魔族
「トリアの前の宰相が魔族召喚をして強い魔族が来ちゃって怒らせて、ドン、ドン、と魔法をはなって、むごい殺されかたしたぁ、だぁがどう殺されたかわかんねぇ、火でもないし、水でもないし、乾燥しているしぃ、どの魔族がころしたんだあぁ。
まあ、これできまりだろ。召喚に手を貸した魔術師も証言するし、実際そうだし、みんな迷惑だよな魔族なんぞ召喚して、かかわりたくないし、忘れたいし、もうわかんねえよ、召喚陣も痕跡程度残して壊したし、解析できねえよ。
あれえ、なんで魔族召喚をおお、あ、そうだ、魔物召喚できたから魔族いけると思っちゃったんだ、それに違いない、ってことは魔王城で召喚していた魔術師の背後には・・こいつだ、こいつにちがいない。
うん、これでOKだ」
ベーゼルは自問自答して納得したようだった。
「そんでぇ、ルーシーは顔も見られていないし、しかしセーレの直系がいなくてよかった、あれは召喚者が誰だろうとついていくからね」
考えていることを口に出してしゃべるベーゼルを横目で見ながらルーシーがニヤニヤして
「なにをぶつぶつ言っているんだい、すべて予定通りですよ。我々の問題ならこんなにめんどくさいことしなくていいのですが。まあカーサの疑惑は綺麗にはれませんが、魔王様に憑依されるなど名誉なことですし、しばらく夢見心地でいてもらいましょう」
ベーゼルはおどけた感じから真面目な顔になり
「しかしおまえはあの龍と互角に切りあったそうだな、俺は炎が属性だから相性が悪いんで逃げたけどよ」
ルーシーも真面目な顔になり
「あれは出会いがしらだから切りあいましたが、普通なら数を集めて確実に行くでしょうね、あまり自慢にはなりません」
ベーゼルはすり寄ってきて
「しかし、お前の年齢や腕前とか経験とか小うるさいこと言ってた長老たちもお前が先代のルシファーの後継者と認めざるおえなくなった。あの龍はいい仕事したよ」
ルーシーについていくことになったレイエとポイスは親が龍に食われているので話に割って入った
「ルーシー様さすがです、それで・・龍の寝床に不敗の剣とか魔弓はありませんでしたか。わが親の形見なので」
ルーシーは今の所有者はアルバンとハーフエルフである、と言えなかったので
「あそこにはゴミしかありませんでした、あなた達が親から受け継いできた家宝にするような魔剣のたぐいはなかったと思います。それに今度はご自分で作ってはどうでしょう、その時間は与えます」
ベーゼルは、あそこには俺の魔剣があるはずだけどな皇帝が回収したのかなあれもゴミなのかな、とぶつぶつ言っていたがルーシーは無視して
「では、二人はしばらくしたら召喚するので魔王城に直接きなさい。こんどは応じても怒らないから安心していい、魔王城に来るまでに子爵様伯爵様に話しておくように。仕事はデリアのサポートをお願いすることになります」
二人は、ルーシー様およびデリア様の元で働けるのは光栄です、と言って帰って行った。ベーゼルはへらへらしながら
「暗殺とか拷問でも教えるのかデリアは三度のめしより血を見るのが好きなんだろ。まあお前のところでだいぶ丸くなったとは聞いているが、古参の連中には顔をみるのもイヤだって言っているのがいるぞ、あの貴族出身の二人が耐えられるのか」
ルーシーは、デリアは今では別人ですよ毎日添い寝してもらっているが寝首をかかれたことは一度も無い人族も魔族も時がたてば変わるんですよ、と言って笑った。
アスカムの城ではデリアとマーシャが宿泊室でお茶をしながら楽しく話し込んでいた。夜中なので声をひそめながら、オークをさばくときのナイフの入れ方とか、肉のほぐしかた、そしてオークのしめ方によって味がかわる、などなど。お茶の葉の蒸らす時間を試しながら香りが一番高くなる時間を探し当てたときにルーシーが帰って来た。
「デリア、そして・・、マーシャさん只今帰りました。滞在中勝手に城を出て申し訳ありません」
マーシャはたまたま夜の話し相手が見つかったので楽しい時間をすごさせてもらいました。と言い席を立とうとして
「こんどソフィア様とお茶をされるときデリア様にお茶をお願いしてもよろしいでしょうか、すばらしいおてまえなのでぜひソフィア様に楽しんでもらいたいのです」
ルーシーとデリアは快く了承してマーシャは満足な顔立ちで退出した。




