13 俺の告白
結局俺は、その後も相原と一緒に居た。
通夜の日も、葬式の日も。
こんな俺でも、相原の支えになれたのかもしれない。
そう思えたし、ひいおばあちゃんの話をしている時の相原の笑顔に、惹かれた。
支えたい、と思った。
一緒に居たい、と思った。
正直、佳世の事を吹っ切れたかどうか、自分自身、わからない。
だけど。
「相原、俺と付き合ってくれないか?」
「……へっ?」
「だからさ、俺と付き合わないかって言ってんの」
「……え?私?」
「相原しかいないだろ?」
「……ほんとに?」
「ああ。なんか、相原と一緒に居たい、って思った」
「……夢じゃない?」
「夢じゃないよ、マジで」
「で、でも……坂本さんは?」
「あー……まあ、諦めなきゃって思ってたし……なにより、相原と一緒にいたいってのは本当の気持ちなんだ」
「いいの?」
「ってか、俺から告白してるんだけど」
「あっ!こ、こちらこそお願いします!」
「うん、まあ……よろしくな」
そうして俺たちは付き合う事になった。
「瞬くん、今日部活終わったらどうする?」
「あー、別に俺は特に考えてねえけど、千尋は?」
「私も考えてないけど……どっかで二人で話したいな」
「そうだなー、腹減ったしなんか食いにいかねえ?」
「ふふっ、いいよ!何食べに行く?」
「じゃあハンバーガーかなんかで……」
「瞬!!」
「え?」
か、佳世?何だ?ちょっと慌ててるみたいだけど……。
「あ、坂本さん……」
「あ、ごめん、邪魔しちゃって……」
「あ、ああ。それよりどうした?」
「あ、えと……。ちょっと話があるんだけど…‥」
「話?わかった、何?」
「あー……。で、出来れば二人だけで話したいの……」
「へ?何で?」
「……だ、ダメかな?」
「えーっと……」
千尋を見ると、真剣な表情で俺と佳世を見つめている。
「……行ってきなよ、瞬くん」
「え?けど……」
「大事な話なんだよね?坂本さん」
「え……うん」
「じゃあ、今日は二人で話してきていいよ。夜電話するね!」
「あ、おい、千尋?」
千尋はずっと真剣なまなざしで俺を見つめている。
……心配なのか?
俺が佳世の事を吹っ切れているかどうか、わからないから。
馬鹿だな。
「変な心配すんな、千尋。大丈夫だから」
「……うん」
「俺を信じろ、千尋」
「……わかった」
「じゃあ、行くか、佳世」
「……ありがとね、相原さん」
「……うん」
千尋は一人で帰って行った。