5
追憶
婚約から一年の日。二人は美術館に居た。
会話は増えたが相変わらず図書室で本を読むばかりの二人にセレスティアが焦れたのだ。
「折角の記念日なんだから外に出なさい」
とチケットを渡され、オンヘイ邸から追い出されてしまった。
ちなみにこのお出かけの前にセレスティアから執行された衣装替え。彼女がこの日のために誂えた服はコージャイサンが明るいブラウンチェックのジャケット、イザンバはワンピース。そう、お揃いだ。
コージャイサンは毛先を遊ばせ、ちょっと背伸びをした風に。
イザンバの髪も綺麗に編み込まれ、帽子をちょこんと乗せ、アイボリーの上着を羽織れば小さなレディの出来上がり。
大人しく着せ替え人形になった二人に、送り出したセレスティアの表情は至極ご満悦であったとか。
そして、ここは王都で一番大きな美術館。草創期、過渡期、黎明期、安定期、晩期、現代と順を追った展示を二人は並んで眺める。
ふと疑問を抱いたイザンバが学芸員に尋ねた。
「この軽快さが主流だったのは過渡期ですよね? 黎明期は重厚感ある表現なのにどうして黎明期のものと同じところにあるんですか?」
「おっしゃる通りです。この作者は確かに黎明期の生まれですが、敢えて前の手法を取り入れてその発展を表現しています」
「なるほど。古きを学び、新しい見解へと広げていたのですね」
「その通りでございます。先人の遺したものはいつだって我らの手本となります。こちらのリーフレットをどうぞ。最近売り出し中の作家たちなのですが、絵画にとどまらず人を惹きつける作品が多く生み出されています。ご興味がありましたら支援をよろしくお願いいたします」
芸術や文化の支援もまた貴族の務め。要は新人のパトロンになってくれと言う事だ。
「あっ……」
「どうかしましたか?」
リーフレットを見て小さく声を上げたイザンバにコージャイサンが問う。
「いえ、何でもありません! 次の順路はあちらですね。行きましょう」
「……そうですね」
笑顔で取り繕い、次の展示へと足を進めるイザンバは気付かなかった。こっそりとメイドに何か頼む様子をコージャイサンが見ていたことに。
その後も順当に館内を回る二人。知り合いに会えば揃って挨拶をし、自分たちの数倍はある石像に感動したり、イザンバの妄想が漏れたり、芸術性の強すぎるちょっと理解が追いつかない作品を眺めたり。
顔を寄せて小さな声で感想を言い合う姿に見守る学芸員がほっこりしていた。
回り終えた後は併設のカフェでお茶をして、本日は解散の流れとなる。
「本当に送らなくていいんですか?」
「はい。このあと所用がありますので。コージャイサン様もお気をつけてお帰りください」
邸まで送ると言うコージャイサンの申し出を断るイザンバ。「危ないから」や「帰るついでだから」と何度問答を繰り返しても彼女の答えは変わらず、ついにコージャイサンが折れた。
「……分かりました。それでは、また」
「はい。今日はありがとうございました」
馬車を見送るとイザンバは本日お付きのメイドに帽子と上着を預け、代わりに庶民風の上着を受け取った。これは先ほどこっそり用意して欲しいと頼んだもの。
編み込みを解き、髪は高い位置で一つに結び直す。そして、イザンバは駆け出した。脇目も振らずに全力疾走だ。
辿り着いたのは本屋。着いてすぐ会計の女性店員をロックオン。そのまま早歩き以上駆け足未満で会計まで行くと……。
「あの、天地闘争論の特装版、まだありますか⁉︎」
「はい。こちらになります」
「買います!」
食い気味で言った。店員さんはその熱量に驚きもせず、むしろ完全に微笑ましいものを見る目だ。
キラキラとした瞳、喜びは体内に収まらず、目的のものを手渡されるとイザンバは天高く掲げた。
「やったー! 初回限定特装版ゲットだぜー! 作者様の特別寄稿の短編に新人作家様による1/6スケールの極彩色人形! サタン様ご降臨! もう家宝にするー!」
「へぇ、それが欲しかったんですか」
「そうなんですよー。今日発売日で、さっきいただいたリーフレットで作家様のお名前を見つけた時は衝動に任せて買いに行こうかと思ったんですけど、流石にそれは交流中だしダメだなーって、おもっ、て……え?」
「それで途中からあんなにソワソワとしていたんですね」
ピシリ、とイザンバの動きが止まった。
それはここで聞こえるはずのない声。むしろさっき別れの挨拶をしたばかりの声。
——いやいやそんな事ある訳ない! これは私にじゃなくて違う人に話しかけてるんだ! やだ、なんか会話したみたいになっちゃった恥ずかしい!
