初代皇帝
深い森の中、エルフの親子が薬草採取を行っていた。仲の良い両親と子供3人、長女と長男は双子で末娘はまだ幼かった。末娘のリーシャは珍しいキノコを見つけては母親に名前を聞いた
「かーしゃんキノコみつけた」
母親のミーシャはキノコを受け取ってかさの部分を見ながら
「これはシャキシャキ茸と言うのよ、食べるとシャキシャキとした嚙み心地がしていいだしがでるのよ」
リーシャはご機嫌でリュックに入れた。夢中で探していると、根っこの張っている場所にはまってなかなか抜け出せなくなっていると、兄のガイルが
「お前はまだ小さいんだ、森の探索ではむりするな」
そう言ってリーシャをつまみ上げて引きずりだした。
薬草も色々とれてリュックがパンパンになったのでそろそろ帰る支度をしていると、姉のサーシャが
「あそこに何か落ちた」
と言った、光の束が天空から降り注いでいる場所があったのでみんなで行くことになった。ガイルが一足先につくと下を指さして
「人族の赤ん坊だろこれ」
そこには白い布にくるまれた赤ん坊がいた。父親のリアムが、困り顔で
「人族の神がエルフにわたして育てさせたいと言ったところか。この子は人族にしては魔力がケタ違いだから、魔王と人族の戦争に使いたいのかもしれん。しかしエルフ族は中立だからどうしたものか」
やっかいな赤ん坊だな、と、両親がほうっておこうという雰囲気の中、リーシャの目はキラキラと輝き抱き上げると頬ずりをして抱きしめた。ガイルが
「おいおい、人族は寿命が短いんだから先に死ぬ、そうすると悲しい思いをするぞ、それにご飯を食べるしウンコもする誰が世話するんだ、しかも肉くうんだぞ、エルフ族の中で生活できないだろ」
ガイルと双子の姉のサーシャも赤ん坊に興味があるので
「肉は必ずしも必要ないって人族の飼育に関する本に書いていたな~」
そう言ってにっこりと笑って後押しした。リーシャはもう飼いたくてしょうがなくなっていたので抱きしめて離さない。母親は困った顔で
「あなたは責任をもって育てることがでがきるのかしら、おいて行けば人族の女神がまたどこかに置いて誰かにひらわれるのを待つからその子はおいて行っても大丈夫よ」
問いかけに返事をしないで抱きしめているのでこんまけした両親は持って帰ることにした。持ちやすいように布にくるんでリーシャにくくりつけて歩いて行った。はじめは赤ちゃんを見ながら目を輝かせていたリーシャだったが案の定10分も歩けず赤ん坊をガイルとサーシャが交代で運ぶことになり、疲れて歩けなくなったリーシャは父親と母親がおぶってエルフの村に帰った。
リーシャは眠くてしょうがないが母親が作った穀類を煮た汁を赤ん坊に飲まそうとしていた。しかしうつらうつらとして手元が怪しかったのでガイルはリーシャを布団まで運び、サーシャがかわりに煮汁を与えた。翌日になるとリーシャが頑張って世話をしたが夜になるとまた寝てしまったので二人が世話をした。父親は名前をどうする、とリーシャに聞いたらもう決めていた
「ガーシャ、にする、ガイルとリーシャにサーシャをとって」
ガイルは、俺はいいから、サリーシャにしろと言ったがガーシャに決まった。少し大きくなると肉も与えないといけないと人族の飼育の本に書いていたので豆類を与えることになったがなかなか食べてくれないのでたんねんにすりおろして与えたが量がとれないのでサーシャは自分で噛み砕いて与えたら喜んで食べたのでたくさん与えることが出来た。リーシャや家族が育てたかいあってガーシャは大きくなって行った。歩けるようになると木刀を持ってガイルと剣術の遊びをした。はじめはまったく歯が立たなかったがそのうち対等に打ち合えるようになったのでガイルはガーシャを剣術の道場に連れて行った。そこでガイルと双璧をはる剣士にまで成長した。リアムは予想通りと言わんばかりに
「人族の女神が望む技量がみについただろうか、魔法はサーシャと対等なところまで来ている。何年かすれば私達を超えるかもしれない」
リーシャは母親と一緒にご飯を作ってガーシャに与えていたので皆からガーシャのお母さんと呼ばれていた。ガーシャもリーシャをお母さんと呼んでいた。
エルフの技を身に着けたガーシャは旅立ちの時がきた。同時にガイルとサーシャもエルフ族の若者が修行に旅立つ時期が来たので、一緒に旅に出ることにした。三人の旅立ちを見おくるためにエルフの村のはずれまで見送りに来た両親とリーシャだったがリーシャが大きなリュックを持っていたのでもしやと思ったら一緒に旅立とうとしていたので抱きかかえて引き留めて言った
「あなたが旅だつのはもっともっと先だから家にいなさい、ついていっても迷惑になるだけです」
いったんあきらめかけたが何度か脱走しようとするので三人を助けるためにもっとも難しいエルフの技を習得しなさいと言ってそちらに集中させた。リーシャは精霊魔法のマスターを目指すことにし修練の日々を送った。




