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35.これが俺たちの、超次元アトラクション!

どうも、にがトマトです!

クリスマス以来ですな。


モン○ン、楽しい!


それにしても、書くのけっこう時間かかっちゃいました。

これその、あれだよ。

忙しかったんだよ(目逸らし)



 ルークたちは、絶句していた。

 超人揃いのこの面子の度肝抜くのに十分なアトラクション(・・・・・・・)が、そこにはあった。

 製作陣の正気を疑うのに十分な、ジェットコースターが。





 みんな、こ~んにちわ~☆

 あれれ~?

 おかしいな、声が小さいぞ?

 さぁみんなもう一度、こ~んにちわ~☆

 いいよいいよ、君たちの元気の良さは十分に伝わった。

 僕の耳が痛くなる程にね!

 さ~て、そんな良い子には僕が働いている遊園地の、究極のアトラクションを紹介しよう。

 未成年はお断り、心臓が弱い六十歳以上の御老人もお断りのアトラクションさ。

 え? なんでそんなアトラクションを紹介するのかだって?

 それはね、これに乗る人間を出さないためさ!



 地表五千メートルに、最高速度マッハ四という頭のおかしいジェットコースター!

 名前は、ブラック☆サンダー!



 うん、もうどうやって作ったとかそんなこと置いといて、アホだね製作者!

 これは、絶対に乗ってはいけないよ!

 経験者は語るのさ♪

 それでは、当園を堪能してくれたまえ諸君!

 ……え? 陛下から直々に、減給命令を受けたって?

 そ、そんな~。





 という訳で、ルークたちはその件のジェットコースターの前に立っていた。


「いやいや、阿呆なの馬鹿なの馬鹿だろ! なんだよこれ! 高山病、気圧差による変死とか無視ですか!? オールクリアなんですか!?」


 そこのところは、製作陣、というかアンリ・クリエイロウの便利で不思議な魔術によって克服されています、はい。


「リース、『剣』は本当にこのてっぺんにあるのか!?」


 涙目になりながらも、ルークはそう怒鳴るように訊いた。

 それにリースは、鬱陶しいと思いながら頷く。


「間違いなくねぇ。『剣』があるのは、約地表五千メートル。この遊園地に、その高さの物体がある?」

「と、鳥さん!」

「なら現在進行形で移動してるでしょうが、馬鹿」

「ふぬ!?」


 ま、マズイぞ、この流れは。

 このままでは。


「はい、という訳で行ってらっしゃい」

「やっぱりかァ!」

「い、いやだ! こんなの乗りたくない!」

《俺たちに死ねと申すか!》


 視線が完全にロックオンされた三人が、叫んだ。

 その三人とは……いや、最早言うまい。

 言うだけ無粋と言うか、無駄である。


「たぶん大丈夫よ。乗る人間は皆無とはいえ、整備は行き届いてると思うし、アンリの魔術も働いていると思うから、きっと大丈夫」

「その思うしかない言葉に安心できる要素があると思ってんの!?」

「お前が行けよ!」

《そうだそうだ!》


 なんとしてジェットコースターを回避するために、口撃を続ける。

 それにリースは、笑った。


「なーに言ってんの。私、あれよ? 心臓弱いのよ?」

「嘘つけェ! テメェ一日中走り通しても心音変化しねェだろが、アイアンハート!?」

「あはっ☆」

「ごめんなさい!!」


 ルークは土下座した。

 はい、一名様ごあんな~い。


「それにほら、私、か弱い乙女じゃない?」

「ほざけ人類最強! 片手間で俺たちを倒せるやつを人間とよばねェ! 人はそれをゴリ「あはっ☆」

「喜んで乗らせていただきます!」


 レドルノフも土下座をした。

 一名様、追加でございま~す。


《俺は乗らねェぞ!? 六十歳以上は乗っちゃいけないんだろ? 俺はこれでも、兆単位で生きてきたんだからな!!》

「あぁん?」

《俺だけ扱いひどくない!?》


 はい、ルシファーも追加されました。

 合計三名様、ごあんな~い♪





 なんだかお馴染みになりつつある三人組は、ブラック☆サンダーに乗った。


《怖くない。怖くないぞォ》

「大丈夫? 手ェ握る?」

《触るな筋線維百%》

「殺すぞ天然堕天使」

「《あァん!?》」


 あァ、最悪だ。

 なにが悲しくて筋肉達磨とビジュアル系堕天使と一緒に、殺人ジェットコースターに乗らねばならんのだ。

 ルークはため息をついた。

 それにレドルノフとルシファーは文句を言おうとする。

 刹那。



 ギュオッッッッッッッッッッッッッ!!!!!! と。

 またもや遊具にあるまじき轟音とともに、ジェットコースターは出発した。

 その初速は、既に音速を超えていた。



「うげぇ!?」

「げふっ!?」

《うしお!?》


 蛙が潰れたような声をあげて、座席に背中を叩きつけられた。

 ジェットコースターは坂を上がりながら、速度も上げていく。

 ……なんで?

 坂あがるときは速度落ちるでしょ? アホなの?


「ぶぶぶぶ」

「あばばば」

《びびびび》


 空気によって歯茎が露になる三人。

 うむ、歯周病は見られない綺麗な歯茎だ。


「おびょー!?」

「うふぇー!?」

《ひひゃ―!?》


 頂上付近に到達すると、ジェットコースターは速度を落とした。

 今は、どこにでもある普通のジェットコースターと変わらない速さとなっている。

 まぁ、高さがとんでもないことになっているのだが。

 五千メートルって凄いねー、人の姿なんて見えないよ。


「ルシファー、わかってるな?」

《おう、わかってるよ。この一回で成功させる。二度も乗りたくないしな、こんなの》


 彼らの作戦は、こうだ。

 ルシファーの『神の命令』でシートベルトを外し、頂上にある『剣』を回収する。

 その後、シートベルトを元に戻して、この殺人ジェットコースターを楽し、楽し、楽しめるかボケェ!!

