ソフィア
親戚の叔父さんの家に遊びに行ったような楽しい旅行であった。交渉と言うほどのことは何もしなかったが口約束ではあるが友好国の確約を得たので大成功である。何事も無く城に帰ったみなは平和な日常生活に戻っていた。しかし城に帰ったソフィアは不安そうに犬のケリーをなでながらコブを探していた
「おかしい、無くなっている、どこに落としたのかな」
大きくなって3個目の顔に育てば幸せの象徴になると考えて大事に育てていたのに、どこかに落としたわけでもないだろうしミアに、どこかに落としませんでしたか、と聞くこともできない。もしかしたら離れていたからコブがなくなったのかもしれない。
「ん~、連れて行けばよかったのかな、でも龍族に吠えでもしたら困るから持っていけなかったし」
後悔したソフィアははやくコブを大きくするためケリーを抱きしめた。
「大きくなってぇ」
さらに龍族の城から帰るさいルーシーに、コブが出来た、と言ったのでなんとかすぐにもとに戻したいと願っていた。
ルーシーは魔界に帰って長老に会ってコブの話をしていた。戦争に傾いている長老の頭の中を切り替えたかったのだが長老は
「これは素晴らしい報告だ、ぜひとも会いに行かねばならん」
急ぐ長老にルーシーは
「お待ちください、あのコブはまだまだ未完成です、ソフィア様は皇帝の城に居住していますからしばらくお会いすることはできません」
だが待てない長老はルーシーに黙ってソフィアに会いに行くことにした。
私はマーシャとソフィア達と共に城下の視察に来ていた。以前リリを見つけた露天街のあたりでフードを深くかぶって露天の品物の値段とか品質をみていると、露天のすみに粗末な占いの店がでており太ったおじいさんが水晶玉を置いてこちら側を見ていた。私達が近づくと
「そこのお嬢さん占ってあげよう、いやただでいいから、こっちに来なさい」
そういうとヴァレンティーナがソフィアに近づいて
「怪しい店です、何か悪い魔法をかけられてはいけない」
そう小声で言うとソフィアを連れて歩いて行った。おじいさんがちょっとムッとしていると、リオニが
「おいじじい、私の恋愛運を見てくれないか」
おじいさんはめんどくさそうに、ちかいうちに図体のでかいのと結婚する、と言って店をたたんで消えて行った。リオニは男に心当たりがあるのか顔を真っ赤にしていた。
しばらく歩くとこんどは占いのおばあさんがいて、ソフィアを占いに誘った。今度は割って入ったヴァレンティーナがつかまって
「待ち人きたる、女神のような名前の友人が会いにくる、金用意してまってろ」
ヴァレンティーナは、おいこのばあさん当たりそうなきがする、と言ってカーサに
「おい魔王、お前もみてもらえ」
カーサはすっかり魔王と呼ばれていたのだが、おばあさんは目を丸くしてカーサの手をうやうやしく握ってしばらくすると吐き捨てるように
「お前は魔王ではない、わたしが証明する。ああ、トリア国で話題になったあれか、お前はそのうちトリアに帰っても何も言われなくなる」
なぜなら紛らわしいから私が噂を消しておく、という意味でいった。占ってもらってないラアラが、俺の恋愛運はどうだ占ってくれ、と言うと
「この前の旅行に行かなかったのがまずかったな、しばらく出会いはない」
ラアラは、なんでだよ何とかしてくれよ、と言うと、おばあさんは
「辺境へ行け、もうすこししてからだがそのチャンスがあるだろう。いや行くと決めたら行くまでの間に出あいがあるかもしれない」
おお、これはすごい人があらわれた、ラアラはご機嫌になった。ソフィアは苦笑いをしながら遠巻きにしていると、マーシャが
「占ってもらったらいかがですか、ソフィア様」
にっこり笑って言うのでソフィアは前に進み出て手をだした。あばあさんは少しムッとしながらソフィアの両手をすくいあげるように持ち上げて目を閉じると
「あなたは・・・幸せな結婚をします、そしてそれは・・・
すべての・・・者に保証されます」
おばあさんは握っていたソフィアの両手の甲を自分の唇にあててお辞儀をした。みなは占いの結果に喚起していたので見ていなかったがしばらくそうしていた。やがておばあさんが手をはなすとソフィアが、ありがとう末永く健康でありますよう、と言って背中を向けて歩き出すまで呆然としていた。そしてマーシャに深くお辞儀をして店をたたんで帰って行った。
私も占いをお願いしようと思っていたがまったく相手にされなかった。あとからソフィアに聞いたがその時のことは覚えていないと言っていた。




