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皇帝とサキュバス  作者: テクマ
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彼岸

「おねえちゃん、はやく起きて。私はお城に行く時間だから」

「おお、ラキア、私はもうダメだ。・・朝ごはんに虫がたからないようにふきんをかけておいてくれ、おきたら食べる。今は寝る」

「帰ってきてからずっと寝てるじゃない、100年分はねてるから、もういいでしょ」

「お前は優しさが無いね、ふー、目が覚めたよ。

ソフィア様がしばらく城に来なくていいっていうからやることが無いよ」

「どこかに遊びに行けばどうなの」

「皇帝命令の休みだから剣の修行をしにいってもアルバンどのもだれも相手にしてくれないよ」

「それは遊びじゃないでしょ」

「私にとっては遊びなんだが・・ラアラとリオニはもう剣士をやめているから遊んでくれるかな」

「いいんじゃない、子供ができたって言ってたな。もう旦那とラブラブでもないだろうし」

「ああ、そうするか、見せつけられるのも嫌だがそういうのもなさそうだな」


ほぼ追い出されるかのように家を出たヴァレンティーナは馬に乗ると魔王城ほうめんにある牧場にむかった。


天気のいい日に川に沿って気持ちよく馬を走らせた、途中の街でお菓子とお茶を食べ、またその次の街では昼食を食べ、さらに次の街では宿に泊まった。


「親父、部屋を一つ借りたいのだが、飯付きで頼む」

「おや騎士さま、お一人かね、皇帝の朱印があれば仕事なら全額、それ以外でも半額お安くしておくよ」

「では半額で頼む」

「はいはい、うちは皇帝様関係には一品多くつけるから今後もごひいきに」


見晴らしのいい部屋に通されたがもうすぐ夜だ、さっそく風呂にでも入って飯をくおう。食堂に降りていくと冒険者が数組集まって話し込んでいた。


「魔物の討伐にはいくら出るんだ」

「一人100000ほどだな」

「2,3日でかたずけないと割にあわんな」

「ああ、東方は魔女と皇帝が手打ちしたからもうたいした仕事がない、鉱物の探索魔法が使えれば別だが、まあここしかないな」


ヴァレンティーナは話に割って入った


「おい、この先に何かでるのか」

「騎士さん、あんたは魔王城近くの牧場にでも行くのかい、この先の牧場にはゴブリンが頻繁にでるようになったんでギルドに討伐依頼が来ているんだよ、あそこらへん通るときには気をつけな」

「ゴブリンぐらいならあそこの牧場主たちが討伐するだろ」

「いや、奥方が身重で動けんらしい、それにだいぶ時間がたつから、ゴブリンキングが育っているかもしれない、あいつがいるとなるとクイーンと配下に強いのもいる」

「しかしなんでゴブリン、魔王城近くの魔族が活発に活動しているからか」

「ああ、ゴブリンはあそこが嫌いなんだ、もんどう無用で殺されるから。だから逃げて来てるんだよ」

「そうか、それなら私をお前たちのメンバーに加えてくれ、報酬は飯でいいよ」

「物好きだなあんた、身分が高そうなのに。飯でいいなら加えてやるよ、あんたは剣士だな魔法は使えないのか、分かった明日の朝出発だ」


ラアラやリオニの助けになればとヴァレンティーナは曙光と名乗る冒険者グループに入った。その夜、曙のメンバーでヒーラーのレンと魔術師のハナがヴァレンティーナの部屋を訪ねてきた。


「部屋代を浮かしたいので泊めさせてもらえませんか」

「かまわんが男たちとペアではないのか」

「違います。ヴァレンティーナ様、私のこと覚えていませんか」

「誰だったかな、トリアで子供のころかな、ならつとめて忘れるようにしているが」

「私は神官のレンでこっちは魔導団のハナです。さっき話されていたのが騎士団のドウジですが、ヴァレンティーナ様が皇帝の騎士団と仕事をなされる前に冒険者として出国したので知らないと思いましたが」

「帝国の人間か、だがすまんが覚えていないな、神官長とは会うのだが」

「ひどいですね皆で看病したのに」

「ああ、目を負傷したときか、あの酔っぱらったようなみっともない姿を知っている人物とここで会うとは何たる偶然。ではハナは例によって皇帝様の兄弟か」

「ハハハッ、そうなりますね」

「じゃあもう一人は宰相の関係かな」

「ハッサはギルドで知り合った武闘家です、むこうから売り込んできたんですよ、ゴブリンの巣での戦いには武闘家がいる方が有利だと言って」

「それはそうだな狭い場所では長剣は不利だ。では襲われている牧場がエーリッヒ元将軍の物だと知っているのか」

「はい、ヴァレンティーナ様も奥方の助太刀ですよね」

「ああ、この宿につくまでは知らなかったが、あそこに遊びに行く前に退治しておこうと思ってな。だがここの地理には疎いのでメンバーに志願したんだ」


ヴァレンティーナ達は帝国の話で盛り上がって同じ部屋で一晩をすごした。

翌朝全員あつまると宿に馬をあずけてゴブリンの目撃されている山に入って行った。


「いやあ、ヴァレンティーナ様は帝国の将軍ですか、二人に言われるまで気付きませんでした、無礼をお許しください」

「いやいや、東方担当の、だがな。こんど海を渡るので船を作っているんだ、それが出来るまでお休みをもらったのさ」

「暗黒大陸に行かれるのですか、それはそれは、なんというか」

「なにか知っているのかね」

「あそこに行ったものは皆記憶が無くなっていると聞きますが、どうでしょうな。何を見たのか興味がありますが、忘れるのは見られてはいけないものを見たのでしょうか」


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