3 急展開?
「ねえねえ、新谷君!!」
「え?」
ある日の昼休み、バスケ部の相原千尋からいきなり話しかけられた。
コイツは俺と同じ一年で、隣のクラスだったはず。
背は低いが、練習を見てる限り、運動神経は良さそうだったな。
肩にかかるくらいの茶髪、可愛い系で、男バスからの人気は高い。
この子も結構胸あるから、皆の注目の的だったりする。
普段そんなに話したりしないんだけど……。
「ごめんね?急に。あの、ちょっと頼みがあるんだけどね?」
「頼み?何?」
「えっとね?従兄が今度誕生日なんだけど、男の子が喜ぶプレゼントなんてわからなくって……」
「選ぶの手伝えって事?何で俺?」
「えっ?あっ、あの、日曜日に新谷君を見かけたことがあって、私服のセンスいいなって思ったの!」
「そうかな?普通だと思うんだけど?」
「その普通が良いの!あんまり個性的だと従兄の趣味じゃないかもだし……」
「そんなもんかなあ?」
「そんなもんなの!ね?お願い!お礼はするから!」
「ほう?お礼ねえ…‥」
「えーと、今日部活終わりに付き合ってくれたら、ご飯奢るよ!」
「マジで?!部活終わりだったら、俺腹減ってるだろうから、食うぞ?」
「オーケーオーケー、いいでしょう!」
「うし!乗った!」
よーし、今日は練習張り切って、腹減らしとこう!
そんな軽い気持ちで承諾した。
そして部活が終わり。
「ごめんね?付き合ってもらうのに遅くなっちゃった!」
「おう、気にすんなよ。で?どこで買い物するんだ?」
「駅前のショッピングモールでいい?」
「メシの為ならどこへでも!」
「ふふっ。じゃあ、行きますか!」
駅前のショッピングモールへ。
「で?服買うの?」
「うーん、服でもいいし、アクセサリーとかでも……」
「なんだよ、ある程度決まってるかと思ったんだけどな」
「その辺も新谷君の意見を聞こうと思って……」
「まあ、取り敢えず、服でも見てみるか?」
「そうだね、色々見てみようよ!」
「なんか楽しそうだな?っていうかさ、ホントに俺で良かったのかよ」
「え、あ、うん、あ、新谷君が良いなって……」
「えっ?」
「あ、だ、だから、新谷君のセンスが……」
「ああ、そっか。あんまり期待しないでくれよ?」
「だ、大丈夫!」
「?まあ、俺の好みだったら、これと、これとか……」
結局、服屋だけでなく、色々付き合わされることになった。
まあ、メシ奢ってもらうし、しょうがないか。
買い物も無事に終わり、さあ!メシだ!!
「ここなんだけど、いいかな?」
「え?なんか洒落てんな?!俺場違いじゃね?」
「そんなことないよ?!結構、学校でも人気ある店なんだよ?」
「そ、そうなのか……。てっきり俺は定食屋とか、ファミレスとかかと……」
「だ、だめ?ここ、美味しいって評判だよ?」
「いや、ダメって事ないけど、高いんじゃないか?」
「大丈夫!そんなに高いお店じゃないよ?」
「そ、そうか、なら……」
そうして、ちょっとお洒落な店へ。
「あ、あれ?瞬?」
「は?佳世?」
佳世が男子バレー部の先輩と一緒に、食事をしていた。