オアシス
「その通路の先にドラゴンがいます、それを倒さないと外に出られません」
「そうですか、ん、ドラゴン?ドラゴンか、こんなところに幽閉されているドラゴンはそれほど強くないと思うが、どこの野良ドラゴンだろう聞いたことが無い」
「だとしても5匹います」
「5匹ですか、行ってみようか、話し合いでなんとかなるよ」
「ムリですよ、ドラゴンですよ」
インバは大股に歩いて行くとそこには4mを超えるドラゴンがいた。
「かわいいワイバーンだな。すごく私になついている」
「ええ、なついているようですね」
「枷を外して逃がしてやるか」
「それでは人族とかを食うじゃないですか、ここで飼い殺さないと」
「人族を食わないように言っておこう、そうだ暗黒大陸に行くと化物が食い放題だとも言っておこうか」
インバはワイバーンを集めて耳元で何かつぶやくと足枷を握りつぶし、外へつづく鉄の扉を殴り倒してワイバーンを外に追い立てた。ワイバーンは何回か上空を回った後、暗黒大陸にむけて飛んで行った。
「よし脱出するか」
インバは道を作って入るようにうながし、二人は霧の中に消えて行った。
皇帝が新しく作った東の魔女の居城についたインバと後継者にセーレが近づいて来た。
「大漁、大漁、抱えきれねえよ、お前にもすこしくれてやる、あっても困らんだろ。ところでだれだ、その女は」
「こちらは東の魔女の後継者殿だ」
「そうか・・皇帝の財宝の話はともかく、東の魔女殿の財宝はどこに置けばいいんだ」
「宝物庫はたいてい地下だろ、皇帝かヴァレンティーナ殿に報告して受け渡ししな」
「それは承知している、でわ」
セーレは慌てて消えていった。東の魔女の後継者は、クスクス笑いながら
「面白い人ですね、あんなものくれてやるのに」
「本当にもって行くぞ」
「あの王国にわたるよりましです、それに無くなったら沈めた船から引き上げるだけですから」
「そうか、じゃあ10%ぐらいお駄賃をくれてやれ。俺はお前の母親を探してくるよ、ここで待っていろ」
エルフ達は化物の数が減ったのでのんびりしていた。リーシャとサーシャは幻獣たちに守りをまかせて海岸沿いの散策をしていたが、そこでえたいのしれない薔薇を見つけて引き抜こうとしていた。
「おい、抜いたら死ぬだろ、何しやがるんだ」
「おお、しゃべった。寝曲がり茸とか毒毒草の亜種かしら」
「おばあさま、どちらかと言うと毒毒草に近いと思いますね。あれはたしか、私は無毒だからたべていいよ、でしたっけ」
「だとしたら、これを抜くと歩き出して人を食うのかもしれない。って、ガーシャ基準でおばあさま、とかやめて、と言っているでしょ、せいぜいあなたのお母さん基準で、おばさん、ぐらいにしてちょうだい」
「すいません、リーシャ。しかしこの薔薇は何か言いたそうですよ」
「やっとお前らの小ネタが終わったようだな。ちょっと教えてほしいのだが、皇帝が来てすこしたったら結界が消えたんだがどうなっているんだ、もしかしてあいつがあいつを殺したのか」
「知性も持っているのか、この地上に出ている部分だけで情報を記憶して処理して喋っているとは思えない、地下がどうなっているか知りたいね。ああ、なんだっけ」
「そう、あいつがあいつをしまつしたんだよ、さあ教えてあげたんだ、すこし砂をどけて本体を見せてごらん」
「うちらはネットワークでつながっているんだよ、本体のデカい体がここに埋まっているわけじゃない、ほら茎からしたは根っこだろ」
「だから、そのネットワークの本体が見たいんだよ、どこにあるんだい、別に煮て焼いて食おうってんじゃない。まあ少しサンプルを持って帰るかもしれないが本体を壊すような真似はしないよ、我々はエルフなんだ、そこは信用してもらってかまわない」
「本体は来るなと言っている、遠慮してくれ」
「ほほう、やはり本体があるのかい。この根を引きずり出してたどって行けばあるのだろうが、そんなことはしたくないねえ、サーシャはどう思う」
「それは出来ませんねエルフとして、でも科学の発展のためにはやむ負えない犠牲なのかも」
「本体が内陸にむかって50kmほど歩くがいいかと言っている」
「じゃ、行きましょう、正確な座標を」
リーシャは即決で行くことを決意した、防衛線を放棄してでも見たいという欲求が勝ったのだ。
「おいガイル、リーシャが呼んでるぞ」
「ああ、便所でもするんでしばらくかわれってところだろ」
ガイルが急いで泳いで海岸まで行き、リーシャに語りかけた。
「おい、いいぞそこの影ですませろ」
「やっと来た、さてと私達は内陸まで希少種の植物を見に行くから後はよろしく、まあ幻獣をおいて行くから何もすることは無いだろうけど」
「おいまて何を唐突に、どうやって連絡とるんだ」
「そこのバラにでも聞いてください」
「何言っているんだサーシャ」
リーシャ達は新たにリュックから出した幻獣にまたがって内陸に走り去った。
「あいつは興味を持つと見境がなくなるな。この薔薇にコップをつなげればいいのか」
「おい花をむしるな」
「はぁ、これの本体を見に行くのか」
ガイルは指で薔薇をペシペシはじきながらリーシャの帰りを待つことになった。




