31.堕天使のお願い
みなさん、お久しぶりです。
まじ、すんません。
投稿遅れてすんません。
スランプってのもあったんですが、弟の宿題手伝ってたら遅れちゃいました。
お金もらってたから、手抜けないんですよ。
全力で読書感想文と税の作文書いてたんですよ。
すんませんした。
どうぞ。
リグレット王国王城のとある一室、というかアンリの執務室で。
死体が二つ現れた!!
「「いやまだ死んでねェェェえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!」」
死体こと、ルーク・パラシアとレドルノフ・フレラは魂の叫び声をあげた。
そのまま魂も口から抜けたら面白いことになるだろう。
「おいおい、泣くな喚くな叫ぶな。無駄な体力使ってる暇があったら、一枚でも多くの書類を片付けろ」
「「うるせぇ、このクソ暴君!」」
二人は、元凶であるアンリにそう叫び返した。
そのアンリは、くるくるとペンを回しながら片目をつぶりながら答える。
片目をつぶっているのはカッコつけのためなどではなく、半分寝ることで少しでも睡眠時間を削ろうという試みかららしい。
イルカかよ。
「お前らは、俺に給料もらってる。俺に養ってもらっている。だから、仕事をしなければならない。なのになぜ怒る」
「「テメェがブラックすぎるからだ、クソ野郎!!」」
ブラック企業でも、こんなにひどい労働を課すことはないだろう。
だって、今日で徹夜二十日目なんだぜ?
もうここは、ブラック企業ではなく、デス企業だ!
「はぁ」
アンリはため息をついた。
心の底から、人を馬鹿にしたようなため息だった。
「お前ら、ここをどこだと思ってる」
「……?」
「執務室だろ?」
「はぁ……」
またため息をつきやがった。
「ここは、リグレット王国だ。完全実力主義のお国柄だ。つまり……」
「「つまり?」」
刹那、アンリの背後から無数の武器が出現した。
「要求通したかったら、俺をぶっ倒してみやがれェ!」
その発想は王様として終わっているとしか言いようがなかった。
「「上等だこのクソ暴君!」」
そして、上司も上司なら部下も部下である。
けっこうマジな殺気を振り撒く三人。
まさに、一触即発である。
そんな時に。
ドーン!! と。
執務室のドアが蹴り破られた。
刹那。
「弧月斬」
「空掌」
「武器の雨だおらー」
斬撃が、衝撃波が、あらゆる武器がドアを開けたものへと殺到した。
仕方ないよ。
ここには、王様がいるのだ。
そんな部屋に荒々しい方法で入室したら、攻撃されるのは当然なのだ。
三人にストレスが溜まっていることとは、関係ないのだ。
《ぎゃァァァあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!???》
来訪者こと、ルシファーは攻撃を一身に受けて天へと召されるのであった。
☆
《ひどいじゃないか、いきなり攻撃してくるなんて》
ぷりぷり怒りながら、文句を垂れているのは、ルシファーである。
彼は一度死に、ベーやんことベルゼブブに蘇生してもらったのである。
《俺が一体なにをした!?》
「不法侵入、暴行、不敬、人の手を煩わせ過ぎ」
《最後のも罪にカウントされるの!?》
ルシファーはアンリの腕を掴んだ。
《そう言うなよー、俺たち兄弟だろー》
「ええい、離れろ鬱陶しい! ただ血縁者ってだけだろうが」
突然のカミングアウトだが、アンリはいわゆる『神の子』らしい。
アンリが『魔術』を使うことができるのは、まさしくそれが理由だ。
彼の母親は人間なのだが、父親はあの『原神』なのだそうだ。
パンちゃんが言っていた、あの全知全能の神。
アンリは、『原神』から無限に近い魔力を与えられており、そのおかげで魔術をどれだけ使っても死ぬことがない。
ルシファーの、言葉にしたことが現実になるという能力も、『原神』に与えられたものらしい。
「それで、ルシファー、一体のなんの用だ?」
ルシファーは失恋をしたため、傷心を癒す旅に出ていたのだ。
相手は、ミラである。
あの性別詐欺にひっかかったために、彼は心に大きな傷を負ってしまったのだ。
因みに、ミラはそんなことは全く知らない。
知ったら、暴れ出すかショックを受けて引き籠るをしそうだからである。
全くもって、めんどくさい。
《そうそう、俺はお前たちに頼みがあってきたんだ!》
「頼みねぇ……」
こいつは臭う。
めんどくさい臭いがプンプンするぜ。
ここはサクッと、お断りするのが最善だ。
だってこれ、実際に現場行くの、俺たちなんだから。
「アンリ、ここはお断り」
「減給」
「ワン!」
おのれェェェええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!