 ルシファーも同じことを思っているのか、涙目でヤケクソ気味に叫ぶ。


《うわーん、こんなことならあの時慢心捨てりゃよかった!! 解除!!!!!!》


 刹那、三人のシートベルトが外れた。

 一秒にも満たない刹那の間に、彼らは周囲を確認して、件の『剣』の玉が三つある(・・・・)こに気づいた。


「「《なんで!!!???》」」


 どうせ本物がこのうち一つで、他二つは偽物ってパターンなのだろう。


「「《性格悪いなクソ!!》」」


 しかし慌てることなく相談もなく、アイコンタクトだけでそれぞれがどの『玉』を回収するかを決め、素晴らしい体捌きで『玉』を素早く回収した。

 ジェットコースターは降下するのは、後三秒ほどあるようだ。

 三人は悪ふざけで、ムーンウォークで席につく。

 ゆとりがあるって、すんばらしい!


「さァ、ルシファー! シートベルトを戻してくれぃ!」

《アイアイサー!! 施錠!!》



 ガシャン!! と。

 ルークのシートベルトだけ引っかかったような音だけを発して、動かなかった。



「《……………………》」


 きちんとシートベルトがかかったレドルノフとルシファーは、無言でルークを見た。

 ルークは藁にもすがる想いで、二人を見る。


「た、助け」

「《arrive(さよ)derci(ならだ)》」


 ルークの中で、なにかが壊れた。


「ひゃははは!! 演出ごくろォ!! 華々しく散ってやるから、よォく見てろよ愚民ども!!」

「《ル、ルークが壊れたァ!!!???》」


 ジェットコースターは、降下を始めた。

 その初速は、マッハ二。

 すぐさまルークは、宙に放り出される。



 はずだった。



「おォおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」


 ルークは、レドルノフとルシファーの髪を、鷲掴みした。


「《あだだだだだだだだ、テメェ華々しく散るんじゃなかったのか!?》」

「だ、(ずげ)げで、デメェらごの野郎ォ!!」

「《とっとと落ちろこの野郎!!》」


 二人は無理矢理ルークを引き剥がした。

 そのせいで、掴まれた髪の毛は文字通り根こそぎさよならーん☆


「《いってェェェえええええええええええええええええええええええ!!!???》」


 二人の頭に、見事なミステリーサークルが現れる。

 そして、ルークは。



「ぎゃァァァああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!???」



 高度五千メートルから、地上に落ちていったのだった。





 頭に見事なミステリーサークルを作ったレドルノフとルシファーは、とぼとぼ歩きながらリースの下にたどり着いた。

 あのジェットコースター、ヤバすぎる。

 マッハ五の速度で動くから風がヤバかったし、この身にかかったGも、とてつもないことになった。

 いやね、顔の脂肪が下に垂れてね、ていうか垂れすぎて、もげるかと思ったわボケが!!


「《……………………あ》」



 そして彼らは、ボロボロになったルークの姿を目撃した。



「《テメェ生きてやがったか!!》」

「そこは生存を喜べよ!」


 出会うなり、三人は喧嘩始めた。

 片や見捨てられた者にして、片や髪を毛根ごと持っていかれた者たちの喧嘩である。

 互いに何発か殴り合って幾分か気が晴れたのか、レドルノフは疑問を口にする。


「お前、よく生きてたな。もう駄目だと思ってたんだが」

「死にかけたよ! 軽功と硬功の重ね掛けと、パンちゃんの封印能力で衝撃を可能な限り封印することで、なんとか生き延びたんだよ!!」

「まぁ、私なら五千メートルから落ちても大丈夫だけどね~」


 ルシファーから『剣』を受け取った、リースがそんなことを言った。

 どうやら、ルシファーの『玉』が本物だったらしい。

 落ちた挙句に、掴まされたのが偽物だとか、不幸だ……

 まさか契約の代償として奪われた『幸運』が、ここまでデカいものだとは想像だにしていなかった。

 音速コーヒーカップにくの字に体を折り曲げられたり、自分だけシートベルトが降りず、地表五千メートルから地上へと放り投げられるわ、あれ、涙で前が見えない……


「リース、俺は即刻、この遊園地を閉演することを進言する!」

「そうだそうだ、ここ危なすぎるだろ!!」

《怪我人出たらどうするつもりなんだ!!》


 この遊園地で、最もひどい目に遭った三人がそう抗議した。

 リースはそれらを。



「あは☆」

「「《出過ぎた真似をして申し訳ありませんでした》」」



 笑顔で封殺した。

 そして、太もものホルスターからナイフを取り出し、くるくる手の中で弄ぶ。


「この遊園地、うちの予算確保の収入源の一つなんだけど、それをわかった上で言ってるのかしら?」

「クソ、この国専王制なのに、なんでこんなに予算カツカツなんだ!」

「泣いてもいいよな、これ!?」

《もうお家に帰りたいよ、パパーーー!!》



 三人の慟哭が木霊する。

 こうして彼らは、現世にある『剣』の玉をすべて回収したのであった。

たったこれだけの字数書くのに、かなり時間かかっちゃいました。

やっぱコメディ苦手です。

早くシリアスならないかな~(オイ作者)


番外編がそろそろシリアスだから、そちらで癒されて参ります。

傷心中の、にがトマト、推して参る!

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