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32.禿げがくる

すみません、二十日ぶりです。

ほんと、最近調子が出ないんですよ。

最近というか、アーミーズ本編、書きにくいというか、なんというか。


すみません、とでもいうと思ったか!

ヒャッハーーーーーーーーーー!!

……すんません、調子のりました。

 アンリは招集をかけた。

 それの対象は、もちろんリースとケイトである。

 そしてアンリは彼らに、ルシファーの『お願い事』を説明し終えた。


「ふーん、成程ね。あの時(・・・)、逃げ切れたのは、そういう理由だったの」

「…………」


 リースはそんなことを言って、ケイトは沈黙した。

 ルシファーは首を傾げている。


「アンリ、行くメンバーはもう決めてあるの?」

「ルークとレドルノフは確定だ。で、俺たちの中から一人選ぶ」

「わかった。それと、私が出しておいた課題はもう解いたの?」


 アンリは、そっと目を逸らした。

 リースにとってそれは、答えと同義である。

 彼女は笑いながら、アンリの首を掴み、持ち上げた。


「じ、絞まっでる……まだ絞まっでるがら……」

「あんた、いつになったら国の舵取りができるようになるのかしら?」

「ごれでも、頑張っでるんでず」

「私の仕事少しは減らしてくれませんかねぇ?」


 この国は、絶対王政を敷いている。

 だがその実、アンリは政治にほとんど関わっていないのだ。

 こいつ王様なのにね。



 では、誰が政界を牛耳っているのか?



 もちろん皆さんお察しの通り、万能超人ことリース・アフェイシャンです。

 諜報はもちろんのこと、内政や外政まで牛耳っているのだ。

 部下はもちろん使っているが、ほとんどがサポートで終わる。

 つまりは、実質独りで国を回していることになる。

 ……リースいなかったら、この国破綻するんじゃね?


「リース、お前は是が非でも行くつもりなんだろ?」

「当然。今回は譲る気はないわよ? あんたら二人をここで気絶させてでも、私が行く」

「安心しろ。俺は行くつもりはねェ。俺もあの人には世話になったが、資格者を押しのけてまで行こうとは思わねェからな」


 ケイト、アンリを助けてやろうとは思わないのか?

 俺? ははは、無理無理。

 リースに勝てる訳ないじゃん。


「わかった。それじゃ、私はこれからラルとミラにしばらく家を空けることを言ってくる」

「おう」


 アンリの首を、ぱっと離してから、リースは踵を返して事務室を後にする。

 アンリは受け身もとれず、頭から落ちて気を失った。

 ルークとレドルノフは、そんな彼を憐れむような目で見る、のではなく。



((はッ、ざまァ!!!!!))



 と言った感じに嘲笑していた。





 とある森の中にある小屋。

 いつもは静寂が支配しているそんな場所にて。



 カン!! コン!! カン!! コン!! と。

 そんな音が撒き散らされていた。



 その音源は、中年の男であった。

 毛根が絶滅しているかわりといわんばかりの手入れが全くされていない豊かな髭を蓄えている。

 そして、男の最大の特徴である、一つ目(・・・)に涙をためて鎚を振るっていた。

 男こと、サイクロプスは泣いていた。

 なにせ。


《締切五分前と見た!!!!!!》


 アンリに課せられた制限時間が目前に迫っていたのだから。

 しかし彼に、諦めるという優しい選択肢は用意されていない。





 アンリは目を覚ました。

 そんな彼は、半眼でリースを見ていた。

 正確には、彼女の後ろにいるシュス、ミラ、ラルも含めて。


「リース、その三人も行くのか?」

「ついてくるって言って、聞かないのよ」

「躾ちゃんとしろよ、お母さ」

「アンリ、黙るのと黙らされるの、どっちがいい?」

「心の底からごめんなさい」


 立場が弱い男である。

 そんな彼を見かねたケイトが、ため息をついてから口を開く。


「アンリ、サイクロプスを呼んだらどうだ?」

「それもそうだな」


 アンリは虚空へと目を向ける。

 そして彼は、呪文を紡ぐ。


「間を繋ぎ、空を埋める。新たな境をここに」


 ぐにゃり、と。

 空間が歪み、口を開き、執務室ととある小屋の部屋の空間がつながった。

 そして。



《おらァァァあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!》

「ごふぁ!?」



 アンリが殴り飛ばされた。


「「「「「「「…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………」」」」」」


 全員、沈黙してしまった。

 アンリを殴り飛ばしたのは、中年の男であった。

 見事な禿げ頭に、生え放題の無精髭。

 そしてそいつには、目が一つしかついていない。

 こいつが、サイクロプスなんだろう。


「サイクロプス、良い一撃だったぜ!」

《サンキュー、黒髪のあんちゃん!》

「……てめぇら減給な」

「《ぎゃァァァああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!???》」


 …………ん?

 どうしてこんな異形の怪物に物怖じせず話しかけられたかって?

 はっはっは、なにを今さら。

 こちとら腹ん中に異形の両生類と幼女を飼ってるんじゃ。

 そして隣には、幽霊と山姥……き、貴様ら、なにをする!? ぐぼァ!!


