再構築
「ルーシー様、いつから女学校を始められたのですか?」
「女学校なんて始めてないんだよブリジッドさん、集まったと言うか、さらってきたと言うか」
「さらってきたようにも見えませんね、拘束されていないし、みな明るくて、きちっと礼儀も出来ているし。廊下を歩くと、ご機嫌よろしゅう、とか言われてろくに返答できない自分が恥ずかしくなるぐらい」
「例の王国に対する戦略のひとつだよ、君ならバレンティーナ殿から聞いているだろ」
「あの国力を低下させるやつですか、それでこの子達の落ち着き先を紹介しろとおっしゃる」
「そういうことだ、どこかないかな」
「算術が出来たら商業ギルドで雇いましょう冒険者ギルドでも需要があるでしょう、他は魔女様たちとバレンティーナ様達のところでしょうかね」
「みな算術も読み書きも出来るよ、ここでは音楽と生活魔法を教えている、それとこれから剣術と本格的な魔法を教えて人族の魔導団や騎士団に入団できるようにしようかと考えている」
「家庭にはいることは考えないのですか」
「我々魔族にはそういったのが無いから、それはメイド修行に含めている、そう考えている」
「そちらで言うサキュバス的なのは帝国が禁止しているから出来ませんよ」
「それでいいよ、わざわざ奴隷から解放してまたそれに戻すようなのは合理的じゃない」
「では徐々にもらっていきますね」
「すぐじゃないのか」
「ここで行儀見習いした方が受けがいいと思いますよ、それに楽しそうです。そういう時期があっていいと思います」
「そう言うもんかね。もっと孤独な時間があった方がレベルが上がると我々は思いがちだか」
「魔族とはちがうんですよ、淋しがるんです」
王国では王様と魔術士の議論が続いていた。
「あれはなんだったんだ、浅黒い男と人相の悪い子供」
「あれは神様です、白い衣をつけていたでしょう」
「たしかに白い衣をつけていたが、そもそもこの国は土着の神をゆるく信仰してはいるがあのような絶対唯一神の信仰は無いのだが」
「あれは土着の神々のとりまとめ的な神なのですよ、つまり土着の神なのです、ちょっと偉いだけ 」
「まあ、そんな感じか。帝国とかで信仰対象になっている神も同じなのか」
「あそこは確か女神です、女神の取りまとめが神で、女神も土着の神と変わらないのでは?」
「魔術士殿の話を聞いていると本当にそうかもしれないと思ってしまう。
それであの神は我々に何をしろと言っているのか、分かるかね」
「おそらくは戦争以外の方法で解決することのメリットをときに来たのでは」
「メリット?帝国の入れ知恵で我々に暗黒大陸の土地を渡さないばかりか奴隷を奪った東の魔女と戦う意外にどんなメリットがあるというのか」
「こう考えればいかがでしょう、帝国は東の魔女の土地で奴隷に穀物を作らせる、それを王国が安く買ってやれば帝国と対等かそれよりも立場は上です」
「確かにあそこはいやしい商人のような国だ」
「さらに帝国で飢饉があれば帝国以外の他の国から買えばいい。奴隷がいると我が国の飢饉で死にひんした奴隷達の食糧も買わねばなりませんがその必要はありません」
「だが何と引き換えに買うのだ」
「領土に豊富にある鉱物です」
「あんなものが売れるのか、ただの石だぞ」
「アダマンタイトは帝国の騎士達は喉から手が出るほど欲しい鉱物です」
「加工はむこうでは出来るのか、うちからみたらたとえアダマンタイトで出来た防具を着けようが魔法士殿が中身を焼いてしまえば意味がないが、あんなものを欲しがるとは遅れているな。
いいだろう、少し寛大になって帝国に花を持たしてやるか。それで交渉はどうやる」
「皇帝を交えて東の魔女と会談を持ちましょう、もともと意見の相違で領土を取り合ったが今では元に戻っています、これで問題は無いと確認します。その時に帝国の神官を呼んでこたびの神の降臨の話をしてみては如何かな、神などはそうそう現れるものではありません、きっと驚くでしょう」
「それは楽しみだ、その方向で話し合いをもとうじゃないか」
「と言うふうにまとめてきたが、サキュバス君は東の魔女殿はどう考えると思うかね」
「あの方は現状が維持されるなら問題無いでしょう。帝国ですが、友好国となるにはまだやらないといけないことがあると思います」
「奴隷か、それはまだテーブルの上にあがってない。しかしアダマンタイト等を帝国が買えば王国は潤う、その金で王公貴族の身の回りの世話をする専門の者を雇うよ、もちろん今の奴隷よりもよりいいサービスが提供できれば、だが」
「プロなら養成すればいいでしょう、今の奴隷なんかを使っているのが馬鹿馬鹿しくなるほど熟達者なら自然に奴隷から脱却するでしょう」
魔王城では
「キャー、黒帝くん、こっち向いて」
黒帝くんのブームが来ていた。




