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皇帝とサキュバス  作者: テクマ
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再構築

「噂によると魔石が玉座のまわりにあるそうですよ」

「玉座?」

「あなたが接見するときに座る、・・・人に会わないんでしたっけ」

「ええ、あなたともこの長椅子で向かい合って座って会っていますし」

「先代の魔女様が座っていた場所はどこですか」

「今あなたが座っているところです」

「では魔女様は人の時代からそこに座っているのですか」

「はい」


北の魔女は、うれしそうにうなずくとお茶を飲んだ。


「まわりに何も無いようなので、この下ですかね」


エルフは立ち上がると長椅子を動かした。そこには地下に通ずる長い階段があった。


「これはなんですか?」

「さあ」

「うん、これはおいておきましょう。あなた様の長椅子を動かしてもいいですか?」

「どうぞ」


北の魔女はニコニコしながらお菓子に手を伸ばしてほおばった。


「すみませんが立っていただけませんか、私の力ではあなた様ごと持ち上げることは出来ません」

「そうでしたか、それは失礼しました」


はじめて気づいたようすであわてて立ち上がると横に立って眺めていた。エルフが持ち上げて長椅子をずらすとそこには赤い石が5個あった。


「なんでしょう?はじめて見ます」

「これがおそらく魔石ですね」

「これが、へぇ」

「こんなこともあろうかと長老から渡された魔方陣を書いた紙がありますから、今からそれを床に書きますがよろしいですね」

「ええと、私はこれからどこに座ればいいのでしょう?」

「これは部屋と一体になっているのでこの位置から動かせません、あなた様が唱えられるならこの上に座るといいのですが」

「別の場所に移動ですね」

「後で長椅子を移動するとき手をお貸しします」


エルフは魔方陣を書くため魔石が入った箱を動かすとそこには、また魔石の力が必要になった魔女へ、と書かれた手紙が出てきた。エルフは手紙を魔女に手渡した。


「えっと、魔方陣あるいは詠唱で起動しなかったときは前の長椅子の下の階段から下に降りて動力をおこしなさい、ですって」

「まずは魔法陣を書いて書いてみますか、ですが動力とは聞いたことがありませんね」


エルフは複雑な図形を書き上げると魔石の入った箱を中央に置いた。北の魔女はまわりや天井をキョロキョロと見回してエルフを見て言った。


「何か起きていますか?」

「何もおきていませんね、下におこしに行かなきゃなりませんか」


エルフは階段をおりて行くと北の魔女もついて来た。


「ここは私が行ってきます、思ったよりも長い階段ですし」

「いえいえ、私もぜひ行きます。これでも毎朝海岸を歩いているので体力はありますから」


北の魔女は目を輝かせてそう言うと先頭を歩きだした。長い階段はいりくんでいてなかなか下にたどり着かない。


「飽きました、上にいればよかった」

「ここで折り返されていいですよ、あとは私がやりますから」

「いえ、たぶんもう少しです、最後までやります」


まだまだ深い階段は少し登るとまた下って行ったが、少し先に何かが見えた。エルフが魔法の光をそれに向けて放った。


「何か見えますね、人かな、人に見えますが」

「そうですねうずくまった人ですか、あれをおこせばいいのでしょうか」


恐る恐る近付くと、その人は振り返った。


「やあ、我が後継者よ、やっと来たか」

「あなたは、どなたですか」

「私は16代の北の魔女だよ」

「私の3代前ですか、こんなところで何をしているのですか?」

「おこしに来たんだよ」

「はあ、で、おこしたのですか?」

「いやまだ底にたどり着いていない」

「お疲れでしょう、この上に登れば部屋がありますからそこでお休みください」

「上にも行けないのだ、お前はこれがダンジョンだと気づかんのか」


エルフは


「やはりそうですよね」

「お前はしっかりしているようだ、ここはなんの目的か知らないが惑わすような構造になっている、魔法もかけられている」

「シーサーペントはこのような罠をはるようですね、あなたがここに入られてから出来たら国の地下にもこのようなダンジョンがあって底にはシーサーペントがいたことが報告されています」

「しかしシーサーペントだとすると長生きだな、3代後の後継者が来ていると言うことは数千年はたっているのだろう、これが始まってからいるとすると数万年だ」

「時間が止まっているのかもしれません、そのシーサーペントをおこすのが仕事なのかも」

「だが底にたどり着かないと話にならない」


今度は三人でくだって行った。さらに半日過ぎたころ、鉄の扉があった。


「帝国のレポートと同じですね、だとするとこの先にシーサーペントがいますよ」


皆は扉を開けるとそこには、機械室があった。


「何だろう、複雑なパイプがいりくんでいて棒が何本も並んでいる」


その棒のひとつに、これが上になっていたら下ろして、と書いてあった。北の魔女達は声をそろえて。


「上の手紙と同じ文字ですから同じ人が書いたのでしょうね」


二人はその棒を下ろすと機械が静かに規則正しい音を出し始めた。


「私の魔法が使えるようになった」


3代前の北の魔女は喜びながら手から小さな炎を出して見せた。


「では私が魔法を使えないのはこれが止まっていたからかしら」


今の北の魔女も同じように炎を作った。


「これでいい、では帰ろう、私は空間を飛び越えることが出来る」


そういうと三人は地上に転移した。


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