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皇帝とサキュバス  作者: テクマ
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少年皇帝

しばらくしてマーシャが町で拾った女の子を連れて私のところにきた。真新しい小さなメイド服を着てマーシャの後ろに隠れるように立っている。マーシャにうながされるように前に出て挨拶をした


「こんにちは皇帝様、リリと申します」


  自分の名前を忘れた女の子にマーシャがリリと名前をつけた、そのお披露目なのだ。うまく挨拶ができたので私が抱き上げて褒めるとキャッキャ喜んでいた。それにしても体重が増えたな、もうちょっとすると抱き上げられなくなる、マーシャにちゃんとご飯を食べさせてもらっているようだ。拾った頃の暗さはもうない、メガネを新調したせいでもあるかもしれないが。


「リリはここで何をするか決まったかな」


  リリに聞いたが悩んでいるようななんとも言えない表情で答えが無い、まだ決まってないのかと思ったらマーシャが、あなた様専属のメイドです、そう答えた。まだ子供なので責任のある仕事は出来ないそうだ、だから私の専属になった、との説明だった。なにかもやもやするがまあいいか。翌日からミアが入れたお茶を運んだり食器を運ぶような仕事をはじめた。前世の記憶では児童福祉法違反とか労働基準法違反とか思い浮かぶが家庭でもやっているようなお手伝いていどだし楽しそうなのでいいのかもかもしれない。動物が好きなようで鳥の小屋の清掃とか猫の餌やり当番もやることになった。

  一緒に食事する当番の時はデザートを分けてあげた。餌付けである。すごくなついてくれた。たまにリリにお菓子あげて膝にのせて頭をなでてあげるようになったが、私が母親にされているようなことを自分でもはじめたので私もこの世界に慣れたものだなと思った。



私の魔法の技術は全く上達しなかった。魔力自体は上がっているのだが、魔力の上昇を制御する感覚が追いつかないのだろうと魔導団長に言われていた。そんなもんだから引き出しにしまった干物はまだあぶることが出来ない。いまだに魔法関係はぜんぶ人任せだ。

そんな日々がつづいたので魔導団長は


「感をつかめばすぐにできます、しばらく合宿しましょう、私の家には魔導士見習いもいて常に合宿状態ですから。ハイエ宰相やお后様にも許可をとって、それにご結婚されるとこういうことは出来なくなりますから」


5日間の合宿を行うことになった。同行するメイドはマーシャがミアとヴィオラを選んだ、リリはお留守番だ。


将軍の家は郊外の森の中にある大きな洋館で、開けた場所には広大な畑があり、そこが領地であった。全体を結界が覆っており魔物や盗賊は侵入できない。非常に安全な場所である。私は飛ぶことがまだ許されていないのでミアたちと馬車で向かった。魔導団長は先に到着して私達を迎え入れた。ミアが慣れた感じで家にはいると


「お父さんただいま帰りました」


  えっ、て感じだったが、ここがミアの実家のようだ。ミアの父親は前の皇帝だが母親がミアを生んだ後で魔導団長と結婚した、育ての親なのだ。ヴィオラはというと


「おじさんおじゃまします」


  だから君たち選ばれたのかな。レイと他にもいるらしいが身近にいる私の兄弟なのだ。魔導団長の邸宅のメイドが2人いるので私の専属は2人にしたらしい。私が、お世話になります、と家に入ると小柄なメイドともっと小柄なメイドが出迎えてくれた。小柄なメイドはアーシアで、もっと小柄なメイドはミラ、ミアの妹であった。ミアの母はミラを生んだのち死んだそうだ。ミラは姉が帰宅したのがうれしくてミアに抱きついて離れない。アーシアには血縁関係は無く、魔導団長の実質的な嫁と言われている。アーシアはニコニコしながら


「皇帝様いらっしゃいませ」


  そういうと魔導団長が


「では夕飯まで練習をしましょう」


  私の手を引っ張って領地のなかの鉱山跡地に連れていかれ、そこで撃ちまくった。魔導士見習いたちは私を知らないらしく、頑張って撃たなくていいからもっとコントロールして、と注意してくれた。魔法が暴走しているのがいいところを見せようと頑張っているようにみえるらしい。だがコントロールできるようになるのは私の目標なので、はい、と言っていろいろ教えてもらった。夕飯は魔導団長やメイドたちそして魔導士見習いたちと一緒にとった。ミアたちは久しぶりに会った妹やアーシアと楽しそうであった。次の日からヴィオラも練習に参加した。練習は厳しくなったが基礎の反復練習が延々と続く、とにかく基礎だ、迷ったら基礎だというのが分かった。


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