「あ、はははははは。私ったらつい喜びが溢れてしまって……会計前で騒いですみません」
イザンバは店員に向かって頭を下げるがあえて後ろは振り向かない。背後に立つ人物に対して申し訳ないと思いながらも振り向いたら最後、色々と終わってしまうと確信しているから。
そんな彼女の心中を知ってか知らずか。冷や汗が止まらないイザンバに背後の彼から告げられた常識的な提案。
「確かにここで話し込むわけにはいきませんね。ひとまず馬車に行きましょうか」
——私じゃない! これは私じゃないですよね⁉︎ ほら誰かさーん、馬車に行こうって言われてますよー!
心中の騒がしさとは反対にイザンバは無言を貫くが、なおも彼は続ける。
「兄君が『妹には収集癖がある』と仰っていましたが、本だけでなく登場人物にちなんだものを集めるのも好きなんですね」
——どこのうっかりさんですかー。そういうのは勝手に暴露しちゃダメですよー。
イザンバにも思い当たる節はあるがまだ粘る。だが敵もさる者。
「確か……空想上の人物が好きな事をオタクと言うんでしたか? イザンバ・クt……」
「わあぁぁぁぁぁあ!」
意地悪くもフルネームで呼ぼうとする彼にイザンバはつい大声を出して振り返ると、そこには紛れもなくコージャイサン・オンヘイその人が立っていた。
「こんな所で会うなんて奇遇ですね! ちなみに私はザナです! はい、繰り返して! ザナ!」
大事そうにしっかりと特装版を抱えながらも彼に詰め寄る圧は強めだ。
いつにない態度に驚きはしたもののコージャイサンは言われるがままに繰り返す。
「ザナ」
「よく出来ました! じゃあ行きましょう! 急いで行きましょう! どうもお騒がせしましたー!」
頭をわしゃわしゃと撫でながら大袈裟に褒め、呆気に取られているコージャイサンの手を引いてこれまた大きめの声で詫びながらイザンバは足早に立ち去った。
一連の流れに店員も思うところがあったのだろう。美少年に対しては「眼福だわ〜」とのんびり見送り。
そして少女の胸中を慮るように、健闘を讃えるように——そっと合掌した。
さて、こちらはガタゴトと揺れる馬車の中。ぐったりと力が抜けたイザンバだが、その様子は通常とは異なるものだった。
「もう二度とあの本屋さんに行けない……」
「そんなにですか」
まるでこの世の絶望を一身に背負ったようにひどく落ち込むイザンバに対してコージャイサンは責めるでもなく呆れるでもない。
いつもと変わらない淡々とした様子で彼女を眺めていたが、突然イザンバは頭を下げた。
「あの……動揺したとは言え無視した形になってごめんなさい。でもあそこでフルネーム暴露とかこの先大変生き辛くなるのでほんとやめてくださいお願いします。あとオタクはマニアや愛好家と同じです。空想上の人物のみではないのであしからず」
「分かりました」
コージャイサンの返事にホッとしたら今度は涙腺が緩んできた。マイナス面に振り切った感情指針は淑女らしく振る舞うことさえ放棄させたようだ。
「うう、こんな形でオタバレとか……我慢出来なかった私が憎い。でも、オタクは本能だから……! 脊髄反射はどうしようもないんですー!」
「オタバレ?」
「オタクな趣味がバレると言う事です。この一年、せっかく擬態してきたのに……」
さめざめと泣くイザンバに彼がこれまた容赦なく突きつける事実。
「そうですか? 片鱗は見えてましたが」
「そんなバカな……え、嘘ですよね?」
ニッコリと形作られた笑みは肯定を示す。それを見てイザンバはクッションに埋まるほどにまた落ち込んだ。少しくらい見ないフリをしてくれても、とぼやいて。
その落ち込みを見てコージャイサンは慰めるように申し出た。
「そんなに好きならその作家の支援をしましょうか?」
「あ、それはもうしてます」
してるんかい。聞くだけ野暮であった。イザンバ自身での支援はまだ出来ないが父伯爵を通してすでに動いているようだ。
問いかけに答えはしたがイザンバの視線はまだ下を向き、ため息すら溢れている。
「ところでザナは愛称ですよね」
「そうです」
突然変わった話題にどうしたのかとイザンバは首を傾げる。あの時は本名バレを防ぎたい一心で愛称を口にしたのだ。
コージャイサンは少しだけ考えこむとイザンバと視線を合わせた。
「では、これからはそう呼びます。私は両親からコージーと呼ばれていますのでそのように……ああ、面倒だな。どうせならかしこまった口調もやめようか」
「あの、コージャイサン様?」
「コージー。はい、繰り返して」
先程のイザンバと同じように、今度はコージャイサンが彼女に求める。
