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世界の全てが嫌になったので、AIと世界を滅ぼしてみた  作者: 庄子貴裕
第二章:マレビト来たりて会議は踊る
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2-4

改めて多角的な衛星レーザーの徹底検証が行われた。

1983年に当時のコメリカ大統領が提唱した『スターウォーズ計画』に始まり、レーザー技術やレーザー兵器の歴史を紐解くにつれ、驚くべき事実が浮かび上がってきたのだ。


「これなら説明がつきます。現在政府で運用されている衛星レーザーは、SFでよくある静止軌道衛星レーザーじゃない。出力もおそらく3MW級の低軌道衛星レーザーだ。だから、一日中撃てるわけじゃないし、出力も低いから、天気によっては減衰して威力も落ちる。」


宇宙からレーザーを地上に照射するには技術も時間もお金もかかる。


我々が生きる現代でも、レーザー兵器の研究は進んでいる。 

ちなみに自衛隊でも2021年から開発が行われ、大型トレーラーに搭載したレーザーでドローンを撃ち落とす動画が公開されている。

世界各地の戦争でもドローンが利用され、対策として実運用されている。

しかし、その実態は、軽量のドローンの一部を焼き、行動不能にするのには効果的な程度だ。レーザーで消し飛ばしてるわけではない。そんな高出力のレーザーを運用するには、少なくとも巨大な装置と大出力の電源が必要だ。


「10年前のデモの時は冬の寒空で、空気も乾燥して雲もなく快晴だった。そして、試験運用中に偶発的に飛び出した活動家に『運よく』命中してしまった。これが真相だ。」


実際、組み立てが完了し、試験計画の日程調整をしていた矢先に、事件は起きたのである。試験担当官が機転を利かせ、足止めを期待して発射したところ、見事命中し、天気も味方して、カタログスペック通りの威力を発揮したのだった。

だが、世間に与えた影響は開発陣営が想定していたよりも大きかった。

一般人にとって『なんとなく未来の物語』だった空からレーザーが降ってきて、何も分からないうちに死んでいく様を見せつけられたのである。


このニュースは2040年当時、ニュースやワイドショーだけでなく、ネット上にも拡散された。1963年、日本で初めて衛星中継が行われた時、本来の予定ではコメリカ大統領がお祝いのメッセージを読み上げるはずだった。しかし、その数時間前に大統領が狙撃を受け暗殺され、皮肉にも大統領の暗殺が衛星を通して行われた最初の放送となり、日本だけでなく世界にショックを与えた。その影響は計り知れない。

そして2040年の事件は全く逆となった。皮肉なことに衛星レーザーが首相を守ったのである。驚異的な抑止力の誕生は世界を駆け巡った。


そしてこの時、首相にも悪魔が宿ったのだ。

首相は即座に動き、その手腕を惜しみなく、いや、実力以上に発揮した。情報統制を巧みに行い、レーザーの威力を疑うような言説を封じる事に成功したのだ。衛星レーザーの影響を巧みに使って言論統制に乗り出したのだ。

碧の結論はこうだ。


「この国のマスメディアや文化は労働力を確保するために削られたのではなく、衛星レーザーの真実を拡散させないために、そして真実に気づく素養を国民に持たせないための政策なんだ。」


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