東方遠征
「お前の名前は、ヴィオラ、なるほど。今の皇帝は堅物だが前の皇帝は好き者だと聞く。お前はどっちなんだい。ヒャハハハ」
「私はどうでしょうなあ、今の皇帝様同様堅物かもしれません、兄弟なので」
「あー、おいおい、面白くないな、この返答では、よくこんなつまらないことが思いつくものだ。もっとありませんかな、なんとかそう、おもしろき返答は。
そうだ、前の皇帝は魔界からサキュバスを召喚してとっかえひっかえしたもんだから、魔界からサキュバスが消えたとか、だが数年後にはサキュバスと人族のハーフが増えたそうですな、これは面白い。わたくし前の皇帝様を崇拝しておりますぞよ。これならいかがかな」
エイドの宰相は使者の話を聞く気が全く無いようでエロい話に誘導ばかりしていた。
「サキュバスと人の間にハーフなんざできないんだよ。
こんなボケたエロ爺の相手しなくていいよ、うちらだけでひねりつぶして帰ろうぜヴィオラ」
「ボイス、いつからそこにいた。そうはいかんよここで話をつけよう、それが使命だ。ヴァレンティーナ様から上にあげてしまうと、皇帝様なら軽く受け流すだろうけど、ソフィア様はこの手の話は嫌いだからことがめんどくさくなる。そうなるとさらに・・」
「ほーほっほっほ乱入は大歓迎でございます。
その、それ、ソフィアは、マーラの魂を持つとか持たぬとか、ここでその真偽を確かめてみてはいかがかな、ソフィアを焼いてみればわかるだろう、抜け出た根源を捕まえて問いただしたらいい、フォフォフォ」
「あんたを焼くのはあたし一人で十分なんだよ爺さん、不敬をわびろよ、死にたかったらもっと煽ってみろ」
「人族と魔族の軍隊に龍族かぇ、なれ合いもここまで来ると、フォフォフォ。ソフィアは神のケツでもなめて頭がおかしくなったのかえ」
ボイスは握りしめた手のひらを少し開くと小さな火球を作って投げつけた。宰相は軽く弾き飛ばして
「これはこれは、どのような敵とも和解する交渉にたけた魔族ボティスの直系の姫君が短気なことだ、ヒャハハハ、なんのために来たのか、ガキの使いもできんとは、これはおかしい大笑いだ、人斬りデリアに使えるとこうなるのか、それとも・・」
「ルーシーしゃんは我が友でし。じい、もうよい下がってたも。ボイスしゃんは、魔族にちては我慢しただから、ゆるしてたも」
龍に囚われていた娘が入って来て言った。宰相は何も言わずに退席した。
「しゃて、話を聞くでし、ヴォイスしやん話してたも」
「は、ところであなた様は」
「あたしはこのくにの女王でし、名はネネだし」
「あらためまして私はヴィオラこちらがボイス、帝国からの使者です。今回は皇帝陛下からの親書を携えて参りました」
「しょうであるか遠路はるばるごくろうでし、このような辺境ではろくにゃ遊びもにゃく、いろいろ工夫しておるでし」
ヴィオラは怒りがおさまらないボイスの背中に手を置きながら平伏していた。親書を読んだネネは
「分り申したでし、詳しくお話聞きたいとヴァレンティナ将軍にお伝えくだしゃれ。
ボイスしゃんはルーシーしやんによろしくつたえてほしいでし」
「悪い使用人にいいあるじか、完全に落ちたかヴィオラにボイス」
ヴァレンティーナは完全に切れなかったボイスをほめてあげた。
「本当に暇なんだなあの者ら、自分たちの立場まで使って人をあやつって遊ぶとか普通しないよ。・・まあ、それでいつ行けばいい」
「とうぶん城にいるからいつでもいいとのことです」
「じゃあ明日の昼からでも行くか、午前中に先触れをよろしく」
二人を連れて行くことにした。
魔王城ではボイスがルーシーとデリアに会っていた。ネネたちのことはデリアもよく知っているようで
「あの口の悪い爺がいると城の中が分かりません、だれかメイドをするものがいればいいのですが。ボイスはどうですか行く気はありますか」
「私は一度あの爺ともめていますからダメでしょう」
「そんなこと言うと私はルーシー様のメイドはできませんよ」
ルーシーは昔を思い出して笑いながらお茶を飲んだ
「そうだな、もともとデリアは私を殺そうとしていたから、今なぜ私のメイドをしているのか分からないな」
「私からするとルーシー様は人族にくみするものでしたからね、私いがいにもたくさんいましたよ、あなた様が死ねばいいと思っていた魔族はね。マーラ様の根源のそばがいいとか言って皇帝の城下に住んでいる長老たちも何度も殺そうとしていたわけで」
「ああそうだ思い出した、デリアは、あのお方の行動にあらがうことはできないのだ、根源が隷属しているのだから、根源に従うのが自然だし、楽だ、とか言っていたか。モーも転生してくればいいのに、あのお方のわがままに振り回されるのもそれはそれで楽しいものだ」
「ヴァレンティーナ殿の仕事が終わったら久しぶりにあの魔女に会いに行ってみるか。爺さんが手を出せないメイドを見つけてあの魔女に紹介するものいいだろう」