淡々とした物言いにイザンバは真意が掴めず、けれども逆らう事はせず。
「コージー様」
「様はいらない」
ピシャリと言い切られてイザンバの眉が下がった。
「ですが恐れ多いことですので、どうかご容赦ください」
頭を下げるイザンバの頭上に聞こえるため息。意に沿わなかったか、とビクリと肩が揺れてしまう。
少ししてコージャイサンから頭を上げるように言われ、素直に従った。
じっと見つめてくる翡翠の瞳。開かれた口から吐き出されたのは……。
「兄妹揃って同じことを言う。今はアルも俺のことをコージーと呼んでいるから気にしなくていい」
「どうしてここでお兄様が⁉︎」
まさかの兄登場! イザンバが驚くのも無理はない。ちなみに『アル』とはアーリスの愛称だ。
けれどもコージャイサンは変わらず淡々とこう答えた。
「彼とはあれ以来手紙のやり取りをする仲なんだが」
「まさかの文通⁉︎」
「実はザナの誕生日の時も相談に乗ってもらって」
「そこにも噛んでた⁉︎」
「最近の手紙で『妹がグッズ集めに精を出していて、同じ顔の人形たくさん並んでいて怖い』と書いていた」
「何勝手に暴露してるの⁉︎ お兄様のバカー!」
社交辞令ではなくて本当に成立していた婚約者と兄の関係。そして自分についての暴露。これが叫ばずにいられようか。お淑やかなフリ? そんなものはポイッだ。
しかし、イザンバはここである事に気がついた。
——コージャイサン様とお兄様が文通……ガチめに展開されていた美形×平凡を見逃したって事⁉︎
気付いた事実に込み上げた驚愕と落胆。だから婚約者と兄で何を考えているのか。
対してコージャイサンはまたも呆気に取られていた。テンポよく入れられた合いの手。驚いたかと思えば怒り、何か気付いた顔のあと嘆きに。その残念な勢いにとうとう吹き出した。
「ふっ……ははっ!」
それはお茶会で見る微笑みとは全く違った、イザンバが初めて見た婚約者の年相応な笑顔。
つい食い入るようにその姿を見ていたら笑いを収めた彼と目があった。
「それでいい」
「え?」
「俺の前でもそのままでいい」
そう言って不敵に笑う姿があまりにも似合いすぎて。
顕になった尊大さがあまりにも似合いすぎて。
——俺って言った……。
彼も被っていた猫を脱いだのだろう。そのことを改めて理解したらイザンバの肩からも力が抜けた。
「……なんだか随分と雰囲気が違いますね」
「思っていたのとは違う、と?」
細められた目に、冷たい物言いにイザンバは苦笑を浮かべる。幻滅したわけではない。彼の被る猫は公爵令息としての処世術だと分かるから。
それにコージャイサンよりもイザンバの方が数倍分厚い猫を被っている。まさか今日脱ぐことになるとは思ってもみなかったが、ふと、ただ一つ、これだけは何が何でも頼み込まなければならない案件があることに気が付いた。
「いえ。本音と建前が違うように誰にでも当て嵌まる事ですよね。私も人の事、全然言えませんし。あの……一つ、お願いがあるのですが」
「なに?」
「私は外でオタクを隠してるので、その……あまり触れ回らないでくださると有り難いのですが」
「ああ、分かってる。確かに淑女教育を受けているとは思えない姿だったしな。……ふ、くくくっ」
「……なんでまた笑うんですか?」
「悪い。本屋での……必死な様子が……今になって……きた」
またも笑い出す彼にむくれた声がでたが、その時を思い返したのか揺れ続けるコージャイサンの肩。大きな声は出してはいないが、しかしいつまで経っても笑っているものだからとうとうイザンバも耐えかねた。
「ふ、ふふふ……ふふふ、あはははははは! それを言うならコージャイサン様だって! あんな風にいきなり背後に現れるとかどんなホラーですか! あははははははははは!」
中々治らない笑い声につられてイザンバも笑い出すと、馬車の中に満ちる和やかな空気。そうしてしばらく笑っていると……。
「ザナは本当に……面白い」
「ありがとうございます?」
褒められているのか貶されているのか。
話すようになったとはいえ、未だ月に一度会うだけの間柄ではどう取ればいいのか分からず、イザンバは疑問系だがとりあえずお礼を言っておいた。
「それと……コージャイサン様じゃなくてコージー」
「コージー様」
翡翠の瞳が不満を表すが、けれども訂正を促されてもイザンバはあくまで様付で呼ぶ。
——婚約解消予定なのに愛称呼び捨てとか無理ゲーだから!
さすがに口にはしないが、その場をしのぐため淑女教育で教わった笑顔を張り付けた。
「……まぁいいか」
——勝った!
