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万国神物語  作者: 分福茶釜
神様集会編
8/10

集会という名のパーティー

前回出てきた【気】については作者の創作ですから、あんまり突っ込まないでおくんなまし。


一目散に天帝の部屋から出てきたアマテラスは、ほっと息をついた。

何がともあれこれで終わりだ。やりきった感満載でアマテラスは廊下を歩く。

部屋を出て、すぐに廊下の角を曲がると、部屋に入る前と同じ状態でラー・アトゥムがしゃがんでいる。


「あ、終わりましたよ。集会の会場行きましょう。」


そうアマテラスが声をかければ、ラー・アトゥムは、こくりと頷いてアマテラスの後を黙ってついてくる。

日本語は分からないらしいがなぜかアマテラスとは意思の疎通ができている・・・・



しばらく歩くとアマテラス達は、集会の会場に到着した。

とりあえず、全員呼びに行ったことを幹部に伝えようと思っていると偶然しばらく前に会った幹部を見つける。


・・・・たしかあれは・・・・アッラーとかいう神様でしたっけ?・・・・

あやふやな記憶だがアマテラスはとりあえず声をかける。


「あ、あの!!他の幹部の方全員お呼びしてきましたよ、ア、アッラー様。」


しかしその神は全く反応しない。

やっぱり名前が・・・・違うのだろうか・・・・

アマテラスは考え込む。


「おお、アッラーこんなところにいたのかね。」


アマテラスが考えていると、もう一人、幹部のゼウスがその神に声をかける。

・・・・あれ?アッラー?やっぱりアッラー?・・・・

アマテラスはますます混乱するが、声をかけられた神はまたもや無反応である。

なぜだろうか?・・・まさか幹部同士で名前を忘れることもないだろうに・・・


「む?おい!!エホバ!!」


すると今度はアマテラスが聞いたこともない名前を口にするゼウス。

アマテラスは黙ってその様子を見守っている。

だが、やっぱり、この神は無反応だ。

アマテラスは考えるのが面倒になったので、近くにいるゼウスに用事は済ませたと伝える。


「おお!!そうだったのか・・・感謝するぞ。」


「はあ、それよりこの方はアッラーさんじゃないんですか?」


「いや、アッラーと言えばアッラーなんじゃがのう・・・・おい!!ヤハウェいい加減にせんか!!」


「おー、どったの?ゼウスちゃーん。」


いまいちついていけないアマテラス。


「え?ヤハウェ?・・・ええ?ど、どういうことですか・・・・?」


いまだに混乱しているアマテラスにゼウスが説明をし始める。


「いやのう・・・こやつ人間からさまざまな名でよばれておっての・・・こやつ気分で名前を使いかえるんじゃよ。ホンットめんどくさいのう・・・」


「まあ、いいじゃ~ん、っていうわけでオレ今ヤハウェって気分なんだヨねえ?キミもそう呼んでくれないかな?」


「はあ・・・・」


曖昧な返事をするアマテラス。

名前を覚えるのがもともと得意ではないアマテラスにはだいぶキツイ注文である。


「にしてもさ~、あのめんどくさい奴良く説得できたねえ?・・・・・って、おお!!後ろに居んのってラーじゃん!!・・・・」


今はヤハウェと名乗っている幹部は、アマテラスの後ろにいたラー・アトゥムを見て驚愕の声を上げるが、対するラー・アトゥムはアマテラスの後ろにぴったりとくっついて離れようとしない。


「ほほう、まさか懐かれるとは・・・おぬし何もんじゃい?」


ゼウスも感心したようにアマテラスにへばりつくラー・アトゥムを見る。


「こ!これは懐かれたとかじゃなくってですね!!・・・」


アマテラスは抗議をしようとするが、集会が始まるらしく音声案内がビル内に流される。


『集会にお集まりのみなさん、集会開始時刻が近づいてまいりましたので、パーティ会場にお集まりください・・・・繰り返します・・・・集会にお集まりの・・・」


「おお、そろそろみたいじゃなあ・・・・」


「じゃ、いきますかぁ~・・・」


そう言うと二人の幹部は会場に向かって行ってしまう。

っていうか、案内の放送があるなら別に呼びに行くことなかったじゃん!!とアマテラスは気付く・・・・・そしてその直後なんだかやるせない感じのもやもや感がアマテラスを襲う。



