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皇帝とサキュバス  作者: テクマ
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はじめての日常

深い霧の中、私たちは階段を登っていった。ほどなく階段の先に黒い影があるのを見出した。黒い影はアスマスとミアを探しに来た騎士団長のエーリッヒとその配下であった。全員腰に縄を巻いていたが途中で切れている。おそらく入口とつながっていたのだろうが切れたのだろう。エーリッヒ将軍は


「皇帝陛下御無事でしたか、我々は決死隊をつのって突入しましたが帰る道を見失いました」


私達には上に続く階段が見えているのだが、どうやらエーリッヒたちには見えていないようである。


「エーリッヒ将軍、私達には階段が見えている、一緒に帰ろう」


エーリッヒたちは喜んでいる。しかしよく突入したな、帰れる保証が何もないのに、これが忠誠心なのだろうか。


アルバンは恐る恐る聞いた。

 

「えっと、お前たちって・・皇帝陛下とそのメイドってことでいいのか、それに将軍は私の父だったが、お前は弟の・・」


「兄上、お久しぶりでございます。現在は私が将軍職についでおります。それと少しお言葉を丁寧にお願いします」


「おお、失礼したエーリッヒ将軍閣下、立派になられたので見違えました」


  そこじゃないと言いたそうだったが、流すことにしたようだ。さっさと出たかったのでハーフエルフには触れず指示した


「それではこの先は短いと思うので手をつないで行こうか、先頭にミア、そしてハーフエルフ、次に兵士、アルバン、エーリッヒ将軍、私、これでいこう」


  将軍は兵士よりも先に逃げ帰って来たと解釈されても困るだろうし、私より後だと帰ってこられないとなるとまた面倒だと思われるしこの位置でいいだろう。


ゆっくり進んでいくとミアそしてハーフエルフと霧の中に消えていった。ウズは後から入った兵隊を通さないとか、いやがらせはしないようだ。将軍が消えて目の前の霧が晴れるとそこにはミアがマーシャや寝ずの番のメイドと抱き合っている光景が映し出された、そこを魔導団長が囲んでいた。将軍とアルバンは古参の兵士と挨拶しながら私が帰ってきたことを喜んでいる。ハーフエルフは良く分からないけど宝物殿のメンバーと抱き合っていた。窓から朝日がさしている、帰って来たのだ。


「心配かけて申し訳なかった、しかしダンジョンにおいて建国から存在する帝国の守護神である龍と出会って話をすることが出来て非常に有意義な時間をすごせた。この話は近々まとめて皆に知らせたいと思う」


うまくごまかせただろうか。とりあえずハーフエルフはマーシャに預け、帰る方法は後で考えることにした。私とミアの魔剣は宝物殿で管理してもらうことにして、アルバンの魔剣とハーフエルフがちゃっかり持って来た骨でもなんでも切れる短剣はそれぞれが所有することにした。アルバンは久しぶりに実家に帰ってのんびりしてもうことになった。ハーフエルフが持って来た干物とゲソは臭いのでマーシャに処分された。

私はもらった干物を引き出しに隠して、火であぶって食べたかったので火炎魔法を習うことにした。




ようやくまだ経験のない日常がはじまった。午前中休みをとってハイエ宰相と面会し、国の現状と対処方法について説明をうけた。現状では新しく開発した穀物の品種が優秀で前年度比20%の増収が見込めるそうである。これは近郊の友好国にも配られて開発費程度の税金の徴収をするとのことであった。また魔物の討伐により野生動物の個体数が増え、その結果として肉類の価格が安くなるそうだ。まだ牧畜は盛んではないようだ。そして最後に


「申し訳ありません、駆け付けた時には解決していたので何も出来ませんでした」


  実際間に合っても誰も何も出来なかっただろうけど、気にしていたのだね。そして付け加えた


「ところで宝物殿長から陛下がダンジョンから持ち帰った短剣が面白と聞きました。それは魔剣と言うか魔物そのものに近く、古代からの知識をもっているそうです。政治や経済そして兵法まで深い知識を持っているそうです。私はすごく興味をもっていまして、できればお貸し願えないでしょうか」


  確かに博識な短剣が悪者の手に渡ったら大変なことになるな。これを有効に使えるのは私よりも宰相だと思う。私は断る理由もないのでウズから聞いた注意を伝えて、役立ててください、と言った。


  

これが終わると母親とお茶の時間である。私は初めてだが母親とは久しぶりに会うらしい。部屋に入ると手を引っ張られて膝の上に座らされた。母親専任のメイドたちの様子から普通の行動のようである。母親は


「初陣の勝利おめでとう。怪我をしたと聞いたので心配していたのですよ、私のアスマス」


後ろから抱きしめられながら頭にほほずりされた。メイドたちがお菓子を運んできた、母はお菓子を私の口に運んで食べさせてくれた。この歳ならしょうがないのかな、かわいくてしょうないのだろう。


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