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おまけ勇者の帰世記  作者: 緑光
第二章
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第四話 黒い影

シルキルSide




あの日から数日間、俺たちは情報収集をおこなってきた。


いや、正確には俺だけだがな。

ケイと真衣は観光している。何でも相手の警戒心を崩して話を聞き出すとか言っている。

えげつねぇな。むしろあいつらがこっちやったほうがいいんじゃねぇの?


「うーん、なかなかいい話無いね」


「うん、まあ仕方ないともいえるけどさ」


俺たちは今、借りている泊屋の一室で会議中だ。


「シルキルさんの方もいいネタはないんでしょ?」


ネタ………。


「ねぇよ、悪いか」


「いえ、そこまで期待もしてないとで構いませんよ」


ケイ、てめぇ!

俺はケイに拳を振り上げそうとしたら真衣に止められた。


「ケイ、シルキルさん。ケンカしないで」


待て、俺は悪くないぞ。


「はーい」


律儀に返事しているケイ、こいつは本当に何なんだ…。


「じゃあさ……方針変えよう」


「どう変えるの?」


真衣が突然言い出したことにケイが乗っかっている。


「魔族の件は本当なのかー、って事を調べてみよう~」


何言ってんだ、こいつ?


「何で、んなこと調べんだ?」


「何となく!」


おい!そんなんに時間割く気かよ、こいつ。


「シルキルさん……諦めましょう」


ケイが諦めた顔つきで俺に言ってくる。まじかよ。


そうして、真衣の言葉によってその日から魔族についても調べることとなった。

なんでだ!



    ----------



真衣の言葉から数日後。

俺たちは今、国の外にいる。

ケイ曰わく、魔族は国の上層部しか知らない事例だと思うから城でも見える位置に居て見張ってようとのこと。


めんどくせぇよ!


「シルキルさん。何か、変わったことはありませんか?」


「あのな、ケイ。これだけ距離が離れてたらよ、人影が見えれば御の字だぞ」


そう、俺たちの居る場所は国から数百メートルは離れた場所だ。

見えるわけがないんだよ。

因みに、真衣は近くで寝てる為、起きているのは俺とケイだけだ。


「せめて、もうちょい近づければいいんだがよ」


当たり前だが警備が厳しく近くにはいられなかった。


「ま、それはそうですけど………ん?」


ケイが何か言った。


「どうした?」


「何か、鳥の影のような物が城に入ったなぁって」


何言ってんだ?


「それなら、鳥じゃねえのか」


俺が思ったことを言うとケイは少し呆れた顔になった。何がだよ。


「シルキルさん。この距離であることを考慮するとあの鳥の影は大きいです。そんな大きい鳥が城に入ったら普通慌てますよ」


あ、なるほどな。


「って待て……それならその影は何だ?」


「……出てきました。追いかけましょう」


「そうだね」


どわっ!

真衣が突然会話に入ってきやがった。


「真衣、シルキルさん。追うよ」


ケイが走り出したので俺と真衣は追走し始めた。


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