第二話 自己紹介
ケイSide
洞窟を出た僕と真衣、それにシルキルさんとやらもしぶしぶだけどちゃんと付いてきてくれた。
「それじゃあ改めて、真衣です。よろしくね~シルキルさんとやら」
「とやらとか付けてんじゃねぇよ!俺はシルキルだぁ!」
シルキルさんとね。因みにこの人は僕より身長高めだけど、下っ端って感じの顔だなぁ。
「お前、何が下っ端みたいな顔だぁ!」
「え、口に出してました?」
「ばっちり出てたよ、ケイ」
うわぁ、口に出てたか。気をつけないと。
うーん、それにしても、この人って。
「シルキルさん、ひょっとしてあなた盗賊さんたちの中でいじられキャラですか?」
僕はふと思ったことを訊いてみた。
「おい………それ本人に訊くことじゃねえからな」
あぁ、なるほど図星か。
僕が1人納得しているとシルキルさんから、
「ってか、お前は誰だ!早く名乗れよ!」
え?あぁ、そういえば名乗ってなかったっけ。
「僕はケイです、よろしくお願いします。シルキルさん」
「あ、あぁ………だよ、初っぱなから変な事訊いてくる変なやつだと思ってたところに普通の挨拶してくんじゃねぇよ」
えぇ、何ですかそれ、酷くないですか。
「それじゃあ、自己紹介も済んだしとっとと行こう~」
僕とシルキルさんの挨拶?が終わったところで真衣が話に参戦してきた。
「「へーい」」
僕とシルキルさんのかけ声が一致した。
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シルキルSide
まったく、何で俺がこんなガキ共の子守りなんてしなくちゃいけないんだよ。
カリザスさんも何考えてんだか。
「シルキルさん~、こっちで道合ってるよね」
「ん?あぁ、合ってる合ってる」
この真衣とかいう少女は俺たち盗賊にも臆面せずに絡んできやがって。
最初は大物かと思ったが、こりゃ何も考えてない線の方が有望だな。
「シルキルさんって何で盗賊やってんですか?儲けとかいいんですか?」
そんでもってこのケイとかいうガキの方が俺には意味分からん。
そもそも、何質問してんだよ。
「別に対した意味はねぇよ。ただ、カリザスさんについていっているだけだ」
「なるほど」
何がなるほどだ。お前も盗賊やる気なのか。
「まあ、どうでもいいんですけど」
じゃあ、何故聞いたんだ!
「真衣、後どれくらいか分かる?」
「数日ぐらいかな、合ってる?シルキルさん」
「ああ、そのくらいだな」
「わかった~」
……………はぁ、早く帰りてぇ。
数日後、俺の思いとは裏腹に俺たちはレカリアに着いた。