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皇帝とサキュバス  作者: テクマ
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「心配そうにしなさんな、まだ時間はある好きなものは何でも持ち出すがよい」

「王子を、ですか」

「あれは最後の最後だな、王族や貴族の女性達も、いなくなったら大騒ぎになる。今できるのは、例えば宝物庫の財宝の一部を持ち出すとか、あるいは侍女の奴隷などはまきぞえになるかもしれないから連れ出すのはいいだろう、今いなくなっても誰もきにしない。君は彼女たちと楽しそうに話していただろ」

「私にはここを無にすることがマーラ様の意とするところとは思えません」

「そうかもしれない、これから先、数年から、年十年、何百年もかけて王族や貴族を懐柔することもできるであろうが、その間に人族は何世代も入れ替わる。革命をしようにも奴隷がそのようなことをすることは無い、なぜなら家族を人質にとられているし最低限の命は保証される、失敗すれば死しかない、王様が生存権を保障しているんだ、そして殺す権利も王様が持っている。これから来る世の中では王族や貴族と奴隷の命の重さが同じになる、それならば数の少ない王族や貴族の命を無にした方が救える命の量が多いだろう」

「しかし・・」

「わかった、もう少し粘ってみるか、君は思い入れが強いからな、レイピアもそうだが、ここでの人族との関係もしかり。しかし王は奴隷のことなど考えることは無いだろうが。そうだ、この王も王子のころ君が面倒をみていたな、何か言い含めていた価値観は無いのか、それが糸口となるかもしれない」





サキュバスメイドとわかれたミアは皇帝の城に帰っていた。そこでソフィアとばったり会った。


「まあお早いお帰りですね」

「はい、なんとか。言葉と言う武器で切り抜けてまいりました」

「そうですか、それでレイピアは必要なかったので置いて来た、と」

「あれは元の持ち主のサキュバスメイドさんがいたので返してきました」

「そうですか、元の持ち主の方がいましたか。お元気そうでしたか」

「ええ、もう少しで全滅させられそうなぐらい元気でした」

「プッ、それは、それは、元気は良いことですね」

「なくしたことをずっと気にしていたみたいでしたよ、そのうち謝りに行かねば、と言っていました」

「そんなことは必要ありませんよ・・一般論としてさし上げたものはその人のものですからなくそうと壊そうと謝る必要は無いという意味ですが。そりゃ、なくしたらさし上げた人は一言二言なにか言うかもしれませんが」

「ですよね、なんかすごい引っかかっていたみたいでした、そのうち泣きながら謝るんでしょうね」

「それはうっとうしい、でしょうね。謝られる人は」

「今は王国の魔法士に会いに行っています、東の魔女様の宰相に迎え入れるようで」

「はぁ、それはまた難しいことを考え付きましたね。一般論として現職の宰相が国を見限ることは無いでしょうし、もしその気があるなら国をつぶして手土産にするかもしれません。そうなるとヴァレンティーナの東方への歩みは早まるでしょうが、無理をすると侵攻と取られかねませんから、どうでしょうね。ヴァレンティーナはしばらく動けないからそのままでもいいのですよ、奴隷を引き抜いていけば国力は下がるしこちらに妥協案を示してくるから」

「東の魔女の後継者様はあそこから先に領土を広げる気はなさそうです」

「広げるなら侵略ですからね、兵隊を増やすのに三世代は待たねばならないから、そこは我慢でしょう」

「暗黒大陸側に未開地の領土がありますからもっと必要でしょう」

「ああ、そうですねあの王国はまわりを他の国に囲まれているし、南の部族を搾取していたので国力が落ちると攻められかねません。あそこを攻め落とすならまわりも一気に行かねば。つまり今は無理ですね」

「魔族なら力押しでしょうけど」

「いえいえ、魔族は数百年前の大戦で失った戦力をまだ回復していませんから、なにせ長生きだからそのぶん子供が少なく育つのに時間がかかります、あと数百年は派手に動けませんよ」

「人族は弱い分、増えやすいから数で勝負ですね」

「それと知恵でしょうね、加護もありますし。

まあ立ち話もなんですしお茶でも」





王国側の東の魔女の城では。


「この城は誰の城なのでしょう」

「東の魔女様の城です、今現在、後継者様が管理していますよ」


  ワイバーン達が声をそろえて答えた。


「本当かしら、私は何もしていません」

「一番働いたのは、戦闘と言う意味では黒帝くんかもしれませんが。そもそも戦闘らしいことを何もしていないので、なんとも」

「う~ん、なんともスッキリしない結末です」

「そうですか、では空でも飛んでみてはいかがです、私達と一緒に。スキッとしますよ」

「ああ、それはいいかもしれませんね」


東の魔女の後継者は別のことを考えて気を紛らわそうとしていた。そこにボイスとレイエが挨拶に来た。


「うちらはもう帰りますね、後は帝国の人らがいるから大丈夫でしょうし」

「ええ、ありがとうございました。うちの兵隊も何人か送ってもらえたので大丈夫です」

「もともと20人で回していたんでしたっけ、それならいいですね。結界の外には500人ぐらい王国の兵士はいるみたいですが」

「あの国の魔術師は外に出ないのでここをやぶることは無いでしょう、見張っているだけです。じゃあ黒帝くんもありがとうルーシー様達にもよろしくお伝えください」


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