《俺の頼みってのは、他でもない》
「ミラ関連だったらお断りだぞ?」
《違ェよ!? そっちじゃねェよ!?》
「じゃあなんだよ」
アンリはイライラしているようだ。
これは、仕事中だからではない。
仕事ができないから、イライラしているのだ。
末期である。
《頼みってのは、他でもない。俺の力を取り戻す手伝いをしてほしいんだ》
「なんで?」
《なんで!?》
まさかの切返しであった。
返答が是非ではなく、まさかの『なんで?』である。
ルシファーは素っ頓狂な声をあげてしまった。
「いやねぇ、俺にメリットないじゃん?」
こいつ、その手伝いは俺たちにやらせるくせに、俺にメリットとか言いやがった。
そこはせめて『俺たち』って言えよ。
《メリット? 安心しろよ、これはギブ&テイクだ》
「いや、それ当たり前」
《これお願いであって取引じゃないのよォおおおおおお!!》
「触るな駄天使」
《誰が駄天使だ!?》
詰め寄って肩を掴もうとしたルシファーを、背後から出現させた鎚で押し戻す。
あいつ、器用だなぁ。
「はい、今からカウントダウン始めまーす。それまでに俺の心を動かすように」
《は? え、ちょ、ま》
「十…………九…………」
《しかも十秒かよ!? マジで? え、マジで!?》
「七…………六五四参二」
《俺の力が戻ればそちらの戦力増強になる!!》
「…………ほう?」
ルシファーはなんとかアンリの、数える途中でカウントダウンの速度UPをキリン蹴ることができた、チッ、おっと失礼なんでもない。
「その話、詳しく」
キャッチセールスに捕まった奥様かよ。
《そもそも、『悪魔』の力が三割しか発揮できない理由を、お前たちは知ってるか?》
「さぁ? アンリから聞いてないしな」
アンリの顔がひきつった。
しかし、三人はそのことに気づかないまま、会話を続ける。
《それはな、俺がヘマして力封印されちゃったからだ!! なにせ俺は『魔王』! 『悪魔』たちに対する影響力は凄いから、他のみんなも弱体化しちゃったのさ!!》
「「御独りで解印頑張ってください馬鹿野郎」」
《ノォォォォン!!!???》
ルシファーはショックを受け、その場に崩れ落ちた。
あーあ、可哀想に、とは誰も思わない。
《頼むよォ、アンリちゃ~ん、十年かけて探しても、まだ全部見つからないんだよ~》
「あー、わかったよクソ。だがその前に、一つ訊かせてくれ」
あれ!? これ、手伝ってあげちゃう流れッ!?
「お前、十年前に助けた人間のこと、覚えてるか?」
《? 俺、誰か助けたっけ? 俺はただ、漢気溢れるやつがいたから、そいつのやりたいこと継いで、結果ドジ踏んだだけだ》
「そうかよ」
この流れは、マズい。
ここは気配を断ち、部屋を脱出しないと、ものすごーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーく、面倒なことになる。
「「…………………………(←そろーりと脱出しようとしている)」」
「減給」
「「クソォォォおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」」
ですよね! 気配が突然断たれて、こいつが気づかないはずがありませんもんね!!
「そんな訳だ、ルシファーの力を取り戻してやれ」
「いや、なんかお前が恩あるんだろ!?」
「お前がやれよ! それが義理人情だろうが!」
二人の叫びに、アンリはため息をついた。
わかってない、といわんばかりだ。
「あのなぁ、俺は王だぞ? 王様が、そんな危なそうなことに首突っ込んじゃ駄目だろ」
「「部下を突っ込ませるのはOKなのか!?」」
「めんどくさい……じゃなくて、俺はほら、この書類を片付けなきゃいけないし」
「「人命最優先でしょうが!」」
アンリは、今度は不思議そうに首を傾げた。
「俺にとって、社畜の命は俺が受けた恩より軽いんだぞ?」
「こいつヤベェ!! 前から思ってたけどヤベェ!!」
「さらっと仲間を社畜呼ばわりしやがった!!」
「あ、リースには秘密な? たぶん、殺されるから」
「「リィィィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイス!!!!!! 今すぐ来てくれェ!!」」
そう絶叫して部屋から逃げ出そうとした二人は、突然現れた漆黒の鎖に雁字搦めにされる。
それを憐みの目で見ながらルシファーは、アンリへと訊く。
《それで、具体的にはどうやって集めるつもりだ? この国に散らばってるらしいが、まさか歩いて探すとか言わないよな?》
「まさか。サイクロプスにレーダーを作ってもらう」
《え? そんなもの作れるの?》
「いや、違う。作らせるんだ」
そう言ってアンリは、引き出しから電話を取り出した。
そして手早く番号を入力し、電話をかける。
《スピーカー》
刹那、電話の音が大きくなった。
ルシファーが気を効かせてくれたらしい。
そして丁度、アンリがかけていた相手も出た。
「おーす、注文するぞー」
『第一声がそれかてめぇ』
声からして、相手は中年のおっさんらしい。
そしてその声の主が、怒っていることも。
「えーと、なにをだっけ?」
『あァ!?』
うわー、最悪だ。
アポなし注文の上に、なにを注文しようとしたのか忘れるとか。
アンリはルシファーへと向き直る。
「なぁ、お前の力って、なにに封印されてんだ?」
《『大天使の剣』っていう武器だ。それを十等分にされて、人間界、天界、地獄にばら撒かれた》
「と、言う訳で、それ探すレーダー作って」
『相変わらずの無茶ぶりだな!?』
誰かは知らないけど、可哀想だ。
相変わらずってことは、幾度も無茶ぶり要求されてきたんだろうなぁ。
俺たちと一緒で。
「どれくらいかかる?」
『………………………………一日くれ』
「わかった、一時間な」
『おい!? 一日って、二十四時間なんだぞ!? 頭大丈夫か!?』
「はっはっは、お前さ、短縮されるのわかってたから、量増ししてるだろ?」
『……………………』
押し黙ってしまった。
どうやら図星らしい。
「それじゃ、一時間後に『門』開けるから、よろしく~」
『クソッタレがァァァああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!』
そこで、電話は切られた。
相手さんではなく、アンリが切った。
こいつ、いつか地獄に堕ちるんじゃないだろうか。
「さて、ルークとレドルノフは確定だとして、他は誰がいいかな」
「「くたばりやがれ、クソ暴君」」
「五十%カット」
「「やめて!」」
アンリはルシファーへと向き直る。
「なぁ、目的のものは全部で十個。その内、何個回収してる?」
《地獄にあるのは、全部集めたよ。人間界と天界は一個も集めてない》
「天界もさくっと集めとけよ」
《俺に死ねと? あそこ、天使しかいないんだから、俺リンチされるのが関の山でしょうが》
「リンチで済めばいいがな」
《……おい、やめろよ》
ルシファーの顔は、本気で嫌そうだった。
そりゃまぁ、マゾでもなければ痛いのは誰だって嫌だろう。
アンリは、現在雁字搦めにしているルークとレドルノフを見る。
二人の顔は、行きたくないと書いてある。
それに彼はため息をついてから、口を開く。
「仕方ねェな。これを成功させたら、ボーナスやるよ」
バギン!!!!!! と。
ルークとレドルノフは漆黒の鎖を引きちぎり、膝をついた。
「「仰せのままに、我が主よ」」
よし、やる気が出た。
良いことだ。
だが。
「テメェらよくも俺の大事な『罪の鎖』壊しやがったなァァァあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」
「「ぎゃァァァああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」」
アンリは涙目になって、武器を雨霰のように投げつけた。
本編再開して早々なんですが、これまた休みにしようかなって考えてます。
だって、やりにくいんですもん。
革命編のネタバレがー、いやー。
だから今、本気で悩んでます。
では、また次回。




