2 佳世の本音?
「もう!基礎練習ばっかで疲れちゃったよー!!」
「あたしら一年だからねー!しょうがない、しょうがない。」
「早くボールに触りたいよー!」
「それはそう!ボール使った練習一杯したいねー!」
佳世と佳世の部活仲間が朝練を終えて、教室に入って来た。
俺と佳世はクラスも一緒だ。
「佳世ってさあ?男子バレー部の先輩とかから人気あるよね!」
「え?そ、そんな事ないでしょ?」
「気付いてないの?結構練習中、佳世、見られてるよ?」
「ええっ?き、気付いてなかったよ……。」
「まあ?佳世を見てたのか、このおっきなおっぱいを見てたのか知らないけど!」
そう言いながら、佳世の友達が佳世の胸を触る。
「ちょ!やめてよ!」
「ごめんごめん、あんまりにも立派だからさあ!」
「もう!気にしてるんだから、ホントにやめてよ!」
「ごめんって。でもさ、羨ましいよ。」
「そんなことないって!動きづらいし……。」
そう、佳世の練習姿を男が見たがるのはわかる。
わかるけど、正直面白くはない。
俺にはどうしようもないことだけど。
「佳世はさー、彼氏とか作んないの?」
「え?どうして?」
「どうしてって……。それだけ立派なモノをお持ちなら選り取り見取りじゃん?」
「そ、そんなことないよ……。それに今は部活頑張らないと。」
「彼氏いても、部活は頑張れるでしょ?」
「えー?そうかなー?」
「そうだよ!あ!新谷君とはどうなのよ?!」
「ええ?」
聞こえてるって!!
佳世と目が合った。
ヤベえ!
サッと目を逸らす。
「あ、アイツとはそんなんじゃないって!!」
まあ、そうなんだろうな……。
いつもの事だ。
「えー?新谷君も結構いい線いってるんじゃない?」
「そんなことないでしょ?」
「あるよ!結構人気あると思うけど?」
「え?そうなの?」
そうなの?!
「うん、何人か、いいなって言ってる子、知ってるよ?」
「うそ?!」
うそ?!!
「ホントだよ?いいの?佳世?取られちゃうよ?」
「べ、別に私は関係ないよ!」
「もう、意地張っちゃってー!」
「意地なんて張ってない!瞬と付き合うなんてありえない!!!」
「そ、そんなムキにならなくても……。」
「あたしは瞬を男として見た事なんて今まで一度もないの!!だからありえないの!!!」
「わ、わかったから、落ち着いて?私が悪かったから……。」
「わ、わかればいいの、わかれば……。」
まあ、そうだよな、って思ってたけど……。
そっか、今まで一度も俺を男として見た事なかったのか……。
俺は佳世の事、女として見てたけど……。
脈、ねえのかな。