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皇帝とサキュバス  作者: テクマ
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東方遠征

「やあ、ネネ、久しぶり」

「まあ、これはこれはルーシーさん、いらっしゃい。でもこの城には門もあれば門番もおりますのよ」

「まあ、これの方が楽だろ」

「それならしょっちゅう来てくれたらいいものを、かれこれ100年ぶりぐらいかしら」

「そうだね、何かと忙しかったんだ、身内から命を狙われたりしていたし、それにしてもボイスが言ってたような聞き取りにくいしゃべり方はやめたのかい」

「ええ、やめましたよ、だって喋りずらいから。もしかしたらボイスさんにうちの宰相がした言葉攻めに対する苦情かしら」

「いやいや、あの程度のことで城を落としていたらたいへんだよ、我々は結構嫌われているんだよ」

「では何か御用かしら」

「君と久しぶりにお茶が飲みたくてね、さっきまで帝国の使者が来ていただろ、その話でもネタにして」

「それなら簡単、ここから大陸に渡りたいから船を沈めないでくれと、ついでに港も作って船を作る造船所と商業ギルドを作って商売をしてそれで集めた膨大なお金のうちほんのわずかなお金を私達にくださるそうです」

「それは太っ腹な皇帝様だ、土地を貸すだけでお金が入って来るんだぞ」

「そして知っているだけの大陸の知識がほしい、できれば地図も。私、よく使いのヴァレンティーナ将軍のクビをはねなかったと自分をほめていますよ」

「・・それで地図は渡したのか」

「地図と言っても海岸から200km程度のをわたしました」

「それじゃあ砂漠だけだな、その先は」

「砂漠です、暗黒大陸ですから」

「で、その先は」

「マーラさんが知っているでしょうに、わざわざ私から聞き出さなくとも、私が人族のはじっこに住んでいる変わり者だと思っているのかしら」

「そう思っているだろうね、もしソフィア様がしゃべって無ければ」

「まあいいですよ渡るなら見て見ぬふりをしてもいいでしょう、しかしその先は砂漠、どうするのでしょうね、皇帝だけなら飛んで行って帰ってくることももしかしたらできるかもしれませんが」

「雨でも降れば砂が固まって歩きやすくなるか、だがあれだけの土地を水で固めるのは大変だな、マーラ様なら熱で砂を溶かして固めるかもしれないな」

「あの体では耐えられないでしょう、だからあのイケメン騎士をよこして私をなんとかしようとしたんでしょう」

「・・ヴァレンティーナは女だよ、まあそれが良いって言うならそれでもいいが、ネネにはそんな趣味があったのか」

「私は男好きですよ」

「ところでそろそろ喉が渇いたがメイドはどうした、気が利かないな」

「お茶ならそこのポットに、チンチンに熱いのが好きなら沸かしますよ、魔法で」

「熱すぎるのは香りが落ちる。お茶菓子は手土産の小麦粉を練って焼いて膨らませたものでも食べてくれソフィア様が気に入っている品だよ。なんでも皇帝がソフィア様の誕生日に自分で作ったとか、それをマーシャが習っていま城下で売っている人気の品だ。しかし私にはこんな不便な生活は考えられないよ、デリアがすべてやってくれるから、そうあの人斬りデリアが全部やってくれる。いま彼女の下で数人働いているんだ、一人こっちで使ってみたらどうだい」

「それは無理難題ですよ、宰相は気の強い女が嫌いなんですよ、私みたいな気の強いのは私だけで十分と言ったところです」

「・・では男、執事かな、そんなつては無いなぁ、でもネネがその執事に手を出したら前の皇帝みたいに世間の笑いものになるから女でよくないかな」

「私は別に執事が欲しいとか言っていませんが・・でもいてもいいですね。そうだ、わたし執事がいる生活を体験しています。あの龍のインバの洞窟で、あの龍は本当に料理が上手くてお茶も出してくれて至れり尽くせりでした」

「あれはダメでしょ、龍族の王の子供ですよ。なんでも親に剣で負けて自信を失って隠遁生活を送っているように聞いていますが、勝てないのが普通なんですけどね。ゴズはヤノトにいまだに勝てないでしょ、プライドが高すぎです執事はつとまらないでしょう。でもまあ誰か他に探しておきましょう」

「お願いしますと言いたい気持ちもありますが、この生活になれたのでこのままでいいですよ」


そのあととりとめのない話をして夜まですごした。ネネは最後に


「マーラは何がしたいのですか、人族の統一をしたいのかしら」

「結果的にそうなるかもしれないが、ようするに心地のよい世界の実現ですか、でも主体的になにか働きかけない、あくまで帝国の活動の結果だからね」

「侵略とか嫌ですよ、私も知らん顔できませんから」

「この城に対して行ったような対話でしょうかね、でも圧倒的な戦力を背景に行っていることだから相手がどう思うかだな。ネネのように焼かれたら焼きかえせばいいと思っているのは少なくはないと思うからどっかで戦争になるかもしれない」


ネネは、バレンティーナは短命そうだな、それならばうちのメイドになればいいのに、そう言ってルーシーを見送った。


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