「てか、サイクロプス、てっめ、いきなり殴るとはどういう了見だ!?」

《うるせぇ!! てめぇ、一時間後に空間繋ぐとか言っときながら、五時間だったじゃねぇか!!》


 それは、アンリが気絶していたせいだろう。

 しかし、サイクロプスはそれを知らない。

 ていうか、知ったとしても溜飲を下すことはないだろう。

 俺だったら許さないね。

 そんな彼らを見かねたルシファーが、仲裁に入る。

 あいつ、そういやいたな。


《まぁまぁ、サイクロプス。ンなカリカリすんなって。そんなんじゃ禿げ……すまん、なんでもない》

《これは禿げてんじゃねェ! スキンヘッドっつぅファッションだ!!》

《禿げてるやつは皆……すまん、忘れてくれ》

《お前言葉濁すつもりねェだろォ!?》


 サイクロプス、登場して早々喚き散らす。

 うるさい。

 アンリはため息をついてから、彼へと訊く。


「それで、サイクロプス。頼んだものは完成したのか?」

《当たり前だ。俺を誰だと思ってる》

「禿げた一つ目巨人…………すまん、記憶から消しておいてくれ」

《お前たち、やっぱり兄弟だな!?》


 その言葉にルシファーは誇らしそうに胸を張り、アンリは嫌そうな顔をした。

 そんな彼らに一切配慮することなく、サイクロプスはおもむろに腕時計を取り出す。


《こいつがレーダーだ。使い方は》

《閃け、俺の呪椀!!》


 刹那、ルシファーはサイクロプスから腕時計を奪い取った。

 ……突っ込みどころが多すぎて、なにを言えばいいのやら。


《……あァ、うん。使い方説明しようかと思ったけど、いいや。俺はもう用無しだろ?》


 その言葉に、ルシファーはぎょっとする。


《サイクロプス、ごめん! 説明お願いします! つい舞い上がっちゃったんです!! 怒らないで帰らないで!!》

《残念だったな。お前がチュートリアルをできない理由は、たった一つ》

《怒っちゃいやよ、サイクロプスちゃん!!》


 サイクロプスは始終彼の言葉を無視し、笑顔でこう言った。



《俺はお前が嫌いなんだ》

《もっと根本的な問題だった!!》



 好き嫌いはどうしようもない。

 サイクロプスは親指を立てて。


さよならーん(adieu)☆》


 空間の歪へと消えてしまった。

 サイクロプスがくぐるのと同時に、歪は跡形もなく消えてしまう。


《ノォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!》


 ルシファーは心の底からそう叫んだ。

 せっかくの道具も、使えなければ意味がない。



 ……と、思っていた時期がありました。



《とでも思ったか馬鹿め!! 俺の親父から授かった力をナメるなよ!? 俺が取扱説明書って言えばな、あら不思議! 不思議不思議!! 不思議の不思議!? あっという間に、取扱説明書が、現れるゥのだ!!》


 まさか『原神』も、そんな力の使い方をされるとは思いも見なかっただろう。


《取扱説明書ォ!!》


 刹那、ルシファーの手元に一枚の紙が出現した。

 彼はそれを掴み、目を通し始める。

 そして。



《うん、説明内容難しすぎてわかんね》



 白旗をあげた。

 やはりこいつ、馬鹿である。

 そんなルシファーを見かねて、リースが歩み寄る。


「その説明書貸して。私が読むから」

《残念、お前じゃ読めないよ。これ、天使語(・・・)だから》

「大丈夫、しょっちゅう読んでる(・・・・・・・・・・)から」

《…………あ?》


 ルシファーが怪訝そうな声をあげた。

 そんな彼に構うことなく、リースは説明書をひったくる。

 滞りなく眼を動かしている彼女を見て、ルシファーは目を見開く。


《なぁ、アンリちゃん。どうしてこいつ、天使語読めるの?》

「仕事手伝ってるから」

《?》


 やはり、わからないと言わんばかりの顔をする。

 そんな彼を置いてけぼりにして、レドルノフがアンリへと訊く。


「それで、アンリ。まずはどこから探すんだ?」

「そうだなぁ。まずは、時間がかかりそうな人間界に行け。天界の方は、すぐ終わるだろうし」

「なんでだ? お前ら、革命ん時に『四天使』とドンパチやらかしたんだろ? 仲、悪いんじゃないのか?」


 レドルノフの問いに、アンリはあくびを噛み殺しながら答える。

 ……てめぇだけ眠いと思うなよ。


「和解したんだよ、和解。俺たちゃ、王座とミカエルの命にしか興味なかったからな。あのクソ野郎ぶっ殺したから、和解して天界に帰ってもらったよ」

「ミカエル、ていうか、『天使長』を殺されたのに、天使たちはあっさり引き下がったのか?」

「悪魔みたいな感じで、蘇生の術はあるらしいからな。俺たち人間とは、命の重みが違う」

《いやいや、アンリちゃん。お前半分は神ィ!?》


 発言の途中で、アンリが槍をルシファーへと飛ばしたのだ。

 うん、あれは当たったら風穴だな。


《あ、危ねェな!》

「俺は人間だよ。半神半人だとしても、在り様は人間だからな」

《言いたいこと! わかったから! 武器飛ばしてくるの! やめて!》


 武器を必死に避けるルシファーは、なんだかすごく、滑稽であった。 

考えてみたら、番外編である革命編見ない方だっているんだよね、と思った自分。

ということは、ネタバレとか、気にしなくていいんじゃね?

やった、これで勝つる!!



不調スランプが治るとは言ってない。

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