君とやらの力で、もう日本はおろか、世界中のAIが機能を停止して、流通も危機的状況になると。被害者的な立場の私が言うのも変な話だが、吉田議員や高野議員が加担してるんだから、インフラへの考慮はしてるんだろう?」


草生首相が疲れた顔を隠さず吉田議員に尋ねる。


「まあ、仰る通りなのですが、そこまで察せられてしまうとこちらも複雑ですね。」


明も高野議員もバツの悪そうな顔で答える。


「何、私ができなかったことを君たちが代わりにしてくれたようなもんだろう。今後の対処もあるだろうから、詳細を共有して…うん?」


首相のスマホが鳴っている。待ち受けの通知を見た草生首相の顔が顰めっ面に変わった。


「デス子君、スマホを接続するのでメインモニターで通話できるようにセットしてくれるかな。」

「キャハハ、碧~対応しても良いわよね?」


唐突に自分に振られた碧は、「うん」と生返事で返した。

草生首相が制御端末に近づくと、それまでセットされていた白石大臣のスマートフォンを引き抜き、横に置く。表情は見えなかったが、白石大臣のスマートフォンの置き方から機嫌はさらに悪くなったらしい。

改めて自身のスマートフォンを端末にセットすると、メインモニターに白髪で彫りの深い、コメリカ人が大写しになった。


「やあ、ミスターカゲル。随分とテレフォンに出るのが遅かったじゃないか。いつもだったらすぐに出てくれるのに。」


何故か日本語で話しかけてきたのは、碧も知っている人物、コメリカ合衆国大統領だった。

よく見ると、画面の下の方に『翻訳&音声出力 デス子』と書かれている。

どうやらほぼリアルタイムで相手の英語音声を認識、翻訳、さらに大統領の音声を合成して出力したらしい。

サブモニターに移動したデス子がどんなもんだいと胸を張っている。

そしてサブモニターに「日本語でOK」と書かれたフリップを出しアピールしてきた。


「なに、ちょっと取り込み中でしたから、お待たせしましたがもう大丈夫ですよ。ところで本日のご用件は? 事前の通知なども何もなかったと思いますが。会談の予定はまだ先でしたよね。」


外交にその表情で大丈夫なのかと感じるほど不機嫌を隠さない草生首相。

対する大統領はご機嫌だ。


「今日は…くっくっく、君とニッポンに…くっくっく、お別れを……」

「やはり覗いてましたか。ここ数年随分白石がお世話になったようですな。」

「ああ、白石君の衛星レーザーね。アレは本当に良かったよ。開発したのが日本で我々が使わせて貰う立場ってこと以外はね。ビデオコンテンツも素晴らしい。だが一番はハリウッドだと思わんかね。」

「どうやら私の失脚が嬉しいようですね。もっとも後任に白石は座れませんよ。貴方がバックアップしたとしてもね。」

「やれやれ、そう急くな。いや焦った方がいいかもしれんがね。実は先程報告があってね。どういうシステムエラーかはわからないのだが、遺憾なことに核弾頭ミサイルが日本に向けて発射されてしまったと言う報告を受けてね。」

「なんですって!?」

「誠に遺憾ながら我々にも、もう止める術がない。君は良き隣人だった。復興には全力で当たらせて貰うよ。では良き終末を」


米国大統領からの通信は、かかってきた時のように唐突にそして一方的に切断された。


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