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皇帝とサキュバス  作者: テクマ
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初代皇帝

数年におよぶ魔王との戦争に勝利をおさめた勇者は平和な世の中を作るために皇帝を名乗って民のための国を作った。魔族との掃討戦に明け暮れるなか、城塞を中心に活気のある町が形成され人族が復興していった。十数年たったある日のこと魔王によってかけられた呪いが発動すると立つことも困難な苦痛におそわれ神官のセーレンが施術をほどこしてもなすすべもなくただ死を待つのみとなっていた。そんな時、皇帝城に少年と幼女のエルフが現れて皇帝に面会を求めた。門番は語義をあらめて


「ふざけるな、なにが皇帝陛下の母親だ、愛人でもとおらねえよ、隠し子ならとおるかもしれんが、この子はエルフかもしれんが人族なら10歳にもみたないだろ」


  門の前で言い合っていた少年が、じゃあ隠し子ってことでいいよ、と言うと


「じゃあ、ってなんだ、じゃあ、って、帰れ帰れ、そんな怪しい奴を通せるわけないだろ」


  ゆうずうのきかない門番にいらだった少年が幼女を連れてすり抜けようとしたとき呼び止める声がした


「ガイルか、久しぶりだな。相変らず無茶苦茶だなお前は、こういう時はまず手紙を書いて面談許可をとるもんだ」


  山のようにごつい中年の剣士が笑いながら話しかけた。ガイルも笑いながら


「エーリッヒ、エーリッヒ将軍・・閣下か。おまえは・・だいぶ変わったが、まあ人族としては変わってはいないほうか。いいところにいたよすぐにでも皇帝に会いたいって妹がいうもんでな、手紙を書いている暇が無かったんだ、会わせてくれないか」


  エーリッヒ将軍が身元を保証してすぐ中に入った。エーリッヒは


「申し訳ないな、魔王との闘いの英雄を足止めしてしまって。ここらへんにもまだ残党がいるから危ないんで門の警備は厳しいんだよ。しかしお母様はまだ幼いんだな」


  ガイルが大笑いしながら


「言って無かったか、まあ育ての親だからな」


  ガイルのはなしには見向きもせず母親の幼女はフードを深くかぶり大きなリュックを背中にしょいながら小走りで大股に歩くエーリッヒの後をついて行った。


  部屋の前まで来るとエーリッヒが二人をなかまで招き入れた。そこには歳のわりには老けて白髪になった皇帝が苦痛に顔をゆがませて寝ていた。幼女はヒールをかけるセーレンのわきを通り過ぎると、ベッドによじ登ってリュックから猫を2匹出して皇帝の上に乗せた。猫はみるみる大きくなり多数のしっぽを生やした。幼女はしっぽの数を数えて安堵したようであった。ガイルが


「セーレン、ヒールはもういいぞ痛みは消えただろう、痛みは。まあ死ぬことには変わりないんだが」


  セーレンは、お前のそういう言い方がしんそこ嫌いだ、と言ってヒールをやめて疲労から膝をついた。皇帝はうっすらと目をあけて幼女の方を見て言った


「かあさんありがとう、痛みは無いよ。セーレンもありがとう、間に合った」


  幼女は皇帝の頭をなでながら


「よく耐えたね、えらい子だね。かあさんはここにいるから安心しておやすみ」


  皇帝は、かあさん皆がいるんだ照れるからやめてくれ、と言いながら眠りについた。エーリッヒは、皇帝の病気は秘密にしていたのになぜわかったんだ、と聞くとガイルが


「精霊たちがこいつが会いたがっていると教えてくれたんだ、リーシャだけでなく俺も来いって。まあリーシャだけじゃ来れないからどっちみち来たんだが。おまえこそ門番やる位でもないだろ、なんであそこにいたんだ、精霊の声を聞いたのか」


  エーリッヒは、わたしはセーレンの声を聞いたんだ、と言った。セーレンは、女神様がそろそろ来るだろうと言ったので手が離せないからエーリッヒにたのんだ、と言った。ガイルは


「しかしデカい城だ、民のための国とか言いながら虚栄心の塊だな」


  エーリッヒは、これは魔王たちに奪われた金銀を民に分配するための公共事業で巨体の魔族との戦いにそなえて堅牢にして天井を低くしている、と答えた。そして


「あいかわらず口が悪いな」


  と言った。

  




セーレンはメイドたちとしばらく話をしていたが、メイドの代表が幼女に話しかけた。


「私達はお母上とガイル様の到着が間に合わなかった場合の言伝を預かっています。言伝は皇帝様がお目覚めになってから直接お聞きになるとして、とりあえず姫君とお会いになっていただけませんか」


  リーシャは、はい、と言った。メイドはフードを深くかぶった幼女を連れてきた、すでに15歳になっているはずだがリーシャよりも小さい。双子だがすでに成人した男子は地方に魔族の討伐にでていた。リーシャに手渡された幼女はサーシャと言った、リーシャの姉のサーシャの子供で出産のとき死んだ母親の名前を受け継いでいた。サーシャはエルフと人族のハーフでハーフエルフだがエルフの血が強く出たようで見た目と発育はエルフと同じであった。サーシャは皆と違う自分の耳が嫌いでずっとフードをかぶっていた。


リーシャは自分のフードを脱いで耳を見せて、サーシャのフードもとるように言った。サーシャは大きな目を見開いてリーシャの耳を見て、手を伸ばしてさわりながら言った


「おなじ、おなじみみ」


  リーシャは笑いながら


「あなたのお父さんもエルフの国ではフードをかぶっていた時期があったわ、耳がとんがってないのが恥ずかしい、って。あなたの耳はお母さんの耳に似て綺麗」


  ガイルはニヤニヤしながら


「リーシャおまえおばあちゃんか、お前と俺の母親もおばあちゃんで、複雑になって行くなうちの家系図」




リーシャは皇帝の横でサーシャを膝にのせて抱きしめながら昔話をはじめた。


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