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一方その頃、作戦会議に参加していなかった老人たちは、ゴーストタウンとなった集落で資材を調達していた。
トクさんを中心としたグループはドラッグストアや薬局を回り、使えそうな薬品を探して行った。
「医療品は必要になりますし、薬品も調合次第ですからねえ。毒も薬も本来は同じですからねえ。フォッフォッフォ。」
「なんか発酵と腐敗の関係に似てるっすね!」
最近トクさんの助手を務めるようになった介護士の若者が荷物を運びながら答えた。
「やはり化学は面白いですねえ。デス子さんの情報処理能力のおかげで、色々できそうです。」
こちらはホームセンターを回っているタマダさんチームだ。トラック数台で乗り付けている。
「Aグループは資材コーナーで、鉄パイプ、足場関連のアイテムを調達。一応、必要なものと、想定される在庫数のリストが共有されてるんで、チェックしながら頼むよー。Bグループは園芸コーナー。必要な肥料の種類と在庫の確認だ。意外と重量あるし嵩張るから気をつけて。 Cグループはオイラと一緒に使えそうなアイテムを物色して行くよ。」
「タマダさん、これなんか意外と使えたりしませんか?防災グッズコーナーで見つけたんですけど。」
「ふむ、面白そうだね重量も軽いし嵩張らないからあるだけ持っていこう。」
ツキさんチームは家電量販店を中心に回り、使えそうなものを集めていた。
「意外と在庫が残ってて助かるね。僕にとっては宝の山だが……今回のメインはこれかな。できるだけ大容量のものを選んで運び出すよ。」
ツキさんが目をつけたのは、電子レンジやソーダメーカーのボンベなどだ。
「何店舗か回れば、必要な分を揃えられそうだね。」
ロクさんは自分の工場の再稼働に大忙しだった。
「作業中はヘルメットを忘れるな。安全第一だぞ!」
掃除から始まって、作業機器のチェック、資材を置くためのスペースの整理と、やるべきことはいくらでもあった。
彼らの老人ホームの所長が捕まった翌日の朝、施設内の放送にて、副所長のサブロウから、所長の逮捕と、その悪行が暴露された。
うすうす気づいていた者、実際に搾取されてきた者、反応は様々だった。
放送の直後から、ゲン爺さんと二ノ宮は、各エリアの老人たちを訪ね、協力の依頼を説いて回った。無論、そんなに簡単に協力者が集まるわけもなかったが、入居者の1割に近い人たちが、なんらかの形で協力してくれることになった。従業員はかなりの賛同者がいたが、彼らがいなくては施設自体が回らない。そこで、実際に作戦に参加する従業員の代わりに、施設の掃除や炊事などの運営サポートに多数の老人が参加している。
今回の資材集めや町工場の復旧作業も、主に若めの入居者や施設の従業員がメインとなっている。
ロクさんは錆びついた機械の油を拭き取り、スイッチを入れると、鈍い音を立てて再び動き出した。
「さあ、他の連中は何を持って帰るかな。腕が鳴るね。」
汗をぬぐいながら、呟いた。大量の収穫を携えて、仲間たちが戻ってくるのはすぐのことだろう。




