奪還
「困った、薔薇で通信できない」
「すまんな、化物が通った後からむこうの大陸とつながらなくなった、おそらく化物が歩いた後に根が切れたんだと思う」
「いつぐらいに治ります」
「わからん、すぐには無理だな」
通信が途絶えた件について薔薇とミアが話し合っていた。
「こまったな、ボイスさん、この手紙をソフィア様に渡してもらえませんか、アルバン殿に渡してください、って」
「私では直接お目にかかるのも難しいです。どうしたいのですか、アルバン殿になら直接渡せますが」
「女性剣士を集めたいのですよ、出来れば実戦経験のあるラキア様がいればいいのですが。ラキア様はソフィア様の了承とアルバン殿の許可がないと招集できないと思っていて」
「直接お願いすればいいのでは」
「そうしますか、もう状況は動きだしそうなのですよ」
ミアはボイスと皇帝城に転移した。
「まあ、ミアさん、お帰りですか」
「いやあ、またすぐ暗黒大陸に帰るのですが。東の魔女が王国にとられた城を取り戻すために兵を進めるようなのですが、相手に魅了の目を持つメイドがいるようなので、女性剣士を集めているのです。そこでラキア殿の手を借りられないかと思いまして、ソフィア様のお許しを頂きたいのですが」
「ああ、それですが、ヴァレンティーナが結婚してからすぐアルバン殿と生活しているようで、もう妊娠しているようですから、かなり難しいと思いますよ」
「ええ、そうなんですか、それは知りませんでした」
「元メイドの剣士も含め何人かいるようですからそこからお願いします。それとミアさんにはレイピアがあるじゃないですか、かの魔王マーラが側近の女性魔族に与えた。手からはなさなければ守ってくれるし、また敵を打倒してくれる、そういう最強の剣だと聞いています。戦場に不用意に置いておくから穴に吸い込まれてなくしたりするので、そういうおバカなことをしなければまったく問題ないのですよ」
「ああ、あれですか、私が使っていいのでしょうか」
「あなたの手に渡ったのは魔剣の意思ですよ、たぶん」
そういうとソフィアは立ち上がってミアを連れて宝物殿にむかった。
「ああ、あった」
ソフィアはニコニコ笑いながら剣を抜いて高く掲げて見まわしてまた剣をしまった。
「うん、問題ない、元気がありますね」
すこし剣をなでてからミアに手渡した。
「ありがとうございます」
「剣もあなたに使ってもらえることを喜んでいますよ。元の持ち主はもう必要ないでしょうし」
「もしかして先代のマーシャが持ち主ですか」
「さあ、わかりません。なんとなくそう思っただけです」
来るべきではなかった、私も戦うような雰囲気になってしまった、とブツブツつぶやきながら、レイピアを帯びてアルバンのいる詰め所を訪れた。
「はなしはヴァレンティーナ殿から聞いていますが、レイピアを帯びているとは、うちの女性剣士で元メイドは全員参加させましょう。あなたの部下として手足として使ってください」
レイピアの威力で5人の女性剣士を確保したミアは神官長のもとを訪れてヒーラーを確保したかったのだが
「異教の地ですから所属が無い方がいいでしょう、レンを東の魔女のところまで行かせますから使ってください」
とりあえず1名確保して暗黒大陸に戻った。
「リリに最後のお別れをするのを忘れた」
「縁起でもないこと言わないでください、その剣は、はっきりとは言えませんが、間違いなく最強です。もっとも直近に祝福されたのですから」
「ボイスも来るってことでいいですよね」
「わたしはどうですかね、デリア様に聞いてきます。デリア様が行けばすべて解決するのでしょうがそこまでは介入しないようですし、国を侵略するのはダメですが取り戻すとなると、どうかな、ちょっと線引きが微妙なので」
ボイスが暗闇に消えると東の魔女の後継者に、帝国からも参加します、と申し出たが。
「いえ、結構です、我らが城は我らの血を流して取り戻します」
「こちらの皇帝がやらかした部分もあるので行きますよ、行けと命令されていますし、それに戦力で圧倒したほうが流れる血は少なく済みますから」
「いえしかし」
「むこうの剣士との一騎打ちには我々は手をだしませんから、この剣士5名とヒーラー1名、ヒーラーは後から来るとして、魔導士2名の計8名を行かせますから」
元メイドの剣士たちは少しざわめいて皆顔を見合わせて
「剣士6名ですよ、ミアさんも含めて」
さらに魔導士も顔を見合わせて
「魔導士は3名です、冒険者やっているハナが参加します」
そしてボイスが帰って来て
「私も参加します、黒帝くんも参加させろとルーシー様がおっしゃったので連れてきました、ついでに戦力にはなりませんが妖精もいます」
さらにレイエとセーレも現れて
「ボイスと黒帝くんの護衛役にデリア様から派遣されましたレイエとセーレです、皆さまと一緒にお仕事できるのは光栄です、以後よろしくお願いします」
少し雲のかかった空から光がさしたと思った瞬間、光の束と共にレンとハナが降り立った。
「大急ぎと言うことで禁呪を使って参上しましたレンとハナですよろしくお願いします」




