表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/12

お疲れ気味の竜宮さん

「刀士郎さーん、疲れたー、だっこー」


「おう、こい」


 私はソファでくつろいでいた刀士郎さんに正面から抱きついた。


 すると、彼は太い腕を私の体に巻きつけ、ただ寄りかかればいいだけにしてくれる。


 いわゆる対面座位。


 だけど、今はやましい気持ちなんてこれっぽっちもなくて、純粋に刀士郎さんと密着していたいだけだ。


「よしよし、ユイはいつも家事がんばってくれてっからな。ユイと結婚してホントよかったぜ」


「えへへー」


 頭なでなでしてもらいながらベタ褒めされるの超好き!


 世の中には奥さんを褒めない旦那様が多いらしいけど、刀士郎さんと一緒だとまるっきり都市伝説に思える。


「……なあ、ユイ」


「なんですか?」


 刀士郎さんがちょっぴり神妙な顔をした。


「俺と結婚してよかったのか?」


 あー、これは刀士郎さんの悪い癖が出てますねぇ。


 私は沈黙で話の続きを促す。


「正直、高校卒業と同時に結婚なんて早すぎたなって思ってるんだ。ユイにだっていろんな選択肢があったのに、俺はそれを根こそぎ奪っちまった」


 刀士郎さんは、普段はすっごく頼りがいがある分、たまにこうして落ち込んでしまうことがある。


 強面だけど中身は繊細なのだ。


 今だって捨てられた子犬みたいな目をしていてたまらなく可愛い。


「友達と遊ぶ時間も何かを学ぶ時間もない。昨日聞いたんだ、道場を見学しにきた専業主婦の人から。ずっと家の中にいるのは退屈だって。結婚をもう少し遅らせればよかったって。だから、ユイもこれでよかったのかなって……」


「よかったに決まってるじゃないですか」


 私は即答した。


 刀士郎さんがぴくりと動いた。


「私は刀士郎さんと結婚してよかったです。確かに他の人と比べて選択肢は少なくなっちゃったけど、この幸せがあるなら構いません」


「ユイ……」


「物事を悪い方向に考えちゃうのは疲れている証拠です。刀士郎さんはがんばり屋さんだから特にそうなりやすいんです。ほら、おっぱい触って元気出して?」


 私は立ち膝になって刀士郎さんの頭を胸に抱く。


 お母さん直伝の励まし方だ。


「ん……」


 刀士郎さんは私のおっぱいに頬ずりし、熱い吐息で服越しに肌をくすぐった。


 あちゃー、下着外しておけばよかったなぁ。


 とはいえノーブラで生活するのはいろいろと不都合がある。


 仕方ないので、そこは脱がす楽しみが増えたということにしておいてもらおう。


「ユイ、シたい」


 片手で私のお尻を撫でつつ、もう片方の手でブラのホックを外そうとする刀士郎さん。


 呼吸はさっきよりも荒々しい。


 ヤる気まんまんだ。


「はいっ、いっぱい気持ちよくなりましょうねっ」


 かくいう私も抑えきれず、腰を前後に動かし始めていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