譲る気がないと伝わった事に内心で勝利に浸るイザンバ。ふとコージャイサンの視線が本へと向く。それはある意味で二人の親密度を上げた本。
「それ、走って買いに行ってたけど」
「そこから見てたんですか⁉︎」
それはつまり最初からと言うことではないのかとイザンバから上がる驚きの声。
頷く彼によって敗北感に見舞われたイザンバだが、コージャイサンは構わず続けた。
「そんなに面白いのか?」
問われた途端に煌めくヘーゼルの瞳。パッと明るくなった表情のままイザンバは何度も頷いた。
「はい! すごく面白いんです! まずは昔話を元にしていて入り込みやすいんですけど『火の天使と氷の悪魔』のお話知ってますか? 知ってますよね⁉︎ 天使と悪魔ってだけでも尊いでしょ? それでご存知の通り昔から敵対関係と言われる天使と悪魔ですけれども、この作品は立場の違いとか、それによって生じる正義の違いがよく描かれていて、悪魔といえば悪者って感じですけど、天使が問答無用で鉄槌下しまくるのも悪魔からしたら理不尽な暴力で『あれ? これ、どうなの?』って考えさせられるんですよね。それぞれが抱える事情とか正義とか信念がいじらしくて——本当尊い」
水を得た魚のように生き生きと、若干早口で話すその姿にコージャイサンはいっそ感心してしまう。
口を挟む隙すらもなかったが、本当に好きなんだと語るまでもない熱量が何でも熟せてしまうからこその退屈を持て余す彼には少し眩しい。
「尊い?」
「『最高!』『素晴らしい!』と言う意味です!」
力説したところでイザンバもハッと我に返ったのだろう。こんな勢いで話されてはいくらコージャイサンも引いているに違いない。
「すみません……喋りすぎました」
たちまち身の置き所のなくなり、イザンバはしおしおと萎んでしまった。
もう一度しっかり猫を被り直そうとした矢先。コージャイサンが告げたのは彼女にとって予想外の言葉だった。
「もし良かったら読んだ後で貸してもらってもいいか?」
「え?」
「少し興味が湧いた」
あんなに一方的な演説を聞いて、興味を持ったと言ってくれた。婚約者として歩み寄ろうとしてくれているだけかもしれないが、その言葉にイザンバは喜色満面であった。
「はい、喜んで! 全巻揃えて、番外編と派生本も含めても十冊ほどなんで全部お貸ししますね!」
「いや、本編だけでいい」
そこまではいらない、と入るお断り。喜びのあまり飛ばし過ぎだ。
けれどもイザンバは否定されなかったことが嬉しくて、嬉しくて。さぁ、エンジンのかかった彼女の語りは止まらない。
「ちなみに私は悪魔サイドのサタン様推しなんですけど、天使サイドのアズたんも可愛くて推せますよー!」
「推し? アズたん?」
「推しは一番大好きで一番応援したいキャラクターのことです。アズたんはこの子、アズラーイールです。成分は優しさ百パーセントの純粋天使! ヒロイン力もチート級で、こんな子が現実にいたら是非遠くから眺めたいです! でもねー、ラファきゅんもメッフィーも良くて……むしろ良きしかなくて! まぁ、私の中ではサタン様しか勝たんのですが! だって強くてカッコよくて敵に容赦ないし身内にも厳しいと見せかけて激甘とかもうそのギャップが最高って感じで! 推さずにはいられないでしょ!」
「ふーん」
「あははははは! キャラには全然興味なさそうですね!」
推しへの愛を聞き流すような態度にもイザンバはカラカラと笑う。今はただ、推しのことを話せる事が嬉しいから。
けれども押し売りをしたいわけじゃない。こほん、と咳払いをすると姿勢を正した。
「まぁ、それは横に置いといて」
「置いていいのか」
あれほど熱く語っておきながらもそれはそれ、これはこれ、とイザンバは微笑んだ。
「一度だけでいいから読んでみてください。論じている内容に考える面があるのは事実ですが、戦闘シーンもありますし展開される魔法も古代から現代まで組み込まれてて中々読み応えがありますよ」
「そうか。楽しみにしてる」
「はい!」
ゆるりと上がった口角に彼の興味を引く何かがあった事を知ったイザンバは満面の笑みを返した。
「信じられない……」
「え?」
耳に届いた思い出の中にあるはずのない声。
そこは目を向ければイザンバと同じくワンピースに身を包んだ女性が一人。違いがあるとすればその色が黒いところだろう。
「……ルイーザ様?」
名を呼ばれ、顔を上げたルイーザの表情はまるで般若のよう。イザンバを睨みつける目にはありありと嫉妬が浮かんでいた。
「どうして、私の夢の中に?」
問いかけるもルイーザは答えない。それどころか彼女は体から黒いモヤを出しながら叫んだ。
「あんなに失礼な事をして、あんなに失礼な態度で、こんなに品のない女を……なんで……なんであなたなんかが選ばれるのよ!」
溢れた想いは昏い。懐かしさで心温まった夢の全ては瞬く間に黒く塗りつぶされた。