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皇帝とサキュバス  作者: テクマ
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戦争

魔導団に抱えられながら皇帝が飛んで行く、その後を巨大な化物が追って来る。この追いかっこは魔界では皆が知るところとなっていた。


「皇帝もう危ないんじゃね」

「ヒールきいてないよね、もう死ぬずんぜんでしょ」


  魔族のギャラリーがケラケラ笑う中、南の魔女の領土に入って行った。


「うちも農業しなきゃいけないのかね、あんなもんおいて行かれて腐ったら臭くてたまんないではないか」


  南の魔女が眉間にしわをよせて不平を言っていた。


「大丈夫ですよ、農業指導者は帝国から来るし、農業作業は王国から来る兵士らがやるから」


  商業ギルドのブリジッドが南の魔女の手を引いて耕作予定地に来ていた。


「うちはいらないんだよね、赤道近くのうちの地域は果物も食物も自然に生えているし、わざわざ植えなくてもいいんだよ」

「自分たちで食べる分にはそれでいいでしょうが、売って儲けるにはたくさん栽培したほうがいいですよ」

「お前が儲けるんだろ」

「私も儲けるんですよ」


  南の魔女はとりあえず納得して広い平野に化物を倒してもらうことにして待つことにした。


「明日ぐらいか、もう少し見えているんだが」

「頭の部分ですよね、まだ遠いですよ、明日の朝には到着ですから寝てください」

「北は相変わらず知らんふりだったか」

「そうみたいですね、帝国か西の魔女が耕作するみたいです」

「うちもそれでいいよ」

「それじゃあお金が入りませんよ」

「それは嫌だな、うちの兵隊にもやらすか」


  北は氷結した人の住まない大陸を背後にしょっていたので暗黒大陸に対する結界の責任をほとんど忘れていた。また南は龍のいる南半球の大陸まで遠いし、化物が逃げたとしても龍がなんとかするので緊張感が無かった。それぞれ暗黒大陸からすこし離れた島にのんびり住んでいた。


「それなら、これを植えたい。砂糖を作る作物、私の島で作っているが大陸の方が気候があっていると思う」

「それはいい、たくさん取れたらうちで買い取らせてもらいます。他には何かありませんか」

「芋とフルーツだな、これはそのジュースだ、酒も造れる」

「最高ですね、これも買い取らせてもらいますよ。商業ギルドから人を派遣しますから独占させてください」

「うむ、考えておく」


  ブリジッドは南の魔女の領土に街を作ってギルドを置く約束をした。


翌朝、4体目の化物を倒すあたりには魔族のギャラリーが集まっていた。ルーシー達もその中にいた。


「数千体は集まったな、そもそもこんなに集まったのは数百年前の初代皇帝との戦争いらいだろう」

「そうですね、これだけ集まるとどこかを攻めたい気になります」

「アハハッ、ここにマーラ様が来て命令するだけで都市が消える」


  現代の皇帝を見るのが初めての魔族も多く、盛り上がっていた。


「おい、皇帝がきたぞ、あの死にかけている人族だ」


  ぐったりした皇帝が抱えられながら飛んできた。そろそろ化物の討伐ショーが始まる、そういった期待が高まったところで、ルーシーが黒帝にむかって


「おい、黒帝、マーラ様が認めた人族にして魔族の技を持つ者よ、やってこい」


  まわりのギャラリーが、オオ、この子供が、っとざわつく中、黒帝が飛び上がった。そこにレイたちが飛んできて脇を固めて化物の前まで飛んで行った。


「黒帝くん後ろの奴をお願いします」

「はい」


  今までにない乾いた爆発音がしたのち化物は膝をついて倒れた。爆風にさらされた魔族のギャラリーから歓声と共に。


「ウオオオオッ、マーラ様万歳、黒帝万歳」


  ルーシーは、やりすぎたかな、と思ったがもうどうしようも無いのでこのまま放っておいた。みなは口々に


「魔界の外でこんなことが起きているとは。これは雷の属性、神やエルフが得意とするところを、マーラ様の指示で会得したのか」

「新しい魔王様の使徒が現れたのか、これは歴史の転換点だ」


  デリアが冷や汗をかきながら


「ルーシー様、これはちょっと・・・」

「あとで記憶を消しておくか」

「これだけの数だと完全に消えないかと」


  そこにフードをかぶった老人が近づいてきた。


「これは、これは、けた外れの雷撃ですな。予想の上をいっています」

「おお、これは長老、ここまでわざわざ見に来られたのですか」

「なかなかここまでの魔法のぶつかり合いはないからの。しかし女神の与えた能力と魔力の相性がここまでいいとは、嫉妬しかありません」

「本当に案ずるより産むがやすし、とはこのことです。他の長老はどこですか」

「むこうの方に何人かおるよ、一人は出張中だ」


  そういって笑いながら


「あいつは悔しがるだろうな」

「技との相性も良かったのでしょう、あのお方があらかじめ知っていればさらに上の魔法を仕掛けたところでしょうが、黒帝はまだ子供で初学者ですからここまでです」

「これは謙遜を、あいつには手を引くように言ってこなければならん。相手が悪すぎる、この状況なら私達もあいつにつくことができません」

「ほう、それならば安心ですな、私もつくことが出来ません」


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