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皇帝とサキュバス  作者: テクマ
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王城の地下深く、魔法士の居室があった。サキュバスメイドはそこに転移すると、魔法士と見知らぬ老人が額を寄せ合って話こんでいた。見知らぬ老人はサキュバスメイドが転移してきたことに気付くと話を切り上げて暗闇に消えて行った。


「魔法士どの、今のお方は魔族の方ではありませんか」

「暗闇に消えたからね、その通りだよ」

「ここに私達以外の魔族の方がおいでになるのは私の知る限り初めてです」

「君が来る前はまれに来ていたように記憶しているが、そうかね、そうかもしれないね。

ところで君は帰って来たね、一度死んでから帰って来たようにも見えないが、どういう心境の変化があったのだね」

「魔王様の祝福を受けたメイドの剣士に会いました。そのメイドの話を聞いて、もう一度、この身を魔王様にささげたくなりまして、生きて戻ってまいりました」

「その腰に帯びた剣、おそらく君が、剣をなくしたと言ってこの地下で100年は泣いていた原因となった剣なのだろうか、それを魔王様の使者が持って来たということは魔王様がその剣を君が持って戦うことを期待しているのだろうか」

「わたしはそのように理解しました」

「うむ分った、君にはここでお別れを言おう、これまでこの地下で私に力を貸してくれて嬉しく思う、感謝する」

「微力でありましたが、今までありがとうございました。そしてお願いがあります。

私はかの国のメイドになります、それは魔王様の使者の意思であり、その意に従うことが魔王様のお役にたつことであると感じたからです、そしてかの国の繁栄に助力することこそ我が新しい努めであるなら、最高の宰相どのを迎えることこそその早道と思い、あなた様をかの国の宰相として最もふさわしい人物と推薦いたしました、宰相としておこしいただけないでしょうか」

「それは過分な評価をいただきましたな、この年寄りも新しい国づくりには興味はありますが、今後数千年数万年にわたり堅持される法則を展開するにはいささか時間が足りなく思います。もしよければ我が眷族のものから推薦したいのですが、いかがかな」

「ありがとうございます、あなたはここで最後を迎えられるおつもりですか、ならば友好国の契りを結ぶようご尽力願えないでしょうか。それならば国と国との交流によってあなたの英知という恩恵を我が国も受けることがでるでしょう」

「それは非常に難しい。剣士殿や君の勝ち負けは終戦の理由にはなるが、この国は奴隷をエネルギーとして向かう方向は私を含めた賢者が定めてそれを国王が認めてその行く手を阻むものは剣士たちが取り払う。もうこういう方向でしか動ないのだ。君がこれから行く国は王国の行く手を阻むものそのものだ。この国を君が行く国に合わせるには、国王は奴隷のために戦い、奴隷は国王のために進んで労働をする、そして国王は奴隷に貴族に近い身分を与えねばならん。どこからも苦情がなく推し進める方法を私は思いつかない」

「つまり戦争しかないということですか」

「先ほどマーラ様の意を伝える者が来ていた。戦争のまえから私の友人であったのだが、マーラ様の使徒と数回お会いしてその者の思念を通してマーラ様の意図を読み解いたところ、それは、魔界の花畑や空のように濁りの無い色に染められており、それはそれは争いとは程遠いものであったと言う」

「戦争をしてはいけない、そういうことですか」

「その友人も私もそう理解した、そしてそれはマーラ様の一時的な酔狂ではなく、長年にわたって練り上げられたものであることであると結論し、友人はそれに従うことにしたそうだ。

私は人族が穴に住み生肉を食していたころ、この王国の始祖である王とより良い世の中を作ろうと人族の統治のすべを編み出した、魔物にひとしき人族から高い意志を持つ者も多く生まれるようになり、人族の神の意志をも理解することが出来るまでになった。だがこの統治法には先が無いことを漠然とだが数百年前から感じていた。

今日、君がマーラ様と人族の蛮人と戦っていたころからの疑問に答えが与えられつつある。どうやらそのころにはマーラ様には今日の日のことが分かっていたのであろう」

「しかし現状では答えが出せないのでは」

「そうだ、このままではそうなる。一時的に和解させることはできるであろうが、国王は反撃の時を稼ぐための猶予としか理解しないだろう。この国を作った王がいない今となっては私が国を終わらせる責任があると思う」

「灰にするのですか?王に毒を盛ればいいのではありませんか。今の王子は柔軟な考えの持ち主です」

「これまでも毒をもったことはあったがそれはこの国の方針をかえないためだ。赤子の時から王子の世話をしている君が王子の好む髪型や仕草をすれば魅了しなくとも寝室によばれるだろう、その時にこの世の物とは思えぬ快楽を与えたら寝ものがたりに聞いた通りの方針に何の違和感もなく許可を出すだろう。だが王に毒を盛ったのが王子で方針転換は悪魔の誘惑だと言いす王族や貴族が出てくる、この者たちは王子に毒を盛ることになる。君はすべての王族や貴族を魅了して寝ることは出来ない、婦人たちがそれを許さないだろうからね。結果は同じだ、いずれ灰になる、痛みは少ない方がいい」


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