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皇帝とサキュバス  作者: テクマ
64/100

オアシス

「化物なかなか減りませんね」

「アスカムの冒険者が全員集まっているらしいが広いからね」


リーシャとサーシャが暗黒大陸の北西の海岸に来ていた。エルフ国全体を覆う結界がととのうまでこの地にとどまって化物を退治するのが任務で他に50組のエルフが来ていた。


「サーシャ右」

「遠いな、だがこれくらいなら」


精霊の導きで矢はすり抜けようとする化物を串刺しにした。サーシャがそれを見ながらお湯に茶葉をいれて


「エルフは好物のはずなんだけどね、こっちには来ないね」

「幻獣を出しすぎなんじゃないですか、これじゃ近づいてきませんよ」

「あんなのが近くまで来たら怖いじゃないの、あと100匹は出したい気分だよ」

「・・・」

「まあ、だいたい化物のアジリティも分かったから配置をすこし狭めて、お茶にしましょうか」

「そういたしましょう」


そもそもガイルが受けた仕事なのだが、リーシャがお母さんとして責務を果たした方いい、とか、お前の父親の根源がやったことだから行ってこいサーシャ、と言って押し付けたのだった。ガイルも来ているが開戦前から友達のカルブディスとかウズ達と遊んでいた。


「俺も大陸で何が起きているのか分からなかったからな、見に行ってみないか」

「まだ早いだろ、ウズは敵と認識されるよ。エルフ国の古文書にのっていたってレベルで俺も大陸で何が起きていたか知らないよ。ただ統計局があと500年おいて置けば共食いで数を99%減らせたと怒っているよ」

「我々にはたいした時間ではないが人族には気の遠くなる時間なんだろ」





結界が消えて1か月、暗黒大陸では化物の討伐が続いている、東西南北の魔女たちが話し合って統一国家を樹立するところまで話が進んでそれぞれの軍を城に入れたのだがあまりにも広大な領土に手が回らなかった。帝国は魔導団長とエーリッヒ将軍は帰国してヴァレンティーナ達が国づくりに手を貸していた。


「化物が退治されないと人が集まらないよ、将軍さま」

「もうちょっとだブリジッド、化物がたまっているところは皇帝様がかたづけている、しかしお前はすっかり商人だな」

「こんな手つかずの場所は他に無いだろうからね腕が鳴るよ、それでヴァレンティーナ将軍はいつまでここにいるんだい」

「ここが落ち着けば暗黒大陸の東からさらに次の大陸に行くのさ、今度は普通の人族の国らしいから友好関係を築けばいいだけだろう。さっさと終わらせてトリアを通ってアスカムに帰るよ」

「ソフィア様は数年かかるように言っているみだいじゃないか、そうあっさりと行かないんじゃないか」

「今のところは問題ないよ。はやく終わらせるのは悪いことじゃないだろ」





しかし、大陸の東から海を越えた国では、暗黒大陸の結界が消えて化物が海を越えて飛来するようになったので東の魔女の許可を得て軍を暗黒大陸に上陸させた。はじめは海を越えようとする化物を退治していたが、そこに街を作り出したので東の魔女が怒って追い返した、それに怒った国王が本格的な侵攻軍を組織して魔女が不在の東の魔女の城を落として、軍船で東の海を埋め尽くして侵攻を開始した。


「干満のタイミングをみているな、明日にも上陸をはじめるだろう、東の魔女の力で押し返してくれないか」

「皇帝はそれでいいだろうが私の気がおさまらない、すべての船を沈めてやる」

「そうすると全面的な戦争になる、大陸の化物の他に難題を抱え込むことになるからあまりいい手ではない」

「あんたが後先考えずに結界を消すからこうなったんだ、向こう岸にある私の城はどうするんだ、捕虜になった兵隊と私の後継者を救い出してくれるならその要求を呑んでやる」

「・・何人いるんだ、東の魔女よ」

「兵隊は30人、後継者は1人だ」

「ずいぶん少ないんだな」

「友好的だったからな、主力はこっちにうつした。向こうの王が裏切るとは思わなかったんだ」

「城はなんとかするよ、ネネ殿の城と同じぐらのをそこに作るからそこに住んでくれ。兵隊と後継者の捕らえられている場所は調べさせる、明日の朝までに取り返すから、とにかく今夜のうちに押し返してくれ」


皇帝はボイスに兵と後継者の居場所を探らせてインバに連れてくるように頼んだ。そして創造魔法で城を作った。


「城まで魔法で作るのはどうかと思うが国民もいないし、今回は特別だ。城壁は海にむかって高く強固にしたよ」


まもなくインバの作った通路を通って兵隊が帰還した、東の魔女は機嫌を良くして


「あとは後継者をよろしく頼む」


そういって強い風を吹かせて船を沖合まで押し返した。船上の兵士たちは朝焼けに映し出された突如として現れた城に恐れおののき、国に帰還した。


そのころインバはボイスと後継者の捕らえられている地下牢の前にいた。


「今度は幼女じゃないんだな」

「幼女が良かったのか、インバ」

「そういう意味ではない、ただそういっただけだ」

「私はすこしやることがあるから後はまかせたぞ」

「ああ、セーレを呼ぶのか?」

「感がいいな、なに取り返してやるだけだ、あって困るものではないだろ」


ボイスは消えた。インバは鉄格子を押し広げると中に入って寝ていた少女に話しかけた。


「東の魔女から頼まれて迎えに来たよ、歩けるか」

「ええ、歩けますとも、それであなたは戦えますか」

「は?」

「あなたと一緒に戦えば出られるかもしれない」


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