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皇帝とサキュバス  作者: テクマ
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東方遠征

「あなたどうしましょう、東方遠征の件でいろいろと口をはさみましたが、わたし失敗したかも」

「思っていたよりも強い相手のようだね、それにトリッキーだからサポートなしでは失敗するかもしれない。

とはいえ我々が出て行って力押ししてあの城を落としても意味がない、なんとか友好関係を構築しないといけないから裏表のないヴァレンティーナは適任だと思うけど」

「ヴァレンティーナにはここで一皮むけてほしいのですよ。私のために血を流してくれた忠臣ですから」

「仲介役がいるなら行かせようか、誰か適任者はいるかい」

「一人心当たりがあります」





「じゃあセーレよろしく」


  ヴァレンティーナはまずセーレをエイドの城に帰らせた。ヤギのような顔に大きな巻き角を持った巨体を大きなコウモリのような翼を羽ばたかせて宙に浮かせながら降り立った、セーレはエイドの宰相に向き合って低い声で言った


「お前ら酒と肉はどうした私にただ働きをさせる気か」


  宰相は平伏しながらうやうやしく言った


「そちらにご用意しております、女が欲しいのであれば城の前に前皇帝の娘がきております、さらってきますがいかがいたしますか」

「それは後だ、お前らの頼みを聞いて龍とこぶしの会話をしてやった、口ほどにもない龍だ、娘は解放すると言っているが、お前ら私にいくら出せる」

「城の全財産と私の命でいかがでしょう」

「お前の命などなんの価値もない、城の金銀をもてるだけもらおうか」

「かしこまりました、では娘はいつ返して頂けるのでしょうか」

「すぐにでも城の前に龍が連れてくる、座して待つがいい」

「ははあ」


  セーレは肉を食いながら寝そべっていると、兵士が、龍が来るぞ、と叫んでいるのが聞こえた。ヴァレンティーナ達は


「あいつ龍になると結構大きいんだな。エイドは頼むから龍討伐の兵器とか出してくれるなよ」


  インバは口にくわえていた娘をそっとしたにおろすと飛び立とうとしたが娘に何か言われて一瞬振り返ったがすぐに飛び立った。インバの姿が消えると跳ね橋がおりて城門が開くと城から兵士がわらわらと出て来て娘を取り囲んで城に消えて行った。

  バレンティーナは隠れていた茂みの草を握りしめながら


「成功か、成功だな」

「間違いなく凶悪な龍がそれよりも凶悪な魔族の言うとおりに娘を開放したように見えておりますな」


  ボイスがニヤニヤしながら言うと、人型に戻ったインバが戻って来た。


「エイドの連中はうまく娘を姫候補として迎え入れたかな」

「ああ自然な演技だったぞ、ところで娘に何か言われていたな」

「ああ、あれは、お前は良い龍だから召し抱えてやってもいい、だそうだ」

「もう姫さま気取りか、いやいいぞ、召し抱えてもらえよ、話がはかどる」

「それは断るよ、俺はこの辺境で引きこもっているのがしょうにあっているんでね」

「じゃあ帝国で雇われるのはどうだ、ゴズ様たちは城に来たことがないぞ。ダンジョンのウズ様も上には来ない、通路のサイズの問題だが」

「それもない、じゃあなもう仕事はないだろ」


  そういうとインバは霧の中に消えて行った。


「あとはセーレがあいつらに帝国と話をしろと言うだけだが、・・ところで・・あの娘しゃべったな」

「ああしゃべったようですな、言葉を知らないと思っていましたが」

「我々の話を聞いていたと思うが」

「しゃべっているでしょうな我々の話を城で、セーレは変化していますが、バレているでしょうな」

「脱出できるだろうか」

「脱出はできるでしょうが、謀略はこれで終わりですな」


  ヴァレンティーナは一瞬放心状態だったが、気を取り直して


「失敗だ、ヴィオラを呼び戻せ、城に迎え入れるようにみせて人質にされる」


  レイが知らせに行った頃にはヴィオラは城の中に招き入れられていた。ヴァレンティーナは


「腹を切って詫びねばならん、ヴィオラすまん後から続くぞ」

「まてまて将軍どの、まだヴィオラが死んだとは限らん、それにうまく行って無いとも言い切れん。私が見に行ってこよう、そして可能なら連れて帰って来るよ」


  ボイスはそういうと暗闇に消えて行った。しばらくするとセーレが袋いっぱいの金貨を持って帰って来た。


「龍どこいった、山分けしようぜ、金はいくらあっても困らんだろ」

「インバは山に帰った、ところでヴィオラは知らんか」

「ヴィオラは俺と入れ替わりに入って来たな、それからどうなったかは知らん。

しかし、あの娘はかなりの食わせ者だな、それに宰相も。魔族でもない、魔物でもない、龍族でもない、エルフでもない、人族だと思ったがあんなのは見たことがない」

  

「あれが人族の何者か分からないのが答えさ、幼女の姿で何百年も生きているのだ。お前らはからかわれたのだよ。あれがセイレーンの魔女だ、分類するなら化け物だよ。ふだんは海辺の城で沖を通る船を難破させていたがこんな化け物がいるから船はもっと沖を通るようになったもんだから暇だったんだろ」

「ルーシー様、このようなところに、援軍ですね、心強い」

「そう思ったがいい流れじゃないか、私は帰るよ、ヴァレンティーナ将軍の手柄を奪うわけにもいくまい」


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