幹部を呼べ その一
駄文だよ!!全員集合!!
しばらく状況が理解できない、アマテラスだったが、いつまでもこうしているわけにもいかない。
部屋を出ると金髪の青年が出迎える。
「じゃあ、他の幹部達に会わせてちょうだい。」
幹部と聞いて気を使っていたアマテラスだったが、精神的疲労が半端ではないので、この青年にまで敬語を使うのはやめにした。
というか、部屋に入った時自分だけちゃっかり外に逃げ出していた青年に、ほんの少し、ほんとにほんのちょっとだけ腹が立っていたせいもあるが。
「はい、かしこまりました。」
そんなことは一切気にかけた様子のない青年は、アマテラスを1つの部屋まで案内する。
さすがに大きなビルだけあって、部屋の数も大きさも半端ではないため、少し時間はかかったが、まあたどり着いたにはたどり着いた。
「すみません!!」
部屋をノックすると、アマテラスは中にいるであろうものに声をかけた。
しばらく間があったのちに、ガチャリとドアが開いて気の良さそうな男性が顔を出す。
「どちら様かな?」
「アマテラスというものです。もう集会が始まるので、来てくれと幹部の方がおっしゃっていました。」
用件をとりあえず伝えると、その男性は、少しびっくりした顔をする。
「もうそんな時間だったのかね!!君は・・アマテラス君といったかな・・・・わざわざご苦労だったね。ありがとう。」
「いえいえ、それでは私はこれで。」
「ああ、パーティー会場でまた会おう。」
そういうと彼は部屋の中に急いで戻って行った。パーティーに向かう準備をするためだろう。
あまりにも簡単に事が済んでしまったので、アマテラスはなんだか拍子抜けしてしまった。
「なんだ、あの二人がなんか変なこと言うからどんな方かと思ったら、全然普通じゃない。」
「アマテラス様、これで終わりではありません!!あともう二人ほどいらっしゃいます。というかむしろこの二人の方が厄介でして。」
仕事をやり終えた感満載に伸びをしていたアマテラスは、ゲッ!!という感じで青年の方を振り返る。
「そ、そうなの?・・・」
「・・・はい・・・」
絶対いやだ。きっととんでもないひねくれ者でとてつもなくめんどくさい神様なのだろう。アマテラスとしては絶対に会いたくない。終わりだと思っていたら、まだ二人残ってるなんて言う後だしじゃんけんのような話は飲めない。
そうこうしているうちにさっきの部屋からアマテラスが、よびに行った幹部の神が出てくる。
「おや?まだいたのかね?」
「え!!あ、はい・・・まあ、」
「あと二人の幹部を呼ばなければならないのにこの方がここで駄々をこねているのです。」
青年は困ったような顔で、その幹部に伝える。
「だ!!駄々なんてこねてない!!ななななにいってんですか、」
慌てふためくアマテラスを見て声をあげて笑う幹部の神が口を開く。
「ははは、もしやあいつらを呼びに行く気かね?やめておきなさい。貴方が疲れるだけだ。」
もともとアマテラスにはそんな気はないのだが、仕事を途中でほっぽってしまうのもいけない気がする。
嫌なジレンマだ。
「まあ、どうしても行くと言うなら、止めないが・・・では・・・」
そういうと、その幹部はパーティー会場に向かって歩いて行ってしまった。
「さあ、アマテラス様。参りましょう・・・」
「・・・・・・・・」
ますます行きたくなくなったアマテラスであった。
***
さっきの部屋とは違う階にある一室の前にアマテラス達は立っている。
さっきとは緊張の度合いも、気の入れ方も段違いだが・・・
なんせ、今までの話によるととんでもなくめんどくさい神様のようだからだ。
「私が聞いても分からないだろうけど、一応聞きますね。どんな神様なんですか?」
めんどくさい神様はどんなことがめんどくさいのかわからないが、とりあえず怒らせないように、下手に出て、言うことを聞いてもらうしかない。
だから、まだ会う前から丁寧さを意識してしゃべっている。
「はい、この方は、ラー・アトゥム様。エジプトの太陽神ですね。」
・・・・太陽神・・・・
「同業者ってことね・・・」
「敬語」
「!!で・・ですね。・・・」
まあ、同業者ならば話は早いと、アマテラスは早速行動に移す。
はやく済ませて、落ち着きたいのである。
「すみません!!」
声をかけるが全く返事が無い。
「すみませーーーーん!!」
もう一度さっきよりも大きな声で呼んでみるが、全く反応なしだ。それどころか中に誰かがいる気配が感じられない。
「いないのかしら?」
首を傾げて、ドアノブをひねると、きぃ・・・と音を立てて、少しドアが開く。
鍵はかけていないようだ。
しばらくそのままにしていたが、アマテラスはその隙間から中を覗くことを思いつく。
もしかしたら居留守を使っているのかもしれないし、ちょっと覗くくらいなんとも思わないだろう、鍵を閉めていない自分が悪いのだ。
いそいそと身をかがめ、ほんのちょっとわくわくしながらゆっくりと隙間を覗き見る。
・・・・・・・・・・目・・・・・・・・・・・・・
アマテラスが覗いて刹那、見えたものは大きくてぎょろりとした目だった。
その目はぎょろりとアマテラスを睨む。
「ひいっ!!!」
あまりにもびっくりしたアマテラスは、後ろに大きく倒れてしまった。
「・・・っ・・」
痛いことこの上ない。
「アマテラス様大丈夫ですか。」
「・・・起き上がれない・・・・手、貸して・・・」
ちょっとでも揺らせば泣き出してしまうのではないかというほど半泣きの状態であるアマテラスは、何とも情けない話だが、あまりにも強烈な出来事だったため、体に力が入らないのだ。
まあ、早い話が腰を抜かしたのである。
まだ少し、動悸が残るものの何とか落ち着きを取り戻したアマテラスは、どうしたものかと考える。
ほんとに怖かったのだ。出来ればもう二度とあんな思いはしたくない。
いまだに少しあいたドアを見つめていると、青年が声をかけてくる。
「開けてしまえばよろしいのでは?中にいらっしゃるのでしょう?」
理屈ではそうなるが、ドアノブを握った瞬間あの隙間に引きずりこまれるのではないかという恐怖感からアマテラスはなかなかドアをつかめないでいた。
「しょうが無いですね。私が開けてあげましょう。」
そういうと青年は、バタンとドアを開ける。
まだ、心の準備やら何やらができていなかったアマテラスだが、とりあえず、青年の後ろから、さっきの目の正体をみる。
しかし、中からアマテラスを睨んだ目の正体はそこにはいなくて、真っ暗な部屋の入り口が見えただけだった。
アマテラスがそのことに気をとられていると案内の青年は中に入って行ってしまう。
勝手に入っていいのかとは思ったが、一人で外にいるのもなんだか怖いので仕方なく青年についていくことにする。
エジプトってこんな感じのイメージなんですよね。
こう、不思議な感じというか、なんというか・・・・
ラー・アトゥム
・・・・エジプトの神様です・・・・
アトゥムって言う神とラーっていう神はもともと別々の神様だったらしいですが、後に同一視されて1つの神になったそうです。




