ソフィア
「じゃあ、お土産は何がいいかな、やっぱり、肉、だよね龍だし。ベーゼルさんのところで何かできてるかな、まだ増えてないのか・・、魚の干物はウズを連想させるかもしれないし」
アルバンとハーフエルフの報告を聞いて私は久しぶりの外出にウキウキしていた。しかしハイエ宰相はじめエーリッヒたちは
「昔は敵だったのでそう簡単ではないでしょう、慎重にいきましょう」
ウズが龍をたくさん食べたみたいだが数百年たっているから忘れているかも、そう思っていたのだがウズも昔のことを覚えているし、やはり皆が言う通り難しいかな。ソフィアもウキウキしながらついてくる気満々である。これはメイドたちがとめにはいるだろう、と思っていたらわりとすんなりお供する準備をはじめた、さすがに騎士がついてくるみたいだが。ソフィアは満面の笑みで
「あなた様から婚約のネックレスをもらった時から困難に立ち向かう覚悟はできています」
非常に嬉しそうに語るのだが、やはりあれだけの経験をしてもまだ温室育ちの面が出まくっているのだろう。急ぐ旅でもないし馬車でのんびり行くことにした。
かなりの標高まで馬車で来たが山岳地帯は徒歩で登っていく、さらに2000mぐらいは登った。やっとの思いでおじいさんと約束した場所についた。
先行していたアルバンとハーフエルフそしてルーシーが待っていた。ルーシーは
「あなた方から接触があったことを龍族から聞いたので善良な人たちだと答えたのですが、同席してくれと言われまして。こちらも龍族の里に行くのは久しぶりなのでお供しようかと思いまして・・」
ルーシーもついて行くことになった。しばらくするとおじいさんがどこからか現れた。
「はじめまして皇帝様、もし準備がよろしければ今からむかいたいのですが、しかし大所帯ですね、できれば皇帝様と数人にしてもらえませんか、あまり多いと霧の中で行方不明になっても私が気付けないかもしれません」
では、エーリッヒ兄弟とヴァレンティーナとリオニを護衛としてソフィアとハーフエルフを連れて行くことにした。ハーフエルフはことわったがおじいさんが是非にと言ったので連れて行くことにした。
おじいさんの後を歩いて行くと深い霧につつまれてしばらく歩くと草原の中にでた。私の予想では溶岩の流れる地下空間にまがまがしい龍がとぐろを巻いている絵を思い描いていたので肩透かしであった。帰ってくると白髪のおじいさんになるかもしれないな。ソフィアが
「まあ、綺麗な草原、おとぎ話に出てくるような場所」
そういうとおじいさんは少し喜んでいるようであった。私は見たことが無い場所なので
「ここは異世界なのですか」
と聞くとおじいさんは
「いえいえ、赤道を挟んで反対側です。向こうは秋ですがこちらは春です」
こっちの世界観では亀の上にのっているのかと思っていたが。
「驚かないのですね、人族のかたは大抵ここで、亀の上がどうのと言って騒ぐのですが」
護衛のエーリッヒとヴァレンティーナは頭を抱えながら
「いや、亀の上ではないのですか、ちょっと理解が追いつかないな、頭の中を整理します」
リオニは、私は分かるぞ亀の腹の部分に来たんだ亀がひっくり返ったんだろ、そういうとアルバンは、それじゃあ残った甲羅の部分にいた連中は落っこちてるだろ、と言った。ハーフエルフはフフフッと笑いながら
「わたしもリーシャに教わったときは回った勢いで飛んでいくのではないかとしばらく怖かったですが、まあしばらくたつとどうでもよくなりますよ」
私達は2台の馬車に分かれて乗った。私の馬車には、ソフィアと将軍にヴァレンティーナとルーシーとおじいさんであったが、ルーシーは
「皇帝殿は転生された際にいろんな経験をされていますね、おそらくここに来られる前はエルフか高度な文明の社会ですね、女性でも男と同等の仕事をするような」
ヴァレンティーナもうなずいて
「やはりそうですか、前世が女性のような気がしていました、女性に耐性がありすぎるんですよね。城でお互いを結び付けるときとか、花に水をやるときの距離とか、普通はちゅうちょしそうなところでも平気そうなので」
私も気付かないところをぐいぐいくるのだが、ソフィアは
「まあそうですの、私もヴァレンティーナに対するように接しやすいですし、そうなのかもしれませんね。それに魅了の目にも耐性がありますし、女性なら納得です」
将軍も
「ああ、食に対してたくさんアイデアを出されますし、男ではここまでは、それに細かな気遣いも・・」
私の前世は、女、ということで確定した。ついでにルーシーに聞いてみた
「職業とかわかりますか、わかればそちらの方を思い出して役立てたいとおもいまして」
ルーシーは分からないと言ったが、おじいさんは
「私の鑑識眼では、学生ですな。何かが見えると言うわけではないのですが」
ほう、専門は食品とかかな。まあここら辺はここでは掘らないでおこう、で
「ソフィアはやはりトリアの王族ですか」
みなは口をそろえて、そこまでは分からない、と言った。おじいさんは一緒に笑っていた。




