プロローグ
「「「お兄ちゃん(雪花)、誕生日。おめでとう!!!」」」
「おお・・・皆ありがとう」
買い物から家に帰ると、家には妹の刀羽稀燐と、幼馴染の柊美空、高校で友達になった椎名零夜が、誕生日を祝ってくれた。
いつも通りの日々を送っていたので、刀羽雪花は自分の誕生日を忘れてしまっていた。
「はい。これ、私たち皆からの誕生日プレゼントよ」
「お、ありがとう。開けてみてもいいか?」
「もちろん。それはもう、雪花のなんだから、気にしなくていいんだよ」
雪花は、渡された箱を開けた。
中からは、ゲームの箱が出てきた。
そのゲームは『One Off Weapon Online』というゲームだ。
『OOW』と呼ばれていて、新作のVRゲームだったはずで、今はほとんどの店舗で売れキレになっている物だった。
三人はこのゲームのβテストに当選したと言って喜んでいた。
正式なゲーム開始は明日になっている。
「このゲームどうやって手に入れたんだ?」
「店に並んで買ったんだよ。βテスターたちは皆機械を持ってるし、新しいのを買ってもデータを作り替えることもできないようになっているから。お前とも一緒にプレイしたいと思ってな」
データは脳波をキャッチして作っているので、一人につき一つしかデータは作れず、新しい機械を買っても新しいデータは作れないようになっているらしい。
「お兄ちゃん。明日から一緒にゲームやろう。最初はプレイの方法も教えてあげるから」
「私たちも、βテスターでも攻略組だったんだから。教えられることは多いと思うわよ」
「じゃあ、よろしく頼むよ。たまにはゲームをやるのもいいかもしれないな」
「やった!明日の十二時に開始だから遅れないでね」
そう言うと、美空と零夜は自分の家へと帰っていった。
明日は土曜で休日なので早めにお昼を食べれば、十二時からゲームをできるだろう。
今日、雪花はいつもより早く寝て明日のゲーム開始に備えた。