「・・・・もういや・・・・・」


「・・・・・・・・・・」



アマテラスはそれだけ呟くと、背中にへばりついて離れないラー・アトゥムと一緒に会場に向かった。






***







ここは、集会に集まった神々が飲んだり食べたり楽しくお話したりしているパーティー会場である。

そんな楽しげなパーティー会場の隅に、負のオーラを出して放心状態の神がいる。

誰であろう・・・・・・・・・アマテラスである。

今まで自分がやっていたことが無駄だったことを知り、魂が半分抜け出ている。


「・・・は、ははは・・・お星様が・・・・・飛んでいる?・・・・」


「何を呆けているのですか?」


いきなり声を掛けられて、びっくりするがその聞き覚えのある声の主にアマテラスは非常に腹が立っていた。


「どこ行ってたのぉ?・・・」


が、攻め立てる気力もなくなっていたアマテラスは途中で逃げた案内の青年に投げやりにそう問いかける。


「ちょっと用事を思い出しまして・・・・・・」


「ふーーーーん・・・・」


明らかに嘘っぽいが、もうアマテラスには関係ない。

アマテラスは今、自分の頭の上に浮かぶお星様を数えるので精一杯なのである。



「あっれー、どうしたのこんなところで?」


呆けているアマテラスのもとへ、一人の女神がやってくる。


「あ!!ウェヌスさん、どうしたんですか?・・・」


ウェヌスの登場で呆けていたアマテラスは、正気にかえる。


「いやー、パーティ始まったばっかりなのに疲れた顔しちゃってどうしたのかなー?ってさ。」


ウェヌスの何気ない言葉にアマテラスの涙腺が緩む。


「うう・・・っウェヌスさーーーんっ!!!」


うわーーんと泣きながらウェヌスにくっつくアマテラス。

それまで背中にくっついていたラー・アトゥムはそんなアマテラスに少々不満げな感じだが、黙ってその様子を見ている。


「ど!!どうしたの!?」


「ぐすんっ・・・・聞いてくださいよー・・・」


ここからアマテラスの愚痴が始まった。


・・・・・・・・・・・






***













「ぐすん・・・それでぇ、ひっく・・・そのあと私はぁ・・・ひっく・・・」


もうだいぶ長い時間アマテラスは愚痴を語っている。

もうそれは長い・・・・なんたってすでにパーティーが終盤に差し掛かっている。

まあ、ウェヌス的にはそんなことはどうでもいいのだ。なぜならアマテラスの愚痴はその辺の神と話すより面白い。いや、面白すぎる。何回か吹き出してしまいそうになるのだが、ここで笑ったらアマテラスの精神が粉々になるのではないだろうか?と思うほどアマテラスに元気が無いので、ぐっとこらえている。

ただ、アマテラスの愚痴を聞きながら、ウェヌスは幹部に極力関わらないことに決めた。


「ま、まあ大変だったんでしょうけど・・・そのラー・アトゥム様っていうのに懐かれたのはよかったじゃない?」


ウェヌスはちらりと、後ろに立っているラー・アトゥムを見る。


「・・・ぐすっ・・・なつかれてませんよう・・・・」


しかしアマテラスはそれをすぐに否定する。


「そ、そうね!!懐かれてないわよねぇ!!」


せっかく落ち着いてきたアマテラスが自分のせいでまた泣きだしたら悪いので、絶対懐かれているとは思いつつも、アマテラスの話に会わせる。

ちょっと、後ろにいたラー・アトゥムが不機嫌そうにしているが、しょうがない。

今はアマテラスに話しを合わせるのが一番いいはずだ。


・・・・・・・・・




少しして、だいぶアマテラスも元気が戻ってきた。


「ご、ごめんなさい。つまんない話しをこんなにだらだらと・・・・」


「いいのよ~全然、むしろ面白い話が聞けて楽しかったなあ・・・・」


アマテラスに伝わるかは分からないがこれはウェヌスの本心である。


「そんなことより、私そういえばあなたの名前聞いてない!!何て名前なの?」


「わ、私ですか?私はアマテラスです。」


自分は自己紹介していたが、名前を聞いていなかったことに今更気付いて、あわてて聞くウェヌス。対するアマテラスも自分の名前を言っていないことに今更ながら気付いて自己紹介する。


「アマテラスか~~・・・」


「はいそうですよ、ウェヌスさん。」


そこでウェヌスはふと違和感を感じ、すぐにそれに気付く。


「それだーーーー!!!」


「ええ!?」


いきなり叫ぶウェヌスにびっくりするアマテラス。

案内の青年は何事かと二人を凝視し、ラー・アトゥムはそんな様子を黙って見ている。


「敬語はやめましょう、ウェヌスでいいわ、私もアマテラスって呼ぶから。」


「ええ!?で、でも・・・・」


「でもじゃない、いいから、ほらほら!!」


「うう・・・ウェ・・ウェヌス・・・・」


こうしてアマテラスは、ウェヌスと言う女神と親しくなりましたとさ。






ユダヤ教では、ヤハウェ

キリスト教では、エホバ

イスラム教では、アッラー

おんなじ神様なのにね・・・・・

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