表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

最強のドラゴンに転生しました

作者: 鳴嶋ゆん

 気づくと俺は死んでいた。

 高校からの帰り道、ごく普通に歩いていたら何の前兆もなく、空から光が俺を貫いたと思ったら死んでいたのだ。


(ちょっと誰か責任者出てきて状況を説明して欲しいものだ)


 もう死んでいるんだから今さら慌ててもしかたない。

 そんなことを考えていたら、いきなり頭の中に

「完全にこちらのミスによる事故に巻き込んでしまい、申し訳ありません」

 と声が響いた。


「誰?」


「神の使いと申しますか、天使のようなものだと思っていただければ問題ないかと」


「俺死んじゃってるみたいだけど、復活とかできないの?」


「誠に申し訳ありませんが、現状復活などの奇跡はこの世界では実行不可能になっており、その願いはお受けすることができません」


「この世界って言ったよね。他の世界もあるの?そこならチート級の奇跡とかできるの?」


「いわゆる異世界転生ということなら可能です。こちらのミスで死なせてしまったということもあり、その際、出来得る限りのことはさせていただきます」


「よし、じゃそれで。

 条件はまずは力だな、世界最強レベルのパワーと魔力もな。

 ころっと死んでしまってはしかたないから、不死身とは言わないが出来得る限りの不老長寿を。

 おっと財産も欲しいな、使い切れないほどの財産も

 金だけでなく伝説の武器とか防具とかそういうのもな」


「ずいぶんな条件ですね」


「ムリか?

 ムリそうなら……」


「いえ、なんとかなりそうです。

 では、さっそくですが異世界転生の儀を行います」

 なんか大事な条件を忘れていた気がしないでもないが、もう儀式ははじまってしまったようだ。

 天使と名乗る声がそうつぶやいたかと思うと、世界は光に包まれて俺は意識を失った。


 俺が目をさますと薄暗いところにいた。

 薄暗いのであるが、隅々まで見渡せるってのは変な感じだな。

 きっとそういう能力を持っているんだろう?


 ここはどこだ?

 とか考える前に俺はどんな力をもって転生したんだろう?

 こういう転生ものでは、よく自分のステータスとかわかるはずなんだが。

 と考えていると、頭の中に表示されやがった。

 なんとも便利なものだ。


☆☆☆


Lv869

HP 158623

MP 65328


STR 129269

VIT 78931

AGI 52361

DEX 38593

INT 89665


☆☆☆


 ほー、STR高めで、ややDEX低いな・・・

 ってなにこれ、桁がいろいろおかしいだろ。

 Lv869ってカンストいくつだよ。


 スキルのほうもチェックしておくか。


☆☆☆


火属性呪文(高)

風属性呪文(高)

神聖呪文(中)

古代呪文(高)


暗視

念話

飛翔


魔法無効

状態異常無効

クリティカル無効

HP自然回復(高)

MP自然回復(高)


斬撃

たいあたり

噛み砕き


ブレス(火属性)

ブレス(光属性)


☆☆☆


 呪文は火に風に神聖呪文か、意外と少ないし、神聖呪文は苦手っぽいな。古代呪文ってのはどんなんだろう?

 暗視に念話に飛翔か、飛翔スキルはうれしいな。


 魔法無効に状態異常無効があるに加えて、このVITでクリティカル無効ってほとんどの攻撃効かねぇな。

 HPMPの自然回復ついてるし、こんなラスボス設定したらクソゲー決定じゃねぇか。


 他に攻撃スキルで斬撃にたいあたりか。

 噛み砕き?

 なにそれ……


 最後に火属性と光属性のブレスを吐くって、俺何者?


 あらためて自分の姿をよく確認してみたところ、金色の肌に羽がついている様子。

 どうやら四足歩行で手には爪……


 これってもしかしてと、自分の基本属性をチェック


☆☆☆


種族 エンシェントドラゴン

職業 なし

年齢 480


☆☆☆


 ドラゴンでした……しかもエンシェントドラゴンって上位種だったりする?

 年齢480歳とかお年寄りだけど、たしかよくある設定だと上位種のドラゴンは数万年生きるとか言われてるから、これでも若い方?


 周りを見渡してみると俺の後ろには、まばゆいばかりの黄金や宝石の山。

 その中には数個の剣や鎧が無造作にあったりするが、あれはきっと伝説の武器とか鎧とかなんだろうなぁ。

 俺には装備できそうにないが。


 このお宝を目当てにここにも冒険者とか現れるのかな?

 勇者一行とか来ても俺にケガ1つおわせられそうにないが。


 ちょっとまずったなぁ。

 人間って条件を入れるのをさっぱり忘れてたぜ。


 しかたないから、前向きに行動するとしよう。

 まずは現状の把握だ。

 とりあえずここはどこだ?


 俺と体長ががどのくらいかは不明であるが、俺のまわりは結構広い。

 隅から隅まで走ると5分以上かかるぞ。

 この広さで逃げ回られるとちと厄介だな。

 住処のの隅っこには1箇所小さな穴があいている。

 たぶん、これが外へと繋がる通路なんだろうが、当然俺はくぐれない。


 天井を見上げるとそこからは星空が見える穴がある。

 あそこから外へいけるかな?

 と思って飛び上がってみたが、頭を出すのがやっと。

 体が引っかかって通れそうにない。

 ダメじゃん。

 まぁどうしようもなくなったら、天井の穴ぶち壊して大きくすればいいか。


 この広さに俺1人か。

 退屈だな。

 どうせなら雌ドラゴンとかいれば交配とかできるんだがなぁ。

 ドラゴン同士の交配ってどんなのか興味あるんだが。


 退屈だったが一通りのスキルを試してみたりするうちに数日が過ぎていった。

 ふと気づいたがお腹がすかないな。

 ドラゴンの食事ってどんなのだろう?

 なんでも食べれそうな気がするが、特に何も食べなくてもよさそうな気もする。

 何も食べなくてもいいとか、それもつまらんな。


 スキルを使っていってなんとも不明なのが古代呪文。

 詠唱は頭のなかに浮かんでくるのだが、わからない言語のため、効果が予想できない。

 1つずつ効果を確かめていくうちに、1つ面白い呪文を見つけた。

 自分の大きさを自由に変更できるようだ。

 体長を1/10に小さくしてみた。これなら天井の穴から脱出できそうだ。

 小さくなると羽の大きさも小さくなるが、この大きさでも無事に飛べるんだろうか?

 試してみたが大きさに応じた体重になっている様子。

 質量保存の法則とか完全に無視してるな、さすが古代魔法だ。


 外に出てみるとそこは広大な森であった。

 まぁ俺が小さくなったから広大に見えるが、元の大きさになればひとっ飛びだろう。

 元の大きさに戻って飛んでるのを目撃されたらきっと大騒ぎになるだろうから、このままのサイズでお散歩といこう。

 大騒ぎになればなったでそれもまた面白そうだがな。


 森に降りてみるとそれなりにモンスターが徘徊する物騒な森であった。

 いきなり見上げるような巨人に遭遇。

 知能は低くて凶暴そうだ。

 いきなり俺に攻撃してくるとか命知らずすぎるだろ。

 俺の斬撃を食らわせると一撃で絶命した。

 だが、どうも思ったより感触が悪いな。

 気になってステータスを確認すると。


☆☆☆


Lv869

HP 15862

MP 65328


STR 12926

VIT 7893

AGI 52361

DEX 38593

INT 89665


☆☆☆


 HP・STR・VITが1/10になっているじゃないか。

 古代魔法で体を小さくした影響か。

 まぁこれでも十分チートすぎるステータスだから問題なかろう。

 魔法とかには影響なさそうだしな。


 そのまま森のはずれの方に向かって散歩を続けてみると面白いものをみつけた。

 いかにも駆け出し冒険者って感じの若い女の子がクマ相手に戦っているのだ。

 なかなか面白そうな見世物だと見物していたが、頑張っているものの有効な攻撃を入れれないまま、疲れてきてるようだ。

 ちょっと危なそうだな、手伝ってやるかと思ったが、小さくなったとはいえ体長1メートル以上のドラゴンが現れたらきっと驚くだろうな。

 ここはもう少し小さくなるかと1/5に。

 元の大きさから考えれば1/50の小ささだ。

 大人の猫くらいの大きさならあまり怖くはないだろう。


 準備はOKってことで、クマの後ろから飛びかかり、いきなり斬撃。

 クマは一撃で倒れる。


 女の子の冒険者はきょとんとした顔で俺の方を見る。

 こうしてじっくり見ると、なかなか可愛いじゃないか。

 プロポーションもよさそうだ。


「もしかして、ドラゴンの子供?」


 いい観察力だ、子供ではないけどな。

 正解ってことで、反対側に向かって威力を最低限に抑えたブレスを吐いてみせる。

 口からちょろっと火が出る感じだ。


「かわいい。触っても大丈夫かな?」


(大丈夫だよ)

 通じるかどうかはわからなかったが俺は念話を試してみた。


「あ、言葉がわかるんだ。

 私はミーア。助けてくれてありがとう」

 ミーアは俺を抱き上げる。


「家族とか仲間が、この森にいるのかな?」


(僕1人ぼっちなの)

 ここはちょっと子供っぽく答えておこう。


「1人ぼっちなんだ、私といっしょね。

 もしよかったら私といっしょに来ない?」


(ミーアも1人なの?じゃ、僕が守ってあげるね)

 あの洞窟でラスボスしてるより、ミーアについていったほうがいろいろ楽しそうだからな。

連載中の「妹が最強すぎて冒険がぬるい」の前に考えていた設定ですが、続きが面白くなかったので、導入部を短編として書き直しました。

(R18設定にすれば面白くなるかもしれませんが、そういうのを書く予定がないので)


連載中の「妹が最強すぎて冒険がぬるい」

http://ncode.syosetu.com/n6181eh/

をよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] とても惹かれるお話ですね。 [一言] 導入部として、良く出来ていると思います。 思わずつづきを読みたくなりました。 作者様は現在他に多く連載中のようですので、気長に期待しようと思います。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