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万国神物語  作者: 分福茶釜
神様集会編
9/10

花の都での最後のひと時

アマテラスが帰ってきます。

しばらくして集会はお開きになり、アマテラスはウェヌスや、ラー・アトゥムに別れを告げると会場を後にした。

ただ、集会が終わってもしばらくラー・アトゥムにくっつかれたままだったり、不機嫌な天帝に見つかってしまったりと、そう簡単に会場を抜け出せたわけではないが・・・


「・・・・・・・・・・・・・」


「大丈夫でございますかアマテラス様?」


現在、アマテラスが泊っているホテルに向かっているタクシーの車内である。

最初から最後まで、ほぼ気の休まる時が無かったアマテラスは死んだように眠っている。

しばらくすると、ホテルの前にタクシーが到着する。


「アマテラス様?つきましたよ。」


眠っているアマテラスに声をかけるが小さな寝息を立てて寝ているアマテラスは一向に起きる気配が無い。

そこで青年はさっきよりも大きい声でなおかつ耳元でアマテラスを起こす。


「アマテラス様!!!」


「・・・ひゃい!!・・・」


それによって、アマテラスはビックリして飛び起きるがその拍子にゴチンと頭を天井にぶつける。


「・・・・痛い・・・・」


その様子に呆れた顔をする青年。


「何をやってるんですか、さあ到着いたしましたよ。早く下りてください。」


「・・・・・・はあい」


いまだに寝ぼけた様子のアマテラスは、ふらふらと車を降りる。

美人であるという言葉がしっくりくるその容姿からは考えにくいが、アマテラスはこういう所はかなり子供っぽい。もしウェヌスがいたら「かわいい!!」とか言ってこねくり回したかもしれない。

そんなギャップに少々驚きながら青年は、少しふざけて小さい子供をあやすような声色でアマテラスに言葉をかける。


「ほらほら、大丈夫ですか?一人で歩けますか?」


「・・・ん、だいじょぶ・・・・・」


しかしそんなことには一向に気付いた様子のないアマテラスは目をこすりながらふらふらと青年についてくる。


アマテラスを部屋まで送り、青年は明日の予定をアマテラスに伝えるとホテルを後にする。さっきの様子だとほんとに聞いているのか不安になるが、まあ明日の朝、改めて伝えればよいだろうと、青年は苦笑いしながら集会の片づけをするためにあのビルへと戻って行く。



一方アマテラスは部屋につくと、そのままふらふらっと部屋のベットに近づいてどさっと倒れこむ。そしてアマテラスは朝まで眠りこけることになった・・・・




***











次の日の朝、けたたましくなる電話でアマテラスは目を覚ました。

アマテラスは、大きな伸びをすると電話に出る。


「もしもし?」


「あ、アマテラス様でございますか?私です。案内役の者です。」


電話をかけてきた主は案内の青年であった。


「どうしたんですか?」


「いえ、昨日お話した予定ですが覚えていらっしゃいますでしょうか?」


アマテラスは思い出そうとするが、全く出てこない。

と言うか予定などいつ聞かされたのかもあいまいだ。昨日の夜だっただろうか。


「す、すみません。覚えてないです。・・・」


そう答えるアマテラスにやっぱりと言う感じで青年は予定を伝え始める。

今日はアマテラスが日本に帰る日なのである。

別にホームシックになったわけではないがアマテラスは何となく帰れることにホッとしている。


「それでは時間になったらお迎えに上がりますので、それまで自由にしていてください。」


「はい、分かりました。」


そう答えると、電話が切れる。

アマテラスは少し空いた時間、何をしようかと思案する。

しかし、特に思いつかなかったので集会の前に歩いたフランスのパリの街並みをもう一度見ることにした。





アマテラスには何度見てもこの街の様子は面白い。

町の様子を見ていてアマテラスはやっぱり来てよかったと思えた。

終わり良ければ全て良し。と言うわけではないが、町の様子を見ていたアマテラスにはそう思えた。


・・・・・・・・




しばらく街を散策して、約束の時間になる。

アマテラスがホテルに戻ると、すでに青年はホテルの前で待っていた。


「アマテラス様、忘れ物などはございませんか?」


「はい大丈夫ですよ。」


アマテラスは自分の持ち物をざっと確認して答える。

すでに用意されていたタクシーに乗り込み、空港へ向かう。


「アマテラス様、こちらがチケットになります。」


タクシーの中で、青年からチケットをもらい、どの飛行機に乗るかの説明を受ける。

その間にタクシーは、すいすいと道を進み、空港まで到着した。



「今回は集会にお越しいただき本当にありがとうございました。どうぞお気おつけてお帰りください。」


「いえ、こちらこそお世話になりっぱなしで・・・本当にありがとうございました。」


「また機会があればぜひ参加してくださいね。」


あはは、とアマテラスは苦笑いする。アマテラスはもう一度青年にお礼を言って、別れの言葉を言うと、青年に手を振りながら空港へと入って行った。




***










ここは、とある神様の御屋敷。


「いやー、にしても楽しみだなあ、アマテラスはどんな土産話を持ってきてくれんのかなあ・・・」


漫画を読みながら、ふとその屋敷の主がつぶやく。


「何を言っているのですか?高皇産霊様?」


すると、近くにいるカラスが彼に聞き返す。


「いや何って今日はアマテラスが帰ってくる日だろ?まあ夜遅くだろうから、話しを聞けるのは明日かなあ・・・」


タカミムスビと呼ばれた神は、そう答えると、自分の前にあるコーヒーを飲みながらペラリと漫画のページをめくる。


「え?何をおっしゃっているんですか!?」


タカミムスビと呼ばれた神は、その端麗な顔を歪ませて、びっくりとした様子のカラスを睨みつける。


「何が言いたいんだ?」


するとカラスは、慌てて伝える。


「高皇産霊様!!知らないのですか!!昨日から高天原と、下界をつなぐ天の浮橋は修理中なのですぞ!!それを天照様に伝えて集会に行かせたのではないのですか!!」




少しの間があって、タカミムスビは答えた。









「・・・・マジで?・・・・」




















どうなるんでしょう・・・・?

とりあえず集会編は終了です。

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