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週末の竜宮さん

 刀士郎さんと手を繋ぐ。


 たったそれだけで私はドキドキしてしまう。


 付き合いたての頃からずっと変わらないモノの一つだ。


「…………」


 私たちはソファに座っていた。


 金曜◯ードショーを見ている途中で刀士郎さんが眠ってしまい、私に体を預けている。


 週末だし、先週の土日には道場のイベントがあってあまり休めていなかったから、疲れがまとめて出てきたんだろう。


 正直、ちょっと重たい。


 でも、これは刀士郎さんが私を信頼してくれている証拠だ。


 全然嫌じゃないし、むしろ嬉しく思う。


 私は映画をそっちのけにして刀士郎さんの手をもてあそぶ。


 骨ばっていて、手のひらにはいくつかタコができているけど、指は細くて爪の形もとても綺麗な愛しい手を。


 女性であっても、人によっては羨ましいと感じるだろう。


 私はこの手が大好きだ。


 いっぱい撫でてくれるし、いっぱい気持ちよくしてくれるし、どんなときでも私を守ってくれる。


 手を握っているだけでこんなにも幸せを感じられるのは、私が本当に刀士郎さんを愛しているに違いない。


「愛しています、刀士郎さん」


 声に出してみると、一層気持ちが強まった。


 映画が終わり、別の番組が始まる。


 もうこんな時間か。


 日付が変わるまであと1時間もない。


 私は刀士郎さんをそっと寝かせ、寝室から取ってきた毛布を優しくかけてあげる。


 残念ながら今夜の営みはお預けだ。


 その分、明日はたっぷりと刀士郎さんを味わわせてもらおう。


 あっ、そうだ、この前雑誌で見たえっちな起こし方、試してみようかな。


 顎が外れないように気をつけないと。

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