魔族
まがまがしいいでたちの召喚された魔族たちは周りを見回してから召喚者を見て言った
「お前が召喚したのか、それで魔王様はどこだ」
召喚者は自分よりも倍はあろうかという巨漢の魔族に対して
「召喚した私がお前たちの魔王だ、これから私のために働いてくれ」
魔族は
「お前は何も分かっていない」
そういうと自分達の後ろから冷たい魔力を感じて振り返った。そこに闇から仮面をかぶったルーシーが音もなく歩いて来た。それを見た魔族たちは片膝をついて平伏した。傍観していた魔術師たちは
「あああああっ、魔力の桁がちがう、高位の、さらに上の魔族を召喚してしまった、この世の終わりだ、だから責任を負えないといったんだ」
そういうと転がるように走って逃げて行った。魔族の一人が、追って殺しますか、と言ったがルーシーは、ほおっておけ、と言って話し出した
「私はあきれています、このように稚拙な召喚陣に応じる魔族がいるのですね」
魔族の一人が下を向きながら
「おことばですが、覚醒まもない魔王様はまだ魔力のほとんどが封印された状態と聞いています。何がしかの問題を抱えてのことかと思いはせ参上いたしました」
ルーシーは
「ここにはあなたあち若い魔族しかいませんが、まあいいでしょう、忠誠心からというならこれ以上とがめられません。・・そろそろ魔術師は見えないところまで行きましたか、あなたたち人型にもどりなさい、私は仮面をとりましょう」
召喚に応じた魔族は少年か少女の見た目になった。召喚者は魔族の見た目が弱々しくなったのですこし強気になった
「お前ら魔族のガキなのか、私は魔物を召喚して千人もの人を殺した、魔王を名乗る資格のあるものだ、私に平伏しろ」
ルーシーはさげすむように
「あなたまだいたのですか、魔術師と一緒に逃げておけば生きることが出来たものを。
ああ、あなたの御高名は受けたまわっています、トリアの前の宰相、ですよね。魔王城でも勝手に魔物を召喚して私達とアスカムを戦争させようとしていました。確かにあのようなことは私達にはできません、あのような姑息なまねは。ですがそれで私達をどうにかできると思ったのは笑えますよ」
前の宰相はひるまずに言い続けた
「お前たちは魔王を倒したアスカムの血筋が憎いんだろ、俺に力を貸せばあの子供皇帝を殺して帝国をほろぼしてやる、実際あいつをもう少しのところまで追い込んだんだ。だがトリアのお人よし国王がひるんだから失敗したんだ、お前たちなら無慈悲にやりきれる」
ルーシーは召喚された魔族を確認しながらめんどくさそうに
「魔王様はどう思っておられるか私達にもわかりません、それにあなたは追い詰めたのではなくアスカムを覚醒させたのですよ。面倒なことをしてくれました、さらに数百年皇帝の時代が続くかもしれません。ですが魔王様は人として転生を繰り返しているはずですが覚醒していないことから・・、どうも人としてそれなりに意義のある人生を楽しんでいるごようす。そこで私達も・・と考えているところです。
つまりあなた邪魔なんです」
そういうとルーシーは宰相の首から下を凍らせて乾いた風を送った。生きながらにしてフリーズドライにした。そこにベーゼルや古参の魔族もあらわれて言った
「だがまあ分からんけどなどっちに転ぶか。しかしコイツのように戦争に突っ走りたい奴はここで降りてもらうよ何百年後かに転生してくれまた一緒に戦おうや。そう思っているやつは立ち上がれ」
若い魔族は毅然として
「私達は魔王様の意志を無視して何かすることはございません。ですからそのようにかんがえている者はおりません。ただ何をするのか分からないのもこまります、何かしているのなら手伝わせてもらうわけにはいけませんか」
ベーゼルは男の魔族を牧畜の手伝いに、女の魔族はルーシーが連れて行くことにした。ルーシーは、そろそろ女官長に部下をつけてもいいか、そう思っていた。
アスカムの城ではデリアが宿泊室で服やお茶を用意してルーシーの帰りを待っていた。夜中の廊下をマーシャが見回りをしているとルーシーの気配が消えていることに気付いて部屋の前で立ち止まった。ルーシーはマーシャがノックする前に扉をあけて
「ルーシー様は只今身内のごたごたを解決するために外にでております。明日の朝食前には帰るとおっしゃっておりました」
マーシャがにっこり笑って
「さようでございますか、それはお疲れになっていることでしょう、朝食には何か一品たしておきますね。・・それとお忙しいでしょうがデリアさんとお茶をしたいですね」




