表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リバステ! ~ゲームの世界で気ままな遊び人になりました。でも、裏では聖騎士もやっています  作者: 長野文三郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

12/16

レベリング


 スキル『空気を読む』が魔物の気配を感じ取った。

 どうやら口笛にひかれてこちらに向かっているようだ。


「来るぞ。数は三体だ」



 緊張して待っていると、部屋の入り口に現れたのはスライムが三体だった。

 隠れているファラとミフィには気がつかず、まっすぐ俺の方へ向かってくる。

 ナイフでやっつけてもいいのだけど、経験値はとどめをさした人に多く入るシステムだ。

 わざわざ俺がやることじゃない。


「ミフィ、食らわせろ!」

「はいなっ!」


 側面から放たれたファイヤーボールが魔物の群れを焼いた。

 プスプスと泡を立ててスライムは消滅し、浮かび上がった光の粒が俺たちの体内に流れ込んだ。

 狙いどおり、ミフィには多めの経験値が入っている。


「楽勝! もっとやろうよっ!」


 光の粒をたくさん取り込んだミフィがはしゃいでいる。

 ファラもこれで納得したようだ。


「この方法なら安全にレベルをあげられるわね」

「そういうことだ。よし、また口笛を吹くから準備してくれ」


 次に現れたのはスライムよりずっと強力なダンジョンスコーピオンが二体だった。

 だがこれも俺たちは同じように片づけていく。

 しばらくこれを繰り返してレベル上げを続け、ミフィとラムダはレベル10に、ファラは11に到達した。

 だが、いちばん成長したのは俺である。

 なんと聖戦士のレベルが8になったのだ。


 名前 :サクラ・キンタ

 ジョブ:聖騎士(レベル8)

  力  :30

  早さ :11

  体力 :27

  賢さ :10

  運  :11

  HP :69

  MP :40


 聖騎士のスキルと呪文

  かばう:仲間を守る

  身体強化魔法(初):自分の防御力をあげる

  回復魔法(小)

  身体強化魔法(中):仲間の防御力をあげる


 回復魔法(小)をおぼえたのは嬉しいけど、俺には『すごいモミモミ』があるから新鮮味はないな。

 まあ、場所によっては『すごいモミモミ』を使えないからありがたいか。

 胸や太ももとかの傷だと女の子には使いづらいからね。

 それよりうれしいのは身体強化魔法(中)だな。

 仲間の防御力を上げられるので、より実用的だ。

 といっても持続時間が五分なので戦闘がはじまる直前に使う必要がある。

 その場合は聖騎士の状態で仲間の防御力を上げ、遊び人に戻って戦闘をこなさなくてはならない。

 面倒といえば面倒だな。


「すごい! 今日一日で一気に成長したよ」

「それな! さあ、次の魔物を倒そうぜ」


 ミフィとラムダは続けたがったが、冷静なファラが二人を諫めた。


「今日はこれくらいにしておきましょう」

「え~、もっとやりたいぃ!」

「そうだ、そうだ。ファラ姉、俺はまだやれるぜ!」


 ぶぅぶぅ文句を垂れる二人をファラは優しくたしなめる。


「ミフィはもう魔力が少ないでしょう? 私の矢も残り少ないわ。ラムダの剣だって刃こぼれがあるかもしれないわよ」


 そのとおりだ。

 矢は回収しながら使っているけど、一部は再利用不可の状態になっている。


「ファラの言うとおりだな。レベリングはこれくらいにして、魔結晶を探そうぜ」

「わかった。そのかわり明日もレベル上げを手伝ってくれる?」


 ミフィが甘えた声を出す。

 この子は本当に甘え上手である。

 

「かまわない。俺だって仲間が強い方が心強いからな」


 次の日のレベリングを約束して、残った時間は魔結晶探しに充てた。


「よ~し、強くなったことだし、大量に魔結晶を見つけてガッポリ稼ぐぞぉ!」

「魔物なんざ俺が蹴散らしてやるぜぇ!」


 ミフィとラムダが張り切るのをファラが苦笑して見守っている。


 

 意気込みはよかったのだが、あまり魔結晶を見つけられないまま本日の探索は終了した。

 レベリングに時間を使いすぎたのが原因である。

 今日は一人頭3000レーメンの稼ぎにしかならなかったが、こんな日もあるだろう。

 俺としては仲間の成長がうれしい。

 この調子でレベルを上げていけば、次の主戦場は地下三階になるだろう。

 階層が深くなればそれだけ、とれる魔結晶の質も上がるのだから焦ることはない。

 ただ現在のところ、俺の財布の中身は3500レーメンである。

 食事くらいなら困らないが、これだと個室に泊ることはできない。

 安い大部屋に泊まるという手もあるが、俺はデリケートなのだ。

 人の気配があると眠りが浅くなってしまう。

 それは嫌なんだよね。

 だったら、残された手はあれしかないか……。


「さて、俺はもう行くよ。今夜はしっかり寝て明日に備えるんだぞ」

「あれ、キーンさんはお出かけですか? 遊びに行くのなら私も連れていってくださいよぉ」


 ミフィが俺の袖を引っ張る。


「だ~め。俺はこれから一仕事なんだから」

「あ、わかった! エッチなお店に行くんでしょう?」

「ちがうって!」


 ファラが目を吊り上げているじゃないか。

 俺は性欲を満たしたいわけじゃない。


「本当に野暮用さ。じゃ、また明日な」


 俺はファラたちに別れを告げ、一人で歓楽街へ向かった。


このお話がおもしろかったら、ブックマークや★での応援をよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