表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おまけ勇者の帰世記  作者: 緑光
第二章
8/14

第三話 観光

シルキルSide




特に問題無く、入国した俺たち。


「んで?お前らはここで何するんだ」


この数日間、何度か聞いたが真衣もケイも後で言いますとかいいやがったからな。


「ふーん、案外街自体は普通だね」


「まあ、魔族とかといった事は裏情報みたいなものだしね」


こいつら、全然聞いてねぇ。


「おい、こら!俺を無視するな!」


「あ、すみません。物珍しさで、つい」


ケイが謝ってくるがその言葉は棒読み。

ふざけてんのか?


「ま、情報収集といきますか~」


結局、俺の事は真衣の言葉に流された。


「じゃあ、シルキルさんは裏をお願いするね~」


裏?…………。


「まて、一緒に調べるんじゃねぇのか?」


「いやね、私たちが知りたい事は普通に聞いてるぐらいじゃあまり聞けないかもしれないんだよね。だから、盗賊やってるシルキルさんに表に出ない情報を集めて欲しいな~って」


おい……こいつら、何知りたいんだよ。

っていうか盗賊おれを当たり前にパシるとか常人の神経じゃねぇぞ。


「待て、何調べればいいんだよ」


「あ、異世界人についてです」


俺の質問にはケイが答えた。


「はぁ!?異世界人ってお前ら何でそんなこと知りたいんだ?」


「それは言えませんねぇ~」


「じゃあ、よろしくね-。あっ、夕方ぐらいにここに集合ね。宿は取っとくから安心して調べてきてね~」


俺の質問はさらりと流し、ケイと真衣は歩いていった。


………あいつら、勝手すぎんだろ!




    ----------



ケイSide




「いくら何でも、扱い酷くない?真衣」


シルキルさんと別れた後、僕は真衣に尋ねた。


「え?だって、シルキルさんは一応盗賊だよ、そう簡単に信頼するわけにはいかないでしょ。というか、これ言ったのケイでしょ」


それはそうなんだけどさ~。


カリザスさんに言われて、シルキルさんが僕たちに着いてきた日の夜。僕は真衣に言っていた。


「『シルキルさんが信頼を置ける人かどうか判断出来るまで僕たちの目的は話さないようにしよう』だっけ?だから、私はシルキルさんの扱いを酷くしてその反応をみてたんだよ」


待って、確かにそう言った。でも扱い酷くするかどうかは真衣の判断だよね。僕じゃないよね。


「確かにあのシルキルさんは一応の信用が出来ると思うけどさぁ…………ってどこ行ってんの!?」


僕が愚痴を言っていたら真衣は近くにあった店を見ていた。


「ねぇ、ケイ。この店は小物店だって~、見てみない?」


聞いてないな。


「いや、真衣。小物なんか買ったってどうするのさ」


「それもそうだね……あ、あれは何だろ?」


僕の言葉に一旦納得しかけた真衣だが、すぐに違う店を見る。


「ケイ、ここは変色屋だって~」


変色屋ってなに!?


「何か、髪の毛の色変えることが出来る店みたいだよ。ケイも紫とかにしてみたら?」


髪の毛の色を変えるかぁ。っていうか紫ってなに?


「何で、僕が紫なのさ。っていうかどんな色があるのさ」


「んーと、外から見える範囲だと、赤とか青とか黄色とか色々あるね~」


本当に色々あるね。いや、だから、


「真衣、今それ関係ないから。話戻そう」


僕の言葉に真衣はようやく真面目な顔になり、


「うん、分かってる。知りたい事はシルキルさんに全部任せて私たちは観光でもするんでしょ」


全然違う!


「違うでしょ!異世界人について調べるんでしょ」


「ケイ………初対面の人間にそんなこと聞かれて簡単に答える人なんかいる訳ないんだからさ。まず、相手の心を開かせて警戒心を崩すんだよ。そして、そっから世間話に盛り込みながらナチュラルに聞くほうがあっさりいくはずだよ」


う………真衣にしてはすごい論理的な話をしてくるな。


「だから、私たちは一般の観光客と装っていればいいんだよ」


なるほど………って、それつまり。


「真衣が観光したいだけじゃないの?」


「まあ、そうだね」


認めちゃったよ。


「それにさ、何だかんだこの世界来てからケイと2人きりって何だかんだ初めてなんだよ」


真衣に言われ僕は気づいた。

確かに真衣と2人きりというのはあんまりなかったことに。


「何か、ゴメン……気づけなくて」


「いいよ。だから行こ」


「分かった、上手く相手の警戒を崩して欲しい情報を引き出しながら、観光しよう」


「うん、それで行こ(本当にケイって扱いやすいね)」


ふと、真衣に不本意なことを言われた気がしたが僕は気にしないことにした。


そして、僕と真衣はいろんな人から話を聞いていった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