初PvP
「近距離の戦闘について教えとくな。近距離で戦うときは、武器スキルが高い方が同じレベルの時は強くなれる。あとは、練習あるのみだ。ゴブリンで見せるからお前もやってみろ」
レイは初心者の大剣をボックスから取り出した。
ゴブリンへ突っ込んでいくとその一体を真っ二つに切り裂いた。
ユキはその戦いを見た後、ティアマトとファフニールをおもむろに抜くとゴブリンの群れの中心へと入っていった。
「本性を現せ『ティアマト』地へとひれ伏せ。重力操作5倍。本性を現せ『ファフニール』すべてを凍らせろ。氷操作氷結」
ユキが呟くとユキを中心に、ゴブリン達がひれ伏していった。
その後すべてのゴブリン達が氷になると、エフェクトと共に消えていった。
『レベルが3へと上がりました』
「何でもう使いこなしてんだよ・・・」
「今日はありがとな。また一緒にプレーしような」
「じゃあユキ君も明日からがんばってね」
「他の人たちのパーティーに入れてもらうのもいいと思うよ」
「アドバイスありがと。でもしばらくはソロでやってみるよ」
「そうか。頑張れよ」
そんな話をしながら、町へと戻っていった。
町に入ると武器屋の近くで騒動が起きていた。
「おいなんだよ。この装備は」
「全然役に立たなかったぞ」
「これのせいで死んじまったじゃねえか」
ユキが止めようとすると、店の奥から小さな女の子が出てきた。
「や、やめて!おとーさんをいじめないで」
「ああ、なんだこのちび」
「殺しちまおうぜ」
「そうしちまおう。オラぁ!」
三人の一人が剣を抜くと女の子へと切りかかった。
ユキは剣を抜きその剣を流し、首へと剣を突き付けた。
「ひっ。て、てめえ。いきなり何すんだ!」
「何すんだ?それはこっちのセリフだ。ゲームの中だろうとこんな小さい子を殺していい分けないだろ」
「何言ってんだ?正義者気取りかっよ嬢ちゃん」
「おじさん。この子を店の奥へ」
「あ、ああ。分かった」
「それとそこのおっさん達。俺は、女じゃない。男だよ」
「あっそ。どうでもいいや」
「じゃあPVPしようぜ。ルールは三対一。誰かを誘って一緒にやってもいいぜ」
「いいや一人で大丈夫だ。キリン、ソラ、レイ、手出さないでね」
「へー。じゃあやるか。掛け金はお互いの全財産な。」
「あなたたちが負けた場合は、この人たちに土下座して謝ってね」
『PvPを開始します』
始まりの合図が鳴ると剣士の男が突っ込んできた。
「PvPの中ではFFは無いから、魔法も弓矢もどんどん放て!」
「ああ『ファイヤーボール』」
「分かってるよ『クリエイトアロー』」
剣士の男が言うと魔法使いと狩人の男も攻撃を仕掛けてきた。
「魔法も弓も俺には関係ないんだ。ごめんね。本性を現せ『ティアマト』地へとひれ伏せ。重力操作5倍。本性を現せ『ファフニール』すべてを凍てつかせ。氷操作氷結」
ユキが呟くと魔法は消え、矢は地面へと落ち、三人は地へとひれ伏し氷へとかした。
『PvP勝者ユキ』
「てめえ。チート使いやがったな」
「そうだ。俺らが負ける訳がねえ」
「お前が負けた場合の掛け金を払え!」
「えっとGMコールッと」
『こちらGMコール対応AIです。何かお困りでしょうか』
「負けたのに掛け金を払わない奴らがいるんだが」
『分かりました。対応AIを送ります』
「GM対応AIことシルシーちゃんだよ。えっと~チートなどの使用はありませんので掛け金をお支払いください」
「そんな分けねえだろ」
「一回の忠告で終わらなかったので。一週間のログイン禁止を付け足します。では、さようなら~」
『所持金に35000追加されました』
『レベルが5へと上がりました』
『ジョブレベルが3へと上がりました』
「お金だけじゃなくて経験値も入ってきたんだが」
「全財産でしたから~。ボックスの中身も勝手にお金に換えておきました。これで終わりですね。それでは、失礼しま~す」
「ああ。ありがとな